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彩雲国物語 第2シーズン 第十五話 一寸の光陰

アニメ「彩雲国物語」を文章で見たい!という方のために。
(管理人のツッコミつき)


『』=モノローグ
ナレ:=ナレーション

キャストについては、公式HPを参照のこと

★第15話は邪仙教の件がとりあえず落着するお話です★
★そして、影月が…!★






秀麗たちを待っていたのは、白装束の男たち。
うちの一人が、顔を上げる。
燕青「姫さん、あの顔に心当たりは?」
秀麗「全然、知らない顔だわ」

華眞→千夜「ようこそ、紅州牧」

(タイトル)

秀麗『違う…あの人じゃない』
(どう見ても朔ちゃんじゃありません)

秀麗は少し進み出て。
秀麗「あなたが邪仙教の教祖、千夜?」
千夜「そうだけど」
秀麗「その名前に心当たりがあるんだけど、単なる偶然かしら」
千夜「調べたんだ。一番引っかかりそうな、本物でも偽者でも飛んで来ないわけにはいかない名前をね」
秀麗「よくもそんなことを」
千夜「あっさりバレると思ったんだけど、意外と迷ってくれたよね」
燕青「実際、こんなことしそうなほどバカなことしたんで、信憑性があったんだよ」
秀麗「どこの誰だろうと関係ないわ。何が目的かなんて興味もないわ。自称邪仙教、教祖千夜、およびその信者、病に乗じ、妄言をもって石榮村及び周辺住民をかどわかし、金品を巻き上げた挙句、監禁した罪は一方なりません。捕縛と、追って罪に問います。今すぐ大人しく、捕まってください」
数瞬の空白の後。
燕青「おおー、姫さんかっこいいー。捕り物帖みてー。俺、難しい台詞言えねーからなー」
秀麗「ば、ばか! 台無しじゃないのよもう! 燕青たら」

千夜『どうしてお母様はこんな小娘を…別に美人でもないし』

千夜「どうして妄言と言い切れるんだ? 実際お前が州牧になったとたんに起こったことだ。杜州牧一人だったら、何も起こらなかったかもしれないよ。お前がぐずぐずと州牧位を捨てなかったから…」
秀麗「捨てたわ」
千夜「何だって?」
秀麗「私はもう、州牧位にはないわ。貴陽を出立する時、州牧の権限は全て、副官の鄭悠舜に委譲してきたわ。私が州牧を降りることで、病が収束するなら、安いものだもの。女が州牧だったから病がはやったということだったけど、別に関係なかったみたいね。一向に病は収束してなかったもの」
千夜「お前、さっき捕縛するとか言ってなかったか? 州牧でもないお前に、そんな権限ないだろ」
秀麗「私がするとは言ってないわ。燕青はちゃんと州尹だもの、権限あるわよ」
燕青「言ったじゃん、俺、難しい台詞言えないってさ」
悔しそうな千夜。秀麗の足元を見る。

千夜『もう少し前か…』

千夜「別に妄言ではない。ちゃんと言ってあげたよ。水は煮沸して使いなさいってね。それを無視して発病したのは自業自得だろ?」
秀麗「自業自得?」
千夜「加えて、末端まで州府機能を行き渡らせなかった役人の怠慢にも原因があるんじゃないのかな。州牧たちのせいというのも、あながち間違った噂ではないと思うけど?」
燕青「…それは否定しない。けどな」

「ふざけたこと言わないでください!」

龍蓮や香鈴と共に、影月がこの場に駆けつけた。
秀麗・燕青「!」

千夜「!」

秀麗「影月君…」
秀麗は急いで駆け寄る。
秀麗「ひどい…」
影月「あいつにやられたのか」
龍蓮「ずっといたぶられていたらしい」
燕青「ふざけた真似しやがって」
秀麗「香鈴、ありがとう」
香鈴「秀麗様…」

千夜『バカな…』

千夜は幹部の者に一瞬視線を投げる。

千夜『大丈夫だ、杜影月なら何の害もない。欲しいのはこいつの中の…』

影月「これから悪いことが起こるから、水は全部沸騰させて使うべしなんて言葉で、どこの誰が信じるっていうんですか! どうせ後で言い逃れるために、わざとばかばかしく言ったんでしょう! あなたは、村人が病になろうがどうでも良かった。そうでしょう?」
千夜「まあね。だから?」
影月「でも、あなたが今使っているその体の、本当の持ち主は違う!」
燕青「?」
秀麗「影月君?」
影月「堂主様なら…華眞様なら…華眞様が予防法を知っていたなら、信じてもらえるまで歩いて、説明して、人と命と、この世界の何もかもを愛して、大切に大切に慈しんで、誰かを助けるために、何もかもと引き換えに手を差し伸べて、それが水鏡導寺の華眞、僕がこの世の誰よりも敬愛する師であり、父です。それを…あの人をどこまで汚せば気が済むんですか!」
千夜「この体から出るかどうかはまた後でね。とりあえず目的は、そっちの女のほうだから」
秀麗は千夜に鋭い視線を向ける。
千夜「そ、あんた。紅秀麗って女が欲しいんだ。分かってて来たんだろ?」
秀麗「あなたと全然面識がないんだけど、どちら様?」
千夜「聞こえないなぁ。もっとこっちへ来てよ」
秀麗は足を踏み出す。燕青はすばやく見回し。

