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彩雲国物語 第2シーズン 第三十三話 月日変われば気も変わる

アニメ「彩雲国物語」を文章で見たい!という方のために。
(管理人のツッコミつき)


『』=モノローグ
ナレ:=ナレーション

キャストについては、公式HPを参照のこと

★第33話は劉輝が藍州へ出かける直前のお話です★





◆◆◆

ナレ(邵可):
藍楸瑛は、貴陽の城門を突破すべく、鞭を振るっていた。
城門には、孟兵部侍郎殺しの犯人と藍家の関係について楸瑛を拘束し、問いただそうとする御史台の手が回っている可能性があった。

馬を走らせている楸瑛。必死。

楸瑛『間に合うか…?』

楸瑛「!」
城門の人影に気づく楸瑛。手を振っているのは。
楸瑛「秀麗殿」

馬を下りる楸瑛。
秀麗「良かった、間に合いましたね。城門兵たちは酔いつぶしておきました」
その言葉通り、酔いつぶれて眠っている兵たち。
(原作では秀麗もかなり飲んでいるのですが)
秀麗「早く行ってください。清雅が来ないうちに」
楸瑛は秀麗を抱きしめて。
楸瑛「ありがとう、秀麗殿」
ひらりと馬に乗って。
楸瑛「さよなら」
去っていく楸瑛。見送っている秀麗。
ふと、別の馬の音に気づく秀麗。城内から来たのは。

(タイトル)

清雅「藍楸瑛を逃がしたな。例の兇手と藍家との関連について、じっくり話を聞こうと思っていたんだがな」
秀麗「ふふん、何のこと? 私が来た時にはもう誰もいなかったわよ」
酔いつぶれている兵たちを見て。
清雅「…まあ、藍州までの全関塞にとっくに伝令は飛ばしているから、構わないが」
秀麗「!」
それでも。

清雅『そんなものに捕まる藍楸瑛ではないか…
俺を出し抜き、藍楸瑛を逃がしたか…
この女の決断力、行動力、先読み…
なるほど、皇毅様が認めるだけのことはある』

秀麗「何ニヤニヤ笑ってんのよ清雅」
鼻で笑う清雅。
秀麗「なに? 何か文句があるなら言ってみなさいよ」

清雅『面白い奴だ』

清雅は秀麗の顎を取る。清雅をにらみつける秀麗。
清雅「その顔が一番俺好みだな。せいぜい必死に食いついて来いよ。いいか、俺以外の奴に泣かされるな。楽しみが減るからな」
清雅の手を払う秀麗。
秀麗「うぬぼれてんじゃないわよ。私はあんたを追っかけてるわけじゃないのよ」
馬鹿にしたように笑い、馬に乗って去って行く清雅。



劉輝の執務室。重鎮を目の前に並べて。
(劉輝の隣に悠舜、向かいに宋太傅、霄大師、リオウ、羽羽、旺季)
劉輝「余は藍州へ行く。全権は鄭悠舜に託す」
リオウ「何しに? あんた王なんだぜ。戦でもないのにチョロチョロするなよ」
劉輝「大事な用件だ」
リオウ「それはあんた個人にとってか?それとも王としてか。行くならはっきりさせてけよ」
劉輝に視線を投げる悠舜。

劉輝『個人としてか…王としてか…』

劉輝「…余は」
リオウ「迷ってるなら、答えないほうがマシだ」
劉輝「…」
リオウ「王が迷うと、臣下も迷う」
リオウは言葉を継いだ。
リオウ「分かった。行って来いよ。あんたは少し、藍州で頭冷やして考える時間が必要かもな」
少しほっとする劉輝に。
羽羽「しゅじょー! 十三姫のことはいかがされますのじゃ! 良縁かと存じますぞ。十三姫ならば妃となっても仙洞省は認めまする」
リオウ「そうだな。藍州に行く前に立場を決めて行けよ」
劉輝「いやその、しばらく待ってくれ」
リオウ「しばらくってなんだ!」
劉輝「その…つまり…」
必死に考えている劉輝。
劉輝「そうだ! 余は十三姫を藍州に連れて行くからだ。道案内も必要だし。旅をして互いをよく知ろうと思う。帰ったらどうするか決める」

リオウ・霄大師『…逃げたな』

えへ、えへへとごまかしている劉輝に、羽羽はひっしと抱きつき。
羽羽「へーかー! 私は嬉しゅうございまする! ついに、ついにこの日がー!」
劉輝「ちょっと待て! 余は別に結婚するとはひと言も」
羽羽「確かに藍州は絶景の地! 婚前旅行には絶好でござりまする。頑張ってきなされ~!」
劉輝「(やぶへびだった)」←モノローグ
羽羽「あ、陛下、よもやとは存じますが、藍州の九彩江に行かれるご予定などありませぬよな?」
リオウ・旺季「!」
劉輝「九彩江?」

