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彩雲国物語 第2シーズン 第十三話 急いては事を仕損じる

アニメ「彩雲国物語」を文章で見たい!という方のために。
(管理人のツッコミつき)


『』=モノローグ
ナレ:=ナレーション

キャストについては、公式HPを参照のこと

★第13話は石榮村で作戦を立てるお話です★






ナレ(邵可):
貴陽の劉輝の元に、珍しい客人が訪れていた。

仙洞宮。
待っていた劉輝のところに、縹家の当主が現れる。
劉輝「あけましておめでとう、縹家の御当主殿。当代国主、紫劉輝。お初にお目にかかる」

(タイトル)

劉輝「縹璃桜殿、ちょっとお茶でもいかがだろうか」
璃桜「先王や兄の公子たちとは違っていらっしゃる。陛下、その手にお持ちの莫邪を少々見せていただけますか」
劉輝はそれを差し出す。

劉輝『この莫邪は、対の宝剣干將と共に、かつて縹家の人間が鍛え、王家に奉納したもの』

璃桜「随分と鳴っておりますね」

璃桜『これは驚いた…駒だけ動かして、調べなかったのが悪かったのか』

劉輝「璃桜殿、邪仙教に関与は」
璃桜「縹家は代々女の一族。異能の血を継ぎ守り残すことができるのは女だけ。先代の父と私は少数の例外というわけです」
劉輝「そなたが立った理由は?」
璃桜「姉がやたらと私を当主にしたがったのでね…とはいえ、本来当主になるべきだった姉の権力は今も絶大ですが」
劉輝「そなたは関与してないと」
璃桜「確かに茶州で手に入れたいものはありましたが、必要もないのにわざわざ虎林郡を引っ掻き回そうと思うほど、やる気のある性格ではありませんので」
璃桜は莫邪を劉輝に返す。
劉輝「手に入れたいもの?」
璃桜「ええ。一族の存続のために、あれば役に立つもの」
劉輝「……では、紅秀麗に接触したのは」
璃桜は答えずに、踵を返す。
劉輝「璃桜殿、やっぱり、お茶はだめか?」
璃桜は少しだけ振り返り。
璃桜「それでは、気が向いたら」


ナレ:
杜影月は、貴陽から遠く離れた茶州虎林郡の山深くにいた。


まだ影月をいたぶっている華眞。
華眞「ちょっとだけ、うらやましいんだよね。君って男の癖に、お母様に必要とされているからさ。君って言うか、陽月ってほうだけど。何でも欲しいものは手に入れる、お母様らしいよね」
影月「あなたは、あの病の流行を知ってたんですか」
華眞「知ってたよ。だから利用させてもらったんだもの。僕たちだって言ってあげたんだよ? これから悪いことが起こるから、水は全部沸騰させて使うべしって。へへ、でも笑われて終わり。どうせ聞かないだろうって思ってたけどね。自分の身に降りかかってからじゃなくちゃ、人って何も考えないだろう?」

影月『その顔とその声で、そんな台詞を履くのか…誰よりも人と命を愛した、あの人の口から…』

影月「許さ…ない…!」
気を失う影月。


ナレ:
浪燕青は秀麗より一足先に、石榮村に向かっていた。


馬を駆って石榮村に到着した燕青。
でもそれよりも先に到着していたのは。
燕青「よぉ、静蘭! さっすがぁ、ちょうどいい時に来てくれたぜ」
二人で村の中を歩く。
静蘭「復興の手はずは全て整えた。まもなく物資と人手が到着する」
燕青「おう、仕事が早い」
静蘭「お嬢様はどうしてる」
燕青「大丈夫、元気元気。よく今まで我慢したなぁ、偉い」
静蘭「うるさい」
燕青「姫さんさー、お前が後ろにいてくれるから、完璧な布陣立てられるって言ってたぜ」
静蘭「…!」
燕青「あと、お前がすごーく大切で、ちょっとでも怪我してほしくないから、自分が頭使って頑張るってさ」
静蘭「……」
燕青「めちゃくちゃ信頼されて、愛されてるじゃん」
静蘭「当然だ」