燕青『何も仕掛けはないな…』

見えない円陣に近づく秀麗。

千夜『もう少し…あと5歩、4歩、3歩…』

…のところで、秀麗は止まる。
舌打ちする千夜。
千夜「護衛なしで来たのも、ここに捕まってる村人たちを助けるためだろ? 君が僕と一緒に来てくれるなら、村人は解放するよ。さあ、おいで」

秀麗は2歩踏み出したところで。
秀麗「おあいにくさま。今朝早く、村人たちはとっくに連れ出させてもらったわ。牢屋、見てみたら? すっからかんよ」
千夜「な、なに?」



石榮村では、運び出された村人の治療に、葉医師が当たっていた。
葉医師「ほお、凛嬢ちゃんの作ったクロム鉱石で作った小刀は切れ味抜群じゃなー。感謝感謝。もうひと踏ん張りせんとな」
と、そこへ。
医官たち「葉先生!」
(毎度おなじみ3人組です)
葉医師「お前たち何やっとるんだ、患者ほっぽりだして来るなんぞ医者失格じゃ!」
医官「あの、ほっぽって来たわけじゃ…」
医官「虎林城の患者さんたちは落ち着きました。まだここに、病の人がいると聞いて」
医官「手伝わせてください!」
葉医師はじっと彼らを見つめ。
医官「先生…」
葉医師「何ぼさっと突っ立っとる。さっさと手洗って来い!」
医官「はいっ」
(でも、ちょっと嬉しそうなじっちゃん)



何としても円陣に誘い込みたい千夜。
千夜「なるほどね。ま、いいよ別に。お前をおびき寄せる役に立ったなら十分だ。どのみち、もう袋のねずみなんだから」
秀麗「そうかしら」
千夜「! どういう意味」
秀麗「運び出した村人たちの代わりに、シ武官が茶州軍精鋭の将軍たちを連れて、すでに乗り込んできているって言ったら?」
燕青「おーい、静蘭! いいぜ!」
白装束の男たちが頭巾を取ると、それは邪仙教の者ではなく。
(千夜の両隣の男たちは、邪仙教の幹部=縹家の者のようです)
剣を向けられる千夜。
静蘭「この場にいるあなた方を捕まえるので最後です。他の信者たちはすでに捕縛済みです。戦わなければそれに越したことはない…でしょ、お嬢様。どうですか」
秀麗「最高よ静蘭。文句なしにかっこいいわ。ものすごく鼻が高いわ」
静蘭「ありがとうございます」
その満面の笑みに。
燕青「うわ、誰だよあいつ」
(残りの三人は苦笑してます)
秀麗「影月君の言う通りよ。私はあなたたちを許さない。人の命を利用するだけ利用して、私と影月君を捕らえるためだけに、何の罪もない人たちの命を利用するなんて! あなたは私と影月君にも片棒を担がせたのよ!」
千夜「……」
秀麗「絶対に許さない!」

足を踏み出した秀麗は、円陣の中に入った!

千夜『勝った!』

不思議な光に包まれる秀麗。
燕青「姫さん!」
静蘭「お嬢様!」

秀麗『なに? 体が…動かない!?』

誰も助けに近寄れない。
不気味に笑い続ける千夜。
秀麗の意識が飛びそうになる。

千夜『そうだ…もう少し…!』

だが、その円陣の端を誰かが足で踏みにじった。
術は無効になる。

千夜『!!』

その場に座り込む秀麗。急いで駆け寄る静蘭。
静蘭「お嬢様!」
秀麗が振り返ると、そこには。
秀麗「リオウ君…」

リオウが、何かを抱えて立っていた。

千夜「リオウ…なぜ邪魔をする…」
リオウが抱えていたのは、一人の少年の首。
それを見た千夜の顔色が消える。
千夜「僕の…首…リオウ、お前がやったのか?」
リオウ「違う。俺がお前の体を見つけた時には、すでに切り離されていた。漣、お前の首を切り落として、帰る体をなくしたのは誰だ?」
千夜は思わず両隣の男を交互に見る。
千夜「なんの、ために…?」
リオウ「お前は捨て駒にされたんだ。漣、計画は失敗した。もうここまで来たら、お前は用済みってことだ」

愕然となり、いきなり笑い出す千夜→漣。

漣「お母様…お母様…お母様……お母様……」

(漣の回想)
決して振り向いてくれない母親に。
漣「お母様、その紅秀麗と陽月ってやつ、僕が捕まえます。その二人は、縹家の再興に役立つのでしょう? 待っていてください。必ず僕が捕まえてきますから」

漣『そしたら…僕を褒めてくださいね、お母様』

(回想終わり)

