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彩雲国物語 第2シーズン 第十話 待ち人きたる

アニメ「彩雲国物語」を文章で見たい!という方のために。
(管理人のツッコミつき)


『』=モノローグ
ナレ:=ナレーション

キャストについては、公式HPを参照のこと

★第10話は秀麗がいよいよ虎林郡へ向かうお話です★






ナレ(邵可):
紅秀麗が茶州に出立する前日のことだった。

宮城の一角(推定)。
楸瑛「静蘭珍しいね。君が私を呼び出すなんて。逢引のお誘いかな」
静蘭「まさか。これを」
そう言って、干將を差し出す。
楸瑛「! 干將」


ナレ:
名剣干將。王が持つ莫邪と、同じ石から作られた双子剣である。
かつて、劉輝が静蘭に授けた宝剣であった。


静蘭「茶州にいる燕青に渡していただけますか」
楸瑛「燕青殿に?」
静蘭「はい」
楸瑛「なるほど。君にここまで思われるとは、彼も幸せな男だね」
静蘭「思ってなどいません。ただ……」
楸瑛「?」
静蘭「いえ、渡していただければ分かります」
受け取る楸瑛。
楸瑛「分かった。確かに預かる。必ず燕青殿に渡すよ」
静蘭「どうせあの男のことですから、げっとか言ってぞんざいに扱うでしょうが」
楸瑛「…だろうね。干將も秀麗殿も、必ず無事に送り届けるよ」
静蘭「お願いします」


ナレ:
干將は藍楸瑛によって、無事浪燕青の手に渡った。


崔里関塞。
楸瑛は燕青にそれを手渡す。
燕青「げっ、これあいつが王様に貰った剣じゃん」
楸瑛「はい。干將です」
燕青「なに考えてんだあいつ? 俺剣は駄目なんだ。あいつも知ってるはずなんだけどな」
といいつつ、くるくると回す。
それを見て、楸瑛は思わず噴き出した。


ナレ:
そして、燕青と再会した秀麗は、重大な決意を打ち明けようとしている。


天幕の一つの中で。
秀麗「お願い燕青。私の首が必要になった時は……遠慮なくやってちょうだい」
燕青「!」

(タイトル)

燕青「あの病って、姫さんが生まれる前からずーっとあって、姫さんが死んでも一人も治らないって知ってるよな」
秀麗「ええ」
燕青「それじゃ、邪仙教の思う壺だろ。姫さんがこの病の原因だなんてでたらめぬかしてる連中の」
秀麗「もし、私のせいで混乱が起きて、治療が遅れたらなんにもならない。何よりも治療を優先しなくちゃ」
燕青「そりゃあ…」
秀麗「ぎりぎりまで説明も説得もする。それでも、病の原因は絶対に私だって、聞く耳を持ってくれないかも。紅秀麗っていう鎮静剤以外効かない時が来るかもしれない」
秀麗は、干將に視線を投げた。

秀麗『静蘭には無理でも…燕青なら…』

秀麗「燕青の一番の仕事は、私を守ることじゃないでしょう? 茶州の州尹だもの」
燕青「俺に姫さん殺せって言うのか」
秀麗「!」
燕青「邵可さんとか静蘭とか、姫さんのこと好きな奴らの憎しみ全部背負って、姫さん殺して、俺にこれからの人生生きろって?」
秀麗「お願い。今のところ燕青しか頼める人がいないの」
燕青「静蘭には無理だから俺にその役をやれって?」
燕青はじっと秀麗を見つめ。
燕青「姫さんにとって、今回の最善の策って何」
秀麗「最善の策…?」
燕青「ああ」

秀麗『信じて、待ってくれている人たちがいるのに、簡単に命は差し出せない』

秀麗「守れるものは、全部守る、よ。もちろん私自身も。そのために全力を尽くす。生きて帰るわよ」
燕青「分かった。最初から死ぬことを考えてる上司なんて信用できない。いつ無責任に死に逃げるか分かんねーからな。それでも、その時が来ちまったら、もうそれしか残ってねーってことだよな」
頷く秀麗。
燕青「もしそん時が来たら、誰にも邪魔はさせねぇ。姫さんの人生、俺が丸ごと引き受けてやる」
秀麗「燕青…」
燕青「静蘭に一生憎まれて追っかけられることになっても、姫さんの首、ちゃんと俺が王様と邵可さんに届けてやるから」
秀麗「ええっ、今、何かすごいこと言わなかった?」
燕青「姫さんが先に言ったんじゃん。もしもの時は最後よろしく、あなたにしか頼めないのって」
秀麗「そうだけど」
燕青「おっ、考えてみりゃすごいぞ。俺もしかして、静蘭より愛されてる?」
秀麗「だってねー、静蘭だと私の身代わり用意してまで遁走しそうなんだもの」
燕青「あっははは! やるやる。絶対やるって。けど」
燕青は立てかけておいた干將を手にして。
燕青「こいつを俺に託したってことは、あいつも段々分かってきたってことだよな」
秀麗「え?」
燕青「いや……で、姫さん。影月のことは聞いてるな」
頷く秀麗。