小さな川に架かる橋の上で。
燕青「何が何でもずっと側にいて、守るって思ってた誰かさんより、よっぽど大人だよな……ん?」
静蘭「どうした?」
山の向こうから一筋の…
静蘭「煙? あそこが邪仙教が根城にしているという坑道か」
燕青「ああ」
燕青は干將を差し出す。
燕青「静蘭、返すぜ。どうする? 俺の代わりに姫さんとこ行く? それともここで仕事してるか?」
静蘭「米つきばったの癖に本当に頭に来る奴だな、貴様は。やることやってからだ」
一旦受け取ったものの、静蘭は干將を燕青に返す。
燕青「何だよ、もういいだろ。お前な、俺剣は駄目だって」
静蘭「お嬢様の側にいるなら全部終わるまで持ってろ。意味は分かるな。とっとと行け」
燕青「お、おい」

馬に乗る燕青。
燕青「分かったよ」
燕青を見送りながら。

静蘭『側にいなくても守ることは出来る…でも…』


ナレ:
秀麗たちは、石榮村の少し手前で、野営をしていた。


一生懸命料理している秀麗。
リオウやシュウランも手伝っている。葉医師は相変わらず酒を飲んでいる。
秀麗「じゃ香鈴は、シュウランたちが石榮村にいる時には来なかったのね」
シュウラン「うん。そんな女の子は来なかったよ」
リオウ「村がぽっかり空白地帯になった時に、うっかり来てうっかり山に捕まったんだろ。邪仙教ってのは、お前をいけにえにしたがってんだからな」
秀麗「リオウ君…」
その時、燕青が帰ってきた。
秀麗「燕青!」

その晩、ご飯を食べながら。
燕青「邪仙教は、榮山石採掘用の坑道を利用してる」
燕青は坑道の地図を見せながら説明する。
秀麗「影月君、このどこかにいるのね」
燕青「ああ」
シュウラン「あの白い人たちね、ちょっと前からなんかすっごい朝早くに荷車引いてどっか行って帰ってくるようになったんだよ」
秀麗「毎朝出入りって、何のために」
葉医師「死体の運び出しか」
燕青「ああ」
秀麗「ええ? じゃやっぱり」
燕青「病気にならないって言葉を信じてついてっちまった村人の中にも、あとから発症した人がいるって事だ。発病してない連中も、かなり弱ってるだろうな」
秀麗「いずれ動けなくなる人質なら、逃げ出す心配もないし、私たちの動きも制限できるって訳ね」
燕青「兵隊一人でも連れて乗り込んでりゃ、今頃がっちり人質楯にされてただろうな。姫さんが軍隊断ってくれたおかげだ。偉い姫さん、ありがと」
秀麗「だめ、全員無事助けられたら褒めてちょうだい」

秀麗『時間がない。一刻も早く助け出して治療しないと、どんどん手遅れになる』

燕青「香鈴もこの中のどっかにいるはずだ。助ける人数が一人増えたな」
秀麗「助ける…?」

秀麗『香鈴は焦っているかもしれない。けど冷静だわ。今、香鈴は何をしている…?』



坑道の中。
ある部屋では、発病した人たちが寝かされていた。
その部屋の水が目の前で、香鈴は考える。

香鈴『ここにいらっしゃる…』

(回想)
影月『多分ひと月持たないでしょう。お別れです、香鈴さん』

香鈴『大丈夫。まだ半月と少し。ここに…このどこかにおいでに…』

香鈴は病人の一人に、水を飲ませる。
香鈴「ゆっくり…そう、ゆっくり飲んでください」

香鈴『望みのものは自分の手で探して…迎えに行きます』



秀麗はただいま考え中。

秀麗『私が香鈴だったら、何をしているかしら…』

目の前のお鍋をかき混ぜようとした時、ふとリオウに目を留める秀麗。
秀麗「リオウ君?」
リオウ「?」
秀麗はリオウの手を取り。
秀麗「あら、ひどいわね。ちょっと待って、あかぎれに薬塗ってあげるから」
リオウは素直に、薬を塗ってもらう。

坑道の地図を見ていたシュウランが、ふと気づく。
シュウラン「あれ、この地図ちょっと足りない」
燕青「え? 足りない?」
シュウラン「毎日探検したから、私よく知ってんだ。抜け道もあるんだよ。大人が通れないとこも一杯」
燕青「マジで? ちょっと教えてくれよ」
シュウラン「うん、いいよ」
シュウランは地図に書き足していく。

秀麗「はい、これでいいわ」
薬を塗ってもらった手を、見つめるリオウ。

燕青「さっき煙が上がってたのがここら辺か」
秀麗「煙?」
燕青「ああ、多分煮炊きの煙だろうな」
シュウラン「煮炊きの煙? そんなの前なかったよねリオウ」
リオウ「なかったな」
秀麗「……煮炊きの煙?……!」
燕青「姫さん?」
秀麗「燕青、ちょっとした考えが浮かんだわ。聞いてくれる?」
燕青「ああ」
秀麗「香鈴は、ただ助けられるのを待っているような子じゃないわ。香鈴を助けるんじゃなくて、むしろ……」