漣「分かってたよ…無能な僕なんて、お母様は簡単に切り捨てるってね。でもね、ちょっとだけ夢を見ちゃったんだ。もし役に立てれば、こんな僕でも愛してくれるんじゃないかって…リオウ、僕はお前と過ごす時間が嫌いじゃなかったよ」
リオウ「……」
よろよろと歩き出し、リオウの側を通り過ぎる。
漣「もう、戻る体もない…あとは自分が死んでいることを認めさえすればいい…そうだよな、リオウ」
そして、リオウに視線を投げて。
漣「じゃあな」

倒れる華眞の体。

隙を突いて逃げようとした幹部たちだったが、龍蓮と静蘭にあっけなく倒される。
燕青「たく、往生際が悪い奴らだ」
龍蓮は辺りを見回し。
龍蓮「…いない…」
秀麗・燕青「!」
静蘭「あの子…」
燕青「リオウ…どこ行った」
龍蓮「消えた、のか…」
静蘭「燕青と私に気づかれずにどうやって…」
秀麗「リオウ君…」
燕青「あいつ、本当に何だったんだ。つーかあいつ、姫さん助けてくれたのか?」
秀麗「分からないけど、さっきどうしようもなく苦しくて、体が動かなくなったの。それが急に……そしたらリオウ君がいて…」
燕青「んー」
考えている静蘭。

静蘭『もしや縹家…? なぜ縹家がお嬢様を…』



雪深き山林を歩いているリオウ。
璃桜「お疲れだったね、リオウ」
目の前に、父親の姿が現れる。
リオウ「杜影月は無理でした」
璃桜「分かってる。姉が横から手を出さなければ、あのまま静かに消える隙を見つけたかもしれなかったけれど」
リオウ「はい」
璃桜「だめでもともとだったからね。気にするな。何かの役に立つかと、お前に華眞の遺体を捜してもらったのに、無駄足をさせてしまったね」
リオウ「いえ…」
璃桜「あの娘…リオウ、あの娘はどうだった?」
リオウ「…二胡を、弾いてました」
璃桜「二胡か。懐かしいものを聞いたな」
音もなく消える、父親。

リオウ『漣…お前は知らないままにいってしまったのだな…
二胡の音も、優しい指も、嘘のない笑顔も…
お前が欲しくて欲しくてたまらなかったもの…
俺は少し、ほんの少しだけ、それを垣間見たのかもしれない』



満身創痍の影月は、その場に座り込んでしまう。
香鈴「影月様」
秀麗「大丈夫?」
苦しそうな影月を見て。
秀麗「行きましょう。早く影月君の手当てをしないと!」
影月「秀麗さん、少し待ってください」
秀麗「え?」
影月「香鈴さん…」
香鈴「はい」
影月はかろうじて立ち上がる。
龍蓮「影月、動くな」
影月「龍蓮さん、お願いします」
龍蓮「…!」
龍蓮と香鈴は影月を支え、倒れている華眞のところへ連れて行く。
影月「堂主様…幸せでしたか? 堂主様」
長い前髪の下から、優しそうな顔が見える。

華眞「なんて、ことだ…!」
死にかけていた影月の手を、取ってくれた華眞。

影月「あの時、手を繋いでくださって、ありがとうございました」
様子がおかしいことに、龍蓮も香鈴も気づく。
龍蓮「!」
香鈴「影月様?」
倒れこむ影月。
秀麗「嘘…!」

秀麗『そう遠くないうちに、杜影月はこの世から消えてしまう』

黒州州牧、櫂瑜の言葉。

秀麗「影月君…影月君!」

香鈴「影月様……影月様!」
燕青「お、おい、影月!」
静蘭「影月君…」
秀麗「影月君!」

(えーと、影月の心の中だと思ってください)
影月「ああ…僕は本当に幸せだった…」
華眞「ねえ、影月、誰かを愛すると心がぽっとあったかくなって、それだけで幸せだね」
影月「はい、堂主様。本当に」
そして。
影月「ありがとう、陽月。最後まで、君は僕のわがままをかなえてくれたね。いつか君が、長い長い時を過ごした後に疲れて眠りたくなったなら、僕と堂主様が迎えに行ってあげるから。僕は幸せだったよ、陽月」

香鈴『影月様! 影月様!』

影月「香鈴さん…泣かないで…最初で最後に恋をしたあなたが、笑っていて欲しいから…どうかお幸せに」

香鈴『影月様! 行かないで! 行かないで、影月様!』

(このあたりは描写不能なのでDVDなどの映像をご覧ください)

香鈴「行かないで。まだ言ってない。大切な言葉を! 私、あなたが…」

影月の手から、力が抜ける。
秀麗「影月君!」

…と思ったら、その手にかすかに力が入る。
秀麗「影月君…」
ほっと安心する面々。でも香鈴は。
香鈴「…違う」
秀麗「え?」
香鈴「違う…」

いきなり、むっくりと起き上がる影月→陽月。

秀麗「影月君…」
陽月「影月は死んだ」
秀麗「え?」
陽月「もう、この世のどこにもいない」
驚く面々をそのままに、いきなり走り出す陽月。



陽月は月夜の下で、膝を抱える。
陽月「…くそったれ」

次回は何と、葉医師の若かりし日のすごい姿が見られます!









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