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彩雲国物語 第2シーズン 第十二話 義を見てせざるは勇なきなり

アニメ「彩雲国物語」を文章で見たい!という方のために。
(管理人のツッコミつき)


『』=モノローグ
ナレ:=ナレーション

キャストについては、公式HPを参照のこと

★第12話はいよいよ治療開始!のお話です★






ナレ(邵可):
虎林城に到着した秀麗たち一行は、いよいよ病気の村人たちと対面することとなった。

病人たちが寝かされている部屋に案内される秀麗たちと医師団。
丙太守「こちらです」
病人たちを見て唖然とする一行。
一人の医官は吐き気を催す。
葉医師は一人の患者に近づき、容態を見る。
葉医師「失礼……やはり肝か」
葉医師は指示を出す。
葉医師「湯は! それと濃度の高い酒、茅炎白酒(ちえんはくしゅ)を運ばせたはずだが」
丙太守「隣の部屋に、用意しております。あとお申し付けの通り、清潔な布と服、上等な綿も」
葉医師「よし、体洗って爪切って、二の腕まで酒で洗いこんでから、開始だ」
医官たち「……」
葉医師「そこに突っ立ったままのでくの坊どもは邪魔だからたたき出せ。何しにきやがった!」
医官たちは慌てて葉医師を追いかける。
燕青「ここは葉先生に任せときゃ大丈夫そうだな」
秀麗「ええ。運び込まれた荷物は?」
丙太守「こちらです」
丙太守に案内されながら。
燕青「部屋をもっと暖めたほうがいいな。薪は足りてるかな」
秀麗「足りないものは早めに補充をお願いしておいたほうがいいわ」
燕青「ああ」
柴凛は丙太守に。
柴凛「丙太守、ちょっと頼みがあるんだが」

いよいよ治療が始まる。
葉医師「いいか、手を洗った後、絶対に顔や頭に触んなよ。器具は湯にぶちこんで全部煮沸だ」
医官たち「はい」
医師「葉老師、鍼師の準備が出来ました。近隣の町から集まった鍼師たちが、向こうに待機しております」
葉医師「よし、早速始めるから手前のにーちゃんから運んでくれ。文に書いてあった通りの場所に打たせるんだ」
医師「はい」

患者が運ばれてくる。
葉医師「鍼は効いてるようだな。ちゃんと最低限の意識は残ってる。深く眠っちまうと呼吸が格段に減って、人体の機能も著しく低下しちまうからな。覚えとけ、これが鍼麻酔ってんだ。引導にも打ってあるな。誰だって、いくら夢うつつの半覚醒状態だろうが、自分の腹が切られるのは怖えーもんだ。引導にきっちり打っておけば、精神を安定させて、恐怖心を取り除いてやれる。縫合のおばちゃんたちの用意はいいか」
医官「はい、隣の部屋に待機してもらってます」
葉医師「明かりが揺れないように気をつけろ」
医官「は、はい」
葉医師「準備は整ったな」
葉医師は患者に話しかける。
葉医師「よく今まで頑張ったな。えらかったぞ、もう大丈夫だ。次には元気になってるからな」
患者の目から、涙がこぼれる。
葉医師「切開を、開始する」

隣の主婦たちの部屋。
主婦「ほんとにできるのかねぇ。なんだか心配になってきたよ」
主婦「なあに、あれだけ練習したんだ。大丈夫さ」
主婦「どうってことないよ。牛か馬だと思えばいいさ」
と言っていた矢先、いきなり一人の医官が運び出されてくる。

