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彩雲国物語 第2シーズン 第十六話 風前のともし火

アニメ「彩雲国物語」を文章で見たい!という方のために。
(管理人のツッコミつき)


『』=モノローグ
ナレ:=ナレーション

キャストについては、公式HPを参照のこと

★第16話は一連の事件後のお話です★






むっくりと起き上がった影月→陽月。
漂う雰囲気が明らかに違う。
秀麗「影月君…?」
陽月「影月は死んだ。もう、この世のどこにもいない」
驚いている面々をそのままに、いきなりその場を走り去る陽月。
倒れる香鈴。
秀麗「香鈴!」
額に手を当てると。
秀麗「すごい熱」
静蘭「すぐに村に運んだほうがいい」
燕青「姫さん、俺が」
香鈴を抱き上げる燕青。



石榮村の診療所(推定)。
香鈴を診ている葉医師。
葉医師「んー、こりゃ相当参ってるな」
秀麗「葉先生」
葉医師「熱もちっとも下がらんし、意識も混濁したままだ。何があったが知らんが、余程の衝撃を受けたようだな。何より、生きる気力が感じられない。まるで抜け殻のようだ」
秀麗「先生、香鈴は、香鈴は助かるんですよね」
葉医師「熱さえ下がればいいんだが…今夜は目を離さんようにな」
秀麗「はい…」
部屋を出て行く葉医師。
秀麗「香鈴…」
燕青「そりゃそうだよな。この世で一番大好きな影月が、目の前で消えちまったんだからな」
うわごとのように呟く香鈴。
香鈴「え…影月様…影月様…」
涙がこぼれる香鈴を見て。

秀麗『ごめんね香鈴…私、あなたに頼ってばっかりで…あなたら、私たちを助けてくれるなんて…でも、香鈴も知ってたのね。影月君の命が、あと少ししか残ってないって事』

秀麗は思わず後ろを向き、顔を覆う。



書簡を読んでいた葉医師は、窓の外の気配に気づく。
葉医師「…!」
白い光が、ふわふわと飛んでいく。



山の中。
陽月が膝を抱えて座っていると、自分を優しく見下ろす気配がして、ふと顔を上げた。
華眞「陽月…大切な、大切な、愛しい、もう一人の子供」
陽月の頭を撫でながら。
華眞「大丈夫、君の、好きなようにしていいんだよ」
陽月「あの子は…あの女の子は…?」
華眞「大丈夫だよ」
陽月「愛されてるよな、影月…みんなに…けっ、くだらねえ。人間なんて」
華眞「……忘れないで。私も、影月も、いつまでも君を愛しているよ。この心だけは君に残していく」
陽月を抱きしめる華眞。その姿は静かに消えて。

華眞『陽月…命をくれて、ありがとう』

陽月「くそったれ…!」

陽月は別の気配に声をかけた。
陽月「出て来いよ!」
後ろから出てきたのは、葉医師。その姿は徐々に青年へと変わる。
葉医師→黄葉「ガラにもねえことすっからだぜ、白夜」
陽月→白夜「ふん、ほっとけ」
黄葉「わかってんだろ? あと一つだけ、手はまだ残ってるぜ」
(うわぉぉ! どこのヤンキー兄ちゃんだ!!)
白夜「何で俺がこいつのために、そこまでやってやらにゃならん!」
黄葉「ばっかお前、とっくにここまでしてやってて、今更そんなこと言うわけ? 笑っちゃうな」
白夜「うっせー!」
黄葉「言っとくけど、国試前にお前を見た時、俺も霄もマジで目を疑ったぜ。けどさ、ま、いーんじゃないの? 気まぐれはお前の得意技だろ? どうせ長くてせいぜい50年だ。俺たちにとっちゃ、瞬きよりも短い時間だぜ」
白夜「……」
黄葉「たまーにこっそり出てくる時間くらいは、作れんだろ? そん時は、うまい酒でももってってやるよ」
にかっと笑って、黄葉は姿を消した。