煙は確かに、香鈴が煮炊きをしている時の煙だった。
料理をしながら、あたりの様子を注意深く伺う香鈴。



燕青「よぉし、夜が更けたら決行だ」
秀麗「シュウラン」
シュウラン「大丈夫」
その時、リオウは気配を感じて立ち上がる。
リオウ「!……何か、来る!」
燕青も干將を手に進み出る。
だがそこに現れたのは。
燕青「!」
秀麗「え? なんで……龍蓮?」
龍蓮は馬から下り、よろよろしながら足を踏み出す。
秀麗は思わず駆け寄り。
秀麗「ちょっと、どうしたの? すごい普通の格好」
龍蓮は秀麗にもたれかかる。
秀麗「龍蓮」
龍蓮「影月は…」
秀麗「邪仙教につかまったわ。でも明日迎えに行くのよ」
龍蓮「私は、影月を…」
秀麗「え」
龍蓮「影月を……」



捕まっている影月の中で、声が。
陽月「出せ……俺を呼べ……最後の最後まで、こんな風に死んでいくのか? 呼べ! 呼べば何もかもぶっちぎってやれる! この世で俺を呼べるのは、お前だけなんだ!」
影月「ありがとう。でもだめだよ。君は呼べない。約束しただろ?」
陽月「!」
影月「この命のかけらを使い切ったら、この体は約束どおり君にあげるから」

(回想)
華眞「君と影月が、命をくれたんだね…ありがとう、陽月」

陽月『助けなければ良かった』

華眞「いつか、私と影月がいなくなっても、君のことを思っているよ。この世が終わるその時まで、私も影月も、君の事を愛しているから」

陽月『出会わなければ、よかった…』

華眞「陽月、私の大切な、もう一人の子供…あの日、君たちを拾って、本当によかった」

陽月『なかったことにできるなら…』
(回想終わり)

陽月『その微笑みも、全てを失う日も、知ることなどなかったのに』



野営の焚き火の前で、暖を取っている龍蓮。
葉医師は相変わらず酒を飲んでいる。
天幕の中で。
シュウラン「ね、秀麗お姉ちゃん、私の名前、教えて」
秀麗「名前?」
シュウラン「そ、漢字のやつ」
秀麗「いいわよ。シュウラン、お母さん、あなたの名前何て言ってた?」
シュウラン「うんとね、赤くて、伝説の鳥なんだって」
秀麗「赤くて伝説の鳥…もしかして、こうかしら」
秀麗は漢字でシュウランの字を書く→朱鸞
シュウラン「これが私だけの名前なんだ」
秀麗「すごい名前よ。お母さん、きっとすごく考えてつけてくれたのね」
シュウラン「うん」
秀麗「リオウ君は? どんな漢字って言ってた?」
リオウ「…瑠璃の桜」
秀麗「随分はっきり知ってるのね。特に瑠璃なんて」
秀麗はリオウの漢字も書いてみる→璃桜(毎度おなじみ)
秀麗「こうかしら」
シュウラン「リオウは自分の漢字、知ってるよね。ありがとうだって、教えてくれたもんね」
リオウ「俺の名前じゃないけどな…」
秀麗「え?」
シュウラン「ね、香鈴さんって、どんな人?」
秀麗「そうねぇ、頭がよくて度胸があって」
シュウラン「秀麗お姉ちゃんみたいな人だね」
秀麗「…シュウラン」
そこへ。
燕青「シュウラン、そろそろ行くぞ」
頷くシュウラン。

燕青はシュウランと共に、暗闇の中を出かけていった。
それを見送りながら。

秀麗『香鈴はただ助けられるのを待っているような子じゃないわ。香鈴を助けるんじゃなくて、むしろ、私たちが香鈴に助けてもらうのよ』



見張りが見守る中、香鈴は料理を仕上げていた。
香鈴「はい、あとはお塩で終わりですわ」
見張り「へえ、やっぱり女だな。お陰でこのところ、うまい飯が食えてよかったぜ」
見張り「たく、上の奴らはどっかからまともな飯調達してんのに、俺たち下っ端には、自分で飯作れって言うんだぜ? たく、やってらんねーよな」
見張り「ああ」
見張り「おい、今日一日はこれで持つだろう」
香鈴「…はい、ありがとうございます」