物資の整理も続く。
秀麗「もっとどんどんお湯を沸かして。今に汚れた服や器具がどっさり来ると思うから、すぐ洗って煮沸消毒できるようにね」
いろんな物資を確認する秀麗。
秀麗「絹糸は大丈夫だけど、綿が足りないわね。至急金華に連絡して、すぐ取り寄せるようにしてください」
官吏「は」
入れ替わるように。
燕青「薪が足りないから、城下からかき集めるように丙のおじじに頼んできた」
秀麗「ありがとう」
燕青「どうだ、そっちは」
秀麗「なんとか。あ、そろそろ食事の支度をしないと。手の空いた方、ご飯を炊いて、おにぎりを握ってください」
主婦たち「はい」
秀麗「そうだ、暗くなったら灯りも増やさないと」
燕青「よし、灯りは俺に任せろ」
秀麗「お願い」



一方、柴凛は新しい手術器具を考案中。
柴凛「今のままの小刀では、とても持たないのだよ。何せ数が多い」
官吏「耐性では鋼が一番ですが、問題はより鉄をさびにくく出来る、石との配合」
柴凛「……? 榮山ではくず石とされる銀白色の鉱物…これはまさか…このくず石のかけらをすぐに届けてくれ。頼む」
官吏「は、はあ…お安い御用ですが…」
柴凛「もしかしたら、刀鍛冶にとって最高の鋼が作れるといわれる、幻の黔鉱石(くろむこうせき)…!」



治療は続く。
葉医師「ほうれ、取れた」
(現代ならこのまま病理検査へGO!てやつです。byウッキー)
(↑なんだいきなり)
医官「お連れしました」
主婦たちは一瞬おののく。
葉医師「おうご苦労さん、まずわしがやるから見といてくれ」
縫合の手本を見せる。
主婦「へえ、うまいもんだねえ」
主婦「ほんとに牛か馬と一緒だ」
葉医師「ま、そんなもんじゃな。できるかな?」
主婦「やってみるよ」

さっき倒れた医官は、切開治療が終わって運ばれてきた患者を見送る。
安らかに眠っているように見えた。

葉医師「たいしたもんだ、わしよりずっとうまい」
主婦「あんなんで良かったんですかねぇ」
葉医師「それに比べて…」
医官たちはげっそりしている。
倒れた医官が戻ってみると、葉医師に白衣を投げ渡される。
葉医師「できると思った者だけ、戻ってくればいい。腹かっきっただけで気絶されちゃ、迷惑この上ないからな」
医官「!」
葉医師「時間をやるから、よーく考えろ。次の患者を運んで、同じように麻酔を頼む」
医師「はい」
葉医師「引き続き、わしが切開する」



秀麗たちが物資を運んでいると。
医官「もう無理です、放って置いてください!」
医官「待てったら!」
一人の医官が根を上げていた。
門を出たところで、仲間に引き止められる。
医官「待てよ!」
医官「離してくれ、私には無理だ。もう絶対に無理なんだ」
医官「そりゃ私だって、何度か気が遠くなったけど」
医官「あきらめちゃだめですよ、あんなに練習したじゃないですか」
医官「じゃあ、お前はできるのか?」
医官「!」
医官「人の体を切るなんて、あんなに血が出て……私は、殺してしまうかもしれない。私には出来ない…自信がないんだよ」
そんな医官たちに、声がかけられる。
母親「あの…お医者様はどこに?」
子供を抱えている。
母親「山を越えた村から参りました。お医者様が…病気を治してくれるお医者様がいらっしゃると聞いて」
その子も、あのはやり病にかかっていた。
母親「どうかこの子を…どうか…」
医官が戸惑っていると、その母親の後ろから、続々と人がやって来た。
それぞれ、患者をおぶったり抱えたり、荷台に乗せたりしている。
母親「お願いします! この子が助かるなら、私の命と引き換えにしても、どうか!」
医官は、戸惑いながらも。
医官「…も、もう大丈夫ですよ。私は、医者です」
母親「えっ」