石榮村の診療所。
夜が明けて、静蘭と燕青は長いすで座ったまま寝ている。
秀麗は改めて濡らした布を香鈴の額に載せ、あくび一つ残して寝台に突っ伏してしまう。
しばらくして、誰かが部屋に入って来た。
香鈴は気配に気づき、視線を投げる。
香鈴の頭元に立ったその人は。
影月「香鈴、さん…香鈴さん」
香鈴「……」
影月「香鈴さん、具合はいかがですか?」
香鈴「影月、様…」
影月「そうですよ。陽月が命をくれたんです。寿命が尽きるまでの命を」
香鈴は思わず手を伸ばす。影月はその手を取り。
影月「その時まで、一緒にいてくれますか?」
涙がこぼれ、香鈴は影月に抱きつく。
影月「こ、香鈴さん」
香鈴「…嫌ですわ」
影月「!」
香鈴「私、おばあちゃんになっちゃいますわ」
影月「その時は、僕もおじいちゃんですよ」
香鈴「もう二度と、いなくなったりしたら、許しませんわ」
影月「香鈴さん」
抱き合う二人。
(秀麗はともかく、この時静蘭と燕青は寝た振りをしていたに違いない!)
(…と勝手に決め付ける)



華眞を葬った墓の前で、手を合わせる二人。

影月『堂主様、また陽月に貰った命、大切にします』
香鈴『影月様をどうかいつまでも、見守っていてください』

そんな二人を見守っている秀麗たち。
若芽がついている木の枝を見上げて。
秀麗「春はもうすぐ、そこまで来ているのね」
静蘭「ええ。この山里にも、確実に」
燕青「ま、あそこには特別早く来ちゃってるみたいだな」
龍蓮「二人の愛を祝して」
龍蓮が指を鳴らすと、いきなり頭から大量の花が。
影月は香鈴を促しながら、墓を振り返る。

影月『おやすみなさい…ゆっくり眠ってくださいね、堂主様』



ところ変わってこちらは貴陽。
「何、病は本当に収束したのか。信じられん」
「あの女州牧が生きて帰るとは」
「また手柄になるのか。それだけは何としても阻止しなければ」
「早急に手を打ったほうがいいでしょう」
「ふん……」

庭園を歩いている劉輝。
秀麗と初めて出会った時の事を思い出す。
秀麗は無事に帰ってくるだろう。でも……

ムキムキの体で、剣を振るっている宋太傅。
そこに、劉輝が現れた。
宋太傅「?」
劉輝も剣を手にしている。
劉輝が何をしたいのかを察した宋太傅。

宋太傅の一振りで倒れる劉輝。
二人の試合は夕暮れまで続く。

剣を飛ばされ、それに手を伸ばすものの、力尽きる劉輝。
仰向けに寝転がり。
劉輝「ひどい……余は一応王なのに」
宋太傅「俺もなまったもんだ。この程度で息切れとは」
劉輝「ちょっとは、手加減してくれても」
宋太傅「手加減して欲しいなら、お前が俺のとこ来るかよ。ちったぁ気が晴れたか」
劉輝「……いつの間にか、諦めきれないものが、たくさんできました」
宋太傅「ふん、ならしがみつけ、諦めるな」
宋太傅も、仰向けに寝転がる。
宋太傅「最後の最後まで勝負をかけろ。お前が紫劉輝であるために必要なものは、丸ごと奪い取れ」
劉輝「……」



執務室。
劉輝は、一つの決定を書き上げる。
劉輝「どう思う?」
絳攸「ええ、いいと思います」
楸瑛「このくらいの処置は、必要でしょう」
劉輝「うん」
と言ったものの、へたりと机に突っ伏す劉輝。
劉輝「なんだか余は、秀麗に嫌われることしかしていない気がする」
絳攸「大丈夫ですよ。このくらいで嫌うような娘じゃないでしょう」
楸瑛「無事に戻ってよかったですね。よく我慢して待ちました」
劉輝「ん……それだけでいい……それだけで、いい…」



朝議。
「調べによると、杜・紅両州牧は、共に州牧の権限を返上して、現地に赴いたそうだ」
「特に紅州牧の権限放棄は何と二度目じゃ。責任の重さが全く分かっておらん」
「散々無理難題を押し通し、州牧にあるまじき無責任かつ軽挙妄動の数々、断じて見過ごすわけには参りません」
非難囂々の高官たちに。
劉輝「分かった」
沈黙の後。
劉輝「杜影月および紅秀麗は、即刻茶州州牧位を解任、現黒州州牧、櫂瑜を着任とする。櫂瑜は即刻茶州に飛び、早急なる案件の引継ぎと、茶州の安定を推し進めること。杜影月に関しては、官位降格、また櫂瑜を後見人とし、彼に師事し補佐として研鑽を積んでもらう」
ざわめく高官たち。
「これは降格じゃないぞ」
「むしろ、将来の出世を約束されたも同然じゃないか」
「で、では、紅官吏の処分は」
劉輝「引継ぎを持って、早急なる貴陽への帰還を命じる。官位は全て剥奪、当分謹慎処分とし、次の官位が決まるまで、冗官となす」
厳しい処分に、言葉もない高官たち。