秀麗『まず病に打つべき手を打ってから……』

秀麗「影月君を迎えにいきましょう、燕青」
燕青「ああ」



で、こちらはとっ捕まった影月。

影月『陽月…邪仙教が欲しかったのは、陽月、君だったんだね』

縛られた腕から血が滴り、激痛に身をよじる影月。

影月『陽月…君のために…何より僕自身のために…僕はまだ、死ねない。
香鈴さん…悲しい思いばかりさせてしまって…どうか幸せに…』

と、そこへ華眞(とりあえず華眞と表記)が現れる。
華眞「相変わらず怖い顔で迎えてくれるね、影月」
(声は遊佐氏のまんまです)
華眞「私の可愛い子供…」



石榮村に向かおうと、馬を駆っていた丙太守。
こちら向かってくる人影に気づき、馬を止める。
丙太守「あれか」
兵「はっ」

シュウランはこちらに向かってくる丙太守に気づく。
シュウラン「リオウ、あれ」
リオウもそれに気づく。
シュウラン「早く!」

丙太守は馬を止め、シュウランは一礼する。
シュウラン「病気を治しに、私たちの村に来てくれるっていうお医者さんたち、今どの辺りにいるか知ってますか?」
丙太守は少年少女の後から、群衆がやってくるのに気づいた。
馬を下り、シュウランに聞く。
丙太守「まさか、石榮村からここまで」
シュウラン「はい、皆で助かろうと思って来ました」
リオウ「意外と皆、しぶとく生き残ってるんだよな」
兵(朱温)「ま、まさか、あの村の病人を引き連れてきたのか」
シュウラン「はい」
朱温「ばっ、ふざけるな! ここまで病が広がったらどうする!」
丙太守「朱温! 人から人には伝染しないと、繰り返し言ってあるだろう!」
朱温「はあ、いえ、しかし、万一…」
丙太守は鋭い視線だけで朱温を黙らせる。
しばらく考えていたが。
丙太守「分かった。一人残らず、虎林城に迎え入れる!」
朱温「た、太守! こんな病人を町へ入れるなどとんでもありません! 城下の民が承知するわけないでしょう!」
兵「黙れ!」
朱温「俺の郷里じゃ、妙な病持ちはさっさと村から追い出してましたよ! こんな病人ども村ごと焼き討ちすりゃそれが一番…」
丙太守は剣を抜こうとするが、それよりも前に、兵が剣(鞘を払っていない剣ね)で朱温を殴り倒す。
兵「除名し、虎林軍から追放しておきます。丙太守がお手を汚す価値はございません」
丙太守「ん」
兵「太守、そのお志はご立派ですが、紅州牧の一件で、ただでさえ城下の民は気を張っております。この上、病の者を受け入れては一触即発になる可能性があります。多くの民はいくら説明しても、朱温と同じように聞く耳を持ちません」
丙太守「私と君の仕事は、職務はなんだったね? 何を守るのが仕事だ?」
兵「……」
丙太守「もう一度命じる。彼らを受け入れる。全員だ!」
丙太守はシュウランとリオウに向き直り。
丙太守「彼らは同じ、この虎林軍の民だ」
嬉しそうなシュウラン。
兵「私の母は、病のせいで山に置き去りにされ、子供だった私が助けに行った時にはもう……私情ではございますが、ご決断、嬉しく思います。ご下命、謹んで承ります!」
気がつくと、丙太守の服のすそを、シュウランがつかんでいた。