医官『私は医者だ…誰かを助けるために医者になったんだ…』

医官「さ、行きましょう。きっとなんとかしますよ」
母親「あ、ありがとうございます。今まで、誰も、そんなこと…」

医官『逃げたって、誰も救えないんだ…』

様子を見ていた秀麗も、少し安心する。



引き続き、葉医師は切開術を行なっていた。
葉医師「じゃ、おばちゃんたち、縫合」
ふと、あの若い医官たちが自分で患者を運んでくるのに気づく。
医官「薬を頼む!」
医官「こっちもだ、鍼師も頼む!」
やる気になった医官たちが、酒で腕を洗い、器具を揃える。その様子を見て。
葉医師「よし、思い切ってやれ。全部まとめて俺が面倒を見る!」



病人の介抱をしている秀麗たち。
秀麗「葉先生ったら、寝ずに頑張るって言ってるわ。若いお医者さんたちも、負けてられないって」
燕青「けどさ、病人はどんどん新しくやってくるし、まだまだかかりそうだな」
秀麗「ええ、病巣を切り取った人はほとんど快方に向かってるけど、でも、間に合わなかった人もたくさんいるし…」



ナレ:
それから三日三晩、病巣との戦いが続いた。



亡くなった人たちを荼毘にふしている前で、二胡を弾く秀麗。
シュウランとリオウも、そのすぐ側にいる。
秀麗「ごめんなさい…みんな、一睡もせずに頑張ったんだけど、間に合わなかった」
涙がこぼれる。
燕青「力及ばないことだってあるさ。半分以上の人は、無事切開を終えることが出来たんだから」
秀麗「そうね…これも、葉先生たちのお陰ね」
葉医師「これだけは言えるぞ。唯の一つとして、失敗はなかった。あれ以上のことは誰にも出来ん。わしにもな。奇跡と言っていい」
秀麗「ほんとに、これだけの人を救えたことのほうが、奇跡なんですね」
燕青「全くだ。正直、葉先生以外あてにならんと思ってたんだ。はは、謝らんとな」
秀麗「シュウランのお母さんも、まだ危機を脱したわけではないけれど、悪い病気を取り出してくれてありがとうって、何度も泣きながら……手を尽くしてくださって、ありがとうございました、葉先生」
葉医師「まだ礼は早いじゃろ。秀麗嬢ちゃん、夜が明けたら石榮村に行く気じゃな」
秀麗「……はい」
葉医師「よし、小僧たちは置いていくが、わしだけは連れて行け。邪仙教にふらふら入っちまった村人たちがまだ残ってるじゃろ」
秀麗「はい」
燕青「お願いします」



虎林城内。
秀麗「少しでも休んでおいたほうがいいわね。明日はいよいよ乗り込むわけだし」
燕青「邪仙教ねぇ…たぶん、あの教祖とか言う奴は違うと思うぜ。千夜、て…」
秀麗「ええ、そうね……おそらく私をおびき出す為のわな」
燕青「もし、今回の件にほんのちょっとでも朔洵が関わっていたとしたら、今度こそあいつをあの世へぶちこむぜ」



翌朝。出立しようとしている秀麗たちに。
秀麗「まあ、柴凛さんから?」
丙太守「不眠不休で先ほど、やっと完成したらしく、ぜひ葉医師にお渡しして欲しいと。切開の器具のようです」
葉医師「何?」
箱を開いてみると、美しい用具一式が並べられていた。
葉医師「黔鉱石の合金か。熱にもさびにも強い最高の鋼じゃ。よくもこれだけのものを…」
秀麗「それで柴凛さんは」
丙太守「それを私に預けたとたん、安心したのか長いすで、今は夢の中です」
秀麗「そうですか」
葉医師「これさえあれば百人力だ。さあ出発じゃ」
と、そこへ。
シュウラン「秀麗お姉ちゃーん」
シュウランが走ってきた。
秀麗「シュウラン」
シュウラン「石榮村へ行くんでしょ? 私も連れてって」
秀麗「え? だけど」
シュウラン「お母さんなら、今朝早く目を覚ましたの。若い先生がもう大丈夫だって」
秀麗「まあほんと? 良かったわね」
シュウラン「うん、だから連れてって。私の村だもん、絶対役に立つよ。ね」
秀麗「え、でも…危険かもしれないし……あ、リオウ君からもシュウランに」
リオウ「俺も行く」
秀麗「え?」
燕青「ま、いいじゃん。実際力になってくれるかもだよ。俺たちはあの辺の地理に疎いし、子供だけが知ってるってこと、けっこうあるからな」
秀麗「…分かったわ。一緒に行きましょう、シュウラン、リオウ君」
嬉しそうなシュウラン。