ナレ(邵可):
秀麗たちは、事後処理を丙太守に任せ、琥叙ホ城に戻っていた。



窓から影月と香鈴が仲良く歩いているのを見ている秀麗。

秀麗『それにしても…』

あの、坑道での出来事を思い出す。
不思議な光に包まれ、意識が飛びそうになった。

秀麗『あれは一体…』



庭園を散歩している二人。
香鈴「じゃあ、陽月様は、もう…」
影月「ええ。僕と入れ違いに深い眠りについて…もう、二度と現れることはありません」
香鈴「二度と、ですの?」
影月「はい」
香鈴「お酒を飲んでもですの?」
影月「はい。ぐっすり眠ってしまったので、大好きなお酒でも起きないんです」
香鈴「そうでしたの…」
影月「ええ……だから」
立ち止まる影月。
影月「香鈴さん、この間言ったこと」
香鈴「はい」
ほんのりと頬を染めながら。
影月「ずっと…一緒にいて欲しいって…」
香鈴「…!」
影月「本当ですから」
香鈴「はい…」
影月に見つめられて。
香鈴「あ、あの…私」

香鈴『ほら、言うの、あの時言えなかった言葉…』

勇気を振り絞って。
香鈴「あの、私、あなたが…す……ああー!」
影月の後ろに立っていたのは!
香鈴「金魚のフンですわ!」
影月「え?」
香鈴「あ、いえ、影月様ではなくて」
影月を後ろから抱きしめたのは。
龍蓮「探したのだ~影月」
影月「あ、龍蓮さん。この間はありがとうございました。今日は普通の格好じゃないんですね」

香鈴『い、いいところだったのに、とんだ伏兵ですわ。よりによって殿方に座を奪われるなんて、女の誇りが許しませんわ!』
(燃えています香鈴!)

龍蓮「せっかくまた会えたのだから、一緒にいよう。離れたくないのだ」
影月「はい、いいですよ」
香鈴「えっ」
悔しそうな香鈴を見て、龍蓮はいきなり香鈴の前で、パン!と手を叩いた。
するとどこからか鳩が出てきて、香鈴の肩や腕に止まる。
龍蓮が指を鳴らすと、鳩は飛んでいった。
影月「龍蓮さん、今の何ですか? どうしていきなり鳩が?」
龍蓮「旅の途中の雑技団に教えてもらったのだ」

香鈴『ただの変な人ですわ』(がっくり)

影月「すごいです、もう一回やってください」
龍蓮「残念ながら、これは一発芸なのだ。また鳩を捕まえたら出来る」
影月「どうやって捕まえたんですか?」
龍蓮「さっき笛を吹いていたらぽたっと落ちてきて…何か悪いものでも食したのだろうか」
影月・香鈴「……(その笛のせいだよ)」
龍蓮「よし、ではまた、鳩を捕まえに行くか」
影月「はい! 香鈴さんも行きませんか?」
香鈴「ええ!? ま、負けませんわ!」
香鈴も後を追いかけ、影月と龍蓮の間に割って入る。
龍蓮「おー来たか、金魚のフン」
香鈴「あ、あなたに言われたくありませんわ!」
影月「香鈴さんと龍蓮さんて、どっちが金魚のフンなんですかー?」
(両方ともだよっ)



貴陽の王宮、こちらは後宮。
珠翠「刺繍って、あの…?」
劉輝「そう、これ」
裁縫箱を示して。
劉輝「こっそり、教えてくれぬか」
珠翠「ですが…」
劉輝「少しだけ。桜の花びら程度でいいんだ」
珠翠「あの、やり方は知ってますが、じ、実は私、刺繍だけはとんと苦手で…」
劉輝「あ、あーそうか。それはむしろやりがいがある。一緒にやろう」
というわけで、二人は刺繍をするのだが。
劉輝「どうだ珠翠、できたか」
珠翠「ま、まだです! 主上は?」
劉輝「余もまだ途中だが、よし、いっせいに見せ合おう」
珠翠「ええっ」
劉輝「いっせーの! せっ」
それぞれの刺繍は……
劉輝「それは…雑巾を縫ってるのか?」
珠翠「だから嫌だって言ったんです~」
劉輝「余のほうがずっとうまいぞ」
(劉輝ひどいぞ!)