香鈴『ここに見張りは二人…』

(回想)
香鈴は、こう言われて殴られた。
「お前が女州牧ってやつだな!」

気がついた時に聞こえた会話。
見張り「おい、知ってたかお前」
見張り「? 何だよ。人違い?」
見張り「ああ、本物はまだ、村に来てねーらしい」
見張り「今更帰すわけにはいかねーから、ここに放り込んどくってわけか」

香鈴『私…秀麗様と間違えられたのね。ということは、秀麗様はご無事なんだわ…よかった……これは!』

ふと隣を見ると、苦しんでいる村人たちが。

香鈴『ここは…邪仙教の…』

見張り「ほうら、飯だ」
そう言われて与えられたのは、とても食事とは言えないもの。

香鈴「え?…生の麦に、木の実? これが、食事?」

見張り「まったくよぉ、簡単に村人だまして金を巻き上げられるっていうから来たのによぉ」
見張り「最初はうまーく村人が来て、結構おいしい思いも出来たのによぉ」
見張りも、同じ食事だ。
見張り「今は村人もどっか行っちまって、誰も来ねーし」
見張り「寒いっつーのに毎朝死体捨てるのも面倒だしさー」

香鈴『この人たちは、邪仙教を信じているわけではなく、ただうまい話に乗せられて来ただけみたいね』

突っ立っている香鈴に。
見張り「何だ」
香鈴「あ、いえ、お水は…?」
見張り「そこに水がめがあるだろ」
香鈴「ありがとうございます」
しかし水がめの水は。
香鈴「!……ひどい」

香鈴『こんな食事と水では、ますます病気がひどくなるわ』

香鈴「あの…お話したいことがあるのですが」
見張り「あ? 何だ」
(回想終わり)

というわけで、香鈴は煮炊きの仕事をしているのである。

香鈴『ここにいる人数はそう多くない…おそらく30人くらい…(坑道を見て)あの道はどこへ繋がっているのかしら』

見張り「おい、出来たのか」
香鈴「はい」
鍋を運ぶ香鈴。

見張り「そうそう、最初に「飯を作らせろ」「水は毎日取り替えろ」って言われた時はふざけるなって思ったが、ま、あんなガキじゃ暴れたところですぐひねりつぶせるしな」
香鈴は病人たちに食事を配る。
香鈴「さあ、少しでも召し上がってくださいね」
病人「ワシらは、あいつらにだまされたんじゃ…」
香鈴「必ず助けは参りますわ。ですからきちんと召し上がってください」

香鈴『秀麗様も燕青様も、ここに捕らわれている人たちを見捨てるはずがありませんもの』

香鈴は別の病人のところに行き、こっそりと聞く。
香鈴「今日はこの四差路の先に何があるのか教えてくださいませ」
病人「分かった」

香鈴『それまで、私ができることをしなくては』

横になってもさらに考える香鈴。

香鈴『影月様が捕らわれているのは、きっとあの道の奥…すぐにでも行きたい…でも今動いたら、助けられるものも助けられない…』

その時。

「あの、香鈴さんて人、いますか?」
思わず起き上がる香鈴。見張りは寝ている。
「上だよ、上」
見上げると、小さな女の子がひょっこりと顔を出した。
「秀麗お姉ちゃんからのお話を持ってきました」



影月の中で、陽月が呼ぶ。
陽月「影月……影月!」
影月「だめだよ…出したら君が捕まる…」
陽月「俺を呼べ…俺を呼べ!」

影月『僕は本当に幸せだった…』

影月「危ない、なんかすごーく遺言ぽいことを、つらつら考えてた気がする…」

影月『ここから逃げて、捕まってる村人を助けて、処方して、励まして、堂主様の体を取り戻して、あの男にガツンと物申して、やることいっぱいありすぎるな…』

影月のぼんやりとした視界に、泣いている香鈴が見える。

影月『ああ…香鈴さんの幻が見える…最後に、香鈴さんの笑ってる顔、見たかったな…幻でいいから、笑ってくれないかな…』

(笑ってくれません。大泣きです)

影月『僕って、本当に好きな女の子に、ろくなこと出来ないんだな…』

その影月の頬を、香鈴の手が包んで。
香鈴「こ…こんな…影月様…」
影月「……!! 香鈴さん!?」

感動の再会!……てわけじゃなさそうですが。

浪川さんは、影月と陽月をそのまま一気にアフレコしたんでしょうかね。
だとしたら大変でしたでしょうにねー。さすがプロです。









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