見送っている丙太守。
丙太守「後のことは、この老骨にお任せください。どうか、杜州牧と共にご無事でお戻りくださいますように。虎林の民を救いに来てくださったこと、心より御礼申し上げます」



ところ変わって、こちらは琥叙ホ城(茶州の州都です)。
悠舜「石榮村への復興の手配は終わりましたか、静蘭殿」
静蘭「はい、私で最後です」
悠舜「今回は随分と頑張っていただきましたね。お見事でした。秀麗殿が気がかりでしょうがなかったでしょうに」
静蘭「ま、燕青が側にいますから。それに奥様を先陣に残してきたのは、悠舜様も一緒でしょう」
悠舜「ええ、普通は男がおいていくほうなんですけれどね」
苦笑する二人。
悠舜「さ、行ってください。最後の詰めです。秀麗殿と、ついでに燕青をよろしくお願いします」
静蘭「ま、ついでならいいでしょう」
笑いあう二人。



いまだ雪深き石榮村。
相変わらずとっ捕まっている影月クン。
華眞「山の下では病が収束したようだよ。女州牧が王都から治療法を見つけて駆けつけてくれたってさ。良かったね、随分と気にしていたみたいだからね」
影月「その顔で、腐った笑い方しないでください。何度言ったら分かるんです」
華眞「おやおや? もうすぐ消滅するって聞いてたのに、随分しぶといんだねぇ。分かってる? 欲しいのは影月、お前じゃない。早く死んでくれないかな」
影月「…指図されたくないですね。それより、とっととその体から出て行ってください」
華眞「ほんとに、どうしてバレちゃったのかなぁ。ちゃんと本人の屍使ってるし、われながらうまくやれたと思ったんだけどな。残念」

影月『…子供?』

華眞「ま、一番の本命のあの女さえ引っかかればいいんだけどね。千夜って名前使ったのもそのためだけど」
影月「陽月はともかく、どうして秀麗さんまで必要なんですか」

影月『陽月を手に入れたいというのは、何となく分かる。同じような術を使う奴らなわけだから。でも、秀麗さんはなぜ…?』

華眞「さあね。理由なんか教えてもらえる立場じゃないからね。だけど良かったよ。今度こそ女のほうも本物が来るみたいだし」
影月「本物?」
華眞「実はさ、この間馬鹿な信者がはやとちりして、全然違う娘を引っ掛けてきたんだよ。石榮村でうろうろしてたって。だけど外の世界っていいね。びっくりしたよ。僕の一族って、男は一人を除いて冷遇されてるから」

影月『一族…?』

華眞「男って子供産めないだろ。だから役立たずってなわけ。代々の当主はほとんど女だし」

影月『女の当主…術を使う……! 縹家の!』

華眞「ほんと、お母様ってものすごく怖くってさ。ずっとこっちの世界にいたいけど、無理だろうな。死んでも逃げられないもんね」
影月の頭をつかみ。
華眞「逃げようなんて考えないで欲しいな。でないと僕がお母様に」
短剣をかざす。
華眞「ねえ、分かってる?」



こちらは貴陽の仙洞宮。
じっと誰かを待っている劉輝。
手にしている莫邪が、震えている。
ふわり、と空気が揺れ、劉輝は振り返る。

劉輝『待ち人…来たれり…』

劉輝「あけましておめでとう、縹家の御当主殿。当代国主、紫劉輝。お初にお目にかかる」
縹璃桜は、柔らかな笑みを見せた。

ところで、このあたりの秀麗の衣装はなかなかいいですね。









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