虎林軍へ向かう途中、野宿中の一行。
医官たちが豚くんを相手にまだ練習中。
医官「まさか、こんなことになるとは思ってもみなかったよな」
医官「獣の肉さばいたり野宿したりしてるなんて、お母様が知ったらきっと泣いちゃうだろうな」
医官「でも、俺たちの手で病に苦しんでいる人を助けてあげられるんだ。頑張ろう!」
そこへ。
葉医師「まだまだ練習が必要じゃなぁ」
医官「あ、葉先生」
秀麗「それでも、皆さんかなり上達してると思いますけど」
薪を持った秀麗も登場(隣には同じく燕青♪)。
秀麗「どれもきれいに切り分けられて、料理するのもかなり楽になりましたし」
葉医師「そおか?」
秀麗「むしろ、切開のあとの縫合の練習が必要だと思いますよ。縫い目ガタガタで全然見られたもんじゃないですから」
苦笑している医官たち。
葉医師「んーしかし縫うより切るほうがやっぱはるかに大事じゃからなぁ。多少縫い目が変でも、中身がはみ出なけりゃいいわい」
燕青「ええっ、そうなの?」
葉医師「そうそう、あとで宴会芸で笑い取れたら儲けもんじゃし~イヒヒ」
くねくねと体を動かす葉医師。思わず薪を落とす秀麗。
燕青はこそっと秀麗に。
燕青「な、姫さん、このじーさんすげー医者なんだよな。パチモンじゃねーよな」
秀麗「は、はは……」
葉医師「こらー! パチモンとはなんじゃー! 縫うほうはちょっくら考えがある。一番の問題は大方が嬢ちゃんよりはるかに分かってないっちゅーこってな。体力重視して若いの選んだからのぉ。しかも大概箱入りボン。理屈と現実は全然違う。腹据えて立ち向かわねーと、邪魔になるどころか心が壊れる。ま、見込みがありそうなのを見繕ってきたつもりじゃけどな」
と、そこへ。
柴凛「紅州牧、浪州尹。今いくつかの新しい情報が届いたのだけどね」
秀麗「凛さん」

柴凛「まず、春姫殿から。香鈴殿が影月殿を追って一人石榮村に行ってしまったらしい」
秀麗・燕青「一人で!?」
柴凛「春姫殿が彼女のために、精鋭武官の護衛の願いに州府に出向いている間に、荷物をまとめて一人で飛び出したらしい」
燕青「なんでそこまで急いだんだ。影月だって別に死にに行ったわけじゃねんだから、護衛待つくらいはできたはずだろ」
その言葉に。

秀麗『死にに行く…そう遠くないうちに、杜影月がこの世から消えてしまう』

黒州州牧、櫂瑜がそう言っていた。

秀麗『影月君…』

柴凛「ただ、調べたところ、香鈴殿は石榮村に向かう荷馬車の中に賄い係として入っていてね」
秀麗「え?」
燕青「前に姫さんが使った手じゃん。姫さんの真似したんだろうな」
柴凛「冷静だよ香鈴殿は。だから彼女の身の安全は心配しなくていい」
秀麗「でも」
柴凛「それにもしかしたら、香鈴殿とは虎林城で会えるかもしれないよ」
秀麗「どういうことですか」
柴凛「石榮村には、もう誰もいない」
秀麗「ええっ」
柴凛「病人も含め、村人全員が虎林城にすでに来ている…少しでも早く治療を受けられるようにと、下山に踏み切ったらしい。全商連の荷馬車も虎林城に進路変更するから、香鈴殿ともじき会えるだろう」



と、かっこいい柴凛さんは予想していたのですが。
香鈴は石榮村に行く分かれ道のところで、荷馬車を飛び降りる。
それに気づいて、御者は慌てて馬車を止めた。
御者「おい、どうしたんだ」
香鈴「どうぞ、私に構わず先に行ってください」
御者「なに?」
香鈴「お世話になりました」
走りだす香鈴。
御者「おい、石榮村にはもう誰もいないんだぞ!」
香鈴「いいえ!」

香鈴『ここへ来る途中で聞いた噂…お医者さんたちに混じって働いた、13、4歳の少年が石榮村で失踪したと…』

躓いて転んでしまう香鈴。でも立ち上がり。
香鈴「探しに行かなくては…あの方を!」



柴凛「丙太守は城下の猛反対を押し切って、全員城郭内に収容。私たちの到着を待っているとの連絡だ」
秀麗「燕青、虎林城まであとどれくらい?」
燕青「強行軍で駆ければ、朝日が昇るころ」
秀麗はさばかれた豚くんの山を前に。
秀麗「食べられる部位、速攻で詰め込んで持ってくわよ。体力勝負なんだから、お肉を置いていくわけにはいかない」
燕青「やったぁ! ちょっと元気出た。じゃ俺は出立の準備にかかる。四半時で出るぞ!」
そして準備に散っていく。