茶州、琥叙ホ城。
影月と秀麗は疲れ切って机に突っ伏して眠っている。
燕青「石榮村にもどんどん人々が戻って、村の復興が始まってるみたいだな」
悠舜「そうですね。丙太守が労を惜しまず動いてくださっているようです」
燕青「王都から集まったえり抜きのお医者たちも、ほとんどが茶州に残って、医術の普及に努めると言ってくれてるし」
悠舜「学舎設立の際にも、ぜひ協力したいと」
燕青「うん、こいつらが始めたことが、どんどん実を結んでる。お、連日の事後処理で、かなり大変だったからな」
秀麗に忍び寄る燕青に。
悠舜「燕青、いたずらして鼻などつまんで起こしたら、怒りますよ」
燕青「毛布かけなおすだけだっつーの。お前な、俺のこといくつだと思ってんだよ」
その時、静蘭が部屋に入ってくる。
燕青「お、静蘭。何か手がかりは見つかったか? 逃げやがった縹家の術者たち」
静蘭「いや、全く。どんな術を使ったんだか、跡形もなく消えたままだ。手がかりすらない」
燕青「はー。身元が割れるようなブツも?」
静蘭「ない。これで糸は全部切れた。この一件はここでおしまいだ。報告書を書くとしたら、一人のちょっと変な少年が病に乗じて扇動、失敗、終わり、だ」
悠舜「まさしくとかげの尻尾きりですね」
燕青「この二人をあれだけ傷つけ苦しめて……こんちくしょう、犯人分かってんのにとっ捕まえらんねーのかよ」
静蘭「それがやりくちだ、縹家の」
そのとき、一人の官吏が文を持って入って来た。
官吏「貴陽から、文が届きました」
それを受け取る悠舜。表情が険しくなる。
悠舜「辞令だ」

燕青「まさか、そんな…!」
影月「仕方ないですよ。新米官吏二人の首なら、安いものですよね」
秀麗「そ、その通りよね。知っててやっちゃったもの、今さらだわ」
静蘭「それにしたって…」
影月「確かに。僕はともかく、秀麗さんが冗官というのは、ちょっと…」
香鈴「冗官、て、何ですの? 何か良くない…?」
影月「冗官というのは、官吏とは名ばかりの、何の職務もない者のことを言うんです」
香鈴「えっ」
燕青「まかり間違っても、厳しい国試を潜り抜けて及第した者が放り込まれるなんて事は、ありえねーぜ」
秀麗「朝議で決まったことなんだから、しょうがないわ」
香鈴「ひどい、ひどすぎますわ。主上を見損ないましたわ」
燕青「全くだ。何考えてんのか」
悠舜「…もしかしたら、先手を打ったのかもしれません」
燕青「あ?」
悠舜「今回の秀麗殿たちの功績を、面白く思わない者たちへの…」
燕青「それにしたって」
香鈴「あんまりですわ。ひどすぎますわ」
秀麗「はいはい、ありがと香鈴。大丈夫だから泣かないの。香鈴が知らないところで、かなり無茶苦茶やっちゃったから、妥当だと思うわよ」
影月「だけど、何もしなかった僕が降格だけで、しかも櫂州牧の後見付で、皆を助けた秀麗さんが、こんな…」
秀麗「大丈夫だって。気にしないでったら。きっと少し休めってことなんだと思うわ。いいように解釈するわ。ね、ね」
ふと思いついたように。
秀麗「あそうだ! 今夜は猪なべにしようと思ってたの。支度してくるわね」
(その猪は燕青が捕まえて来たに違いない!)
部屋を後にする秀麗。

扉を閉めたまま、ため息を落とす秀麗。
分かっていたとはいえ、やはり辛い。
劉輝はきっと、理由があってやったに違いないのだ。

次回は原作の番外編! 龍蓮大活躍なのだ!









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