それを見ていた医官たちは。
医官「明日の朝…」
医官「嘘…」
葉医師「なんじゃい! 揃いも揃って魂すっぽぬけたような顔しおって! ほれ、とっとと動かんか! やるこたぁ分かってるな!」
医官「あのぉ、葉先生…」
葉医師「でぇーいうるさーい! ぐだぐだ言うな! 時間ないっつっとるじゃろ! 考えるより動けぃ!」
医官「はいっ」

葉医師『病人を前にしてどうするか…覚悟を決めるか否かはお前たち次第だ』

てきぱきと指示を出しながら。

秀麗『早く、一刻も早く、私たちの助けを待っている人たちがいる!』



虎林郡。とあるくらーいお部屋。
兵「女州牧を殺す?」
朱温「そうだ」
兵「丁重に迎え入れろと太守のご命令だ」
兵「大体お前は、虎林郡を追放になった身だろ」
兵「太守への意趣返しのつもりか?」
朱温「そんな小さな話じゃない」
兵「なに」
朱温「病がはやったのは女州牧のせいだ。虎林にも病をばら撒くつもりだ」
兵「病は女州牧のせいではないと、太守はおっしゃったではないか」
朱温「じゃ何のせいだって言うんだ! 病がはやりだしたのは、あの州牧が就任したすぐあとだったじゃないか」
兵「しかし、太守のご命令に背くことなどできん」
兵「ああ」
朱温「病をはやらせられるような女だぞ。そんな力を持ってるなら、太守を操るなんてわけもないことだ」
兵「妖術か何か、使ってるって言うのか」
朱温「そう考えれば、合点がいくだろう」
槍を取り。
朱温「女州牧は殺すしかない! それが太守を、そしてこの虎林郡を守ることになるんだ! そうだろ!」
兵「分かった、到着の旗が合図だ。一斉に攻撃する!」
兵「おう!」



石榮村に到着した香鈴。
一軒の家から出てきて周りを見回すが。
香鈴「本当に誰もいませんのね…」
悪いことばかりを考えそうになるが。
香鈴「もう、私待ちませんわ。何一つあんな方に、期待なんかしませんわ」

(回想)
影月「あなたが…好きです。だから僕のことは忘れて、幸せになってください」

香鈴『いつだって勝手なことばっかり言って…一緒に来てくれとも言ってくれなかった…望みのものは自分でつかむのですわ…私から探しに行きます』

と、決意を新たにした香鈴に。
「お前が女州牧ってやつだな!」
振り向く香鈴。
殴られて、捕らえられてしまう。



朝、虎林城へ到着した一行。城門が見える。
秀麗「やっと着いたわね」
燕青「ああ、夜通し駆けてきたけど、大丈夫か? 姫さん」
秀麗「うん」
ふと、燕青が先に何かを見つける。
秀麗「どうしたの、燕青」
燕青「こいつはちとやっかいだぞ」



太守室にいた丙太守の元に。
兵「丙太守! 大変です」
丙太守「どうした」
外を見てみる丙太守。
丙太守「馬を引け! 馬をー!」
兵「はいっ」



城門で、赤い旗が振られる。
戸がゆっくりと閉められていく。
秀麗「門が…!」
燕青「凛、葉のじっちゃん、そこで待ってろ!」
門では、矢を構える兵たち。
燕青「姫さん、しっかりつかまっとけよ!」
いきなり、一本の矢が威嚇で放たれる。
燕青「このまま引き返せってわけだな。さもないと今度は本気で狙いますよってことか」
秀麗「冗談じゃないわよ。引き返すなんて出来ないわ!」
燕青「さすが姫さん、いい度胸してる!」
燕青は馬の腹を蹴り、全速力で走り出す。
燕青「ぅわっちゃー、こりゃかなりぎりぎりかも」
門が閉まる!
秀麗「燕青、間に合わなかったらご飯抜きよ!」
燕青「頑張りますっ!……おっ、急に速度が落ちた……!」

兵「構えー!」
矢を構える兵士たち。

その時、燕青も秀麗も、内側から誰かが馬に乗ってやってくるのに気づいた。
秀麗「!」
燕青「! 丙のおじじ!」
丙太守は一直線に駆け抜けてくる。
燕青「おい待て! 嘘だろ!?」

兵「放てっ……! 太守!」
矢が、太守めがけて一斉に放たれる!
兵「待て、待て待て!」
だがもう間に合わない。

燕青は手綱を片手に棍を構える!
燕青「はあーーー!」

三人とも、危機一髪だぞぉ!









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