劉輝『何か聞き覚えがあるような気もするが…』

劉輝「うん、多分行かないと思う」
羽羽「よろしゅうございました。ただいまあの辺りは良くない卦が出ておりますゆえ、お近づきになりませぬよう」
劉輝「うん」
旺季「主上、護衛はどうなさるのか」
劉輝「護衛?」
旺季「さしたる目的もない藍州行きに、ぞろぞろ武官を引き連れて行くわけには参りますまい。そもそも玉座を空けること自体内密にすべきです。そうすると、護衛も少数精鋭に」
霄大師「それはわしが何とかしよう。せっかくの婚前旅行に武官など無粋なだけじゃ。陛下は十三姫と、あとお好きな者を選んで連れて行きなされ」
旺季「何とかしようと言っても、誰を…」
霄大師はにやりと笑い。
霄大師「…黒狼じゃよ」
全員「黒狼?」
霄大師「さよう、主上他数人なら十分黒狼一人で守ってくれましょうぞ」
旺季「…伝説の黒狼…よろしいでしょう、ほかならぬ霄大師のお言葉なら」
なぜか嬉しそうに笑う霄大師。



こちらは兵部。尚書室の入り口で。
文官「孫兵部尚書はお留守です。黒大将軍」
将軍は扉を開けようとするが。
黒「鍵がかかっている」
文官「お留守ですから」
ところが、将軍はその扉を壊して無理やり開けてしまう。
黒「左羽林軍大将軍、黒燿世入ります」
つかつかと部屋に入る黒大将軍。
黒「孫尚書」
孫「孫尚書は居留守だよ。いや違った、お留守だよ」
長いすに寝そべって本を読んでいたのは、まさに孫尚書。
孫「お前の用件は藍楸瑛か? 後任は誰にするかな。希望はあるか」
黒「お任せします。自分ごときが口を挟む問題ではありませぬゆえ」
孫「そうか。じゃ俺に都合のいい人物を見繕って据えとこう」
黒「………」
孫「…ガンつけないでくれるか?」
黒「心と心で会話しようと試みているだけです」
孫「できるわけあるかアホタレ。口で言え口で。メンチ切っているようにしか見えんわ」
黒「…何を考えておいでです、孫尚書」
孫「別にたいしたことは考えてないさ。貴公に言うことでもない」

その時、窓の外から物音が。
秀麗「タンタン、もっと静かに上れないの?」
蘇芳「木登りなんて、やったことねーもん」
秀麗「別に不法侵入するって訳じゃないのよ。兵部侍郎が暗殺されて、兵部尚書が留守なんて、あからさまにおかしいから。居留守かどうか確かめるだけだから」
その秀麗に。
孫「孫尚書は留守だよ、お嬢さん」
秀麗「うわぁぁぁ!」
蘇芳「あちゃ~」
蘇芳はするすると木を降り、秀麗は兵部尚書室に引きずり込まれた。
秀麗「いた! 孫尚書ですね!?」
孫「違いまーす」
秀麗「でも!」
続きを言いかけた秀麗の口に、放り込まれたのは。
孫「飴をあげるから帰りたまえお嬢さん。ん?」
黒大将軍にも飴を放り投げる。大将軍も飴を口に入れた。
孫「黒大将軍、彼女を送ってやれ」
秀麗「飴なんかでごまかされませんよ、孫尚書」
孫「ごまかされてくれ。君の死に場所は、ここじゃないはずだ」
秀麗「…え?」
その鋭い視線に、固まる秀麗。そのまま黒大将軍に担ぎ上げられる。
秀麗「ちょっ、ちょっと待っ……ああー!」

兵部の入り口で、黒大将軍は秀麗を下ろした。
黒「今日ここへ来たことは忘れなさい。彼に会ったことも」
立ち去る将軍に。
秀麗「黒大将軍、孫尚書はどんな方ですか」
黒「素晴らしい方だ。心から尊敬申し上げている」
秀麗「…」



皇毅の部屋。
皇毅「孫尚書の部屋に忍び込もうとした輩がいるらしいが、心当たりはないか」
秀麗「うっ…も、もちろん、私じゃありません」
皇毅「そうか、では孫尚書は居留守だったなどと言うはずがないな」
秀麗「うっ…」
皇毅「言えば私の命令を無視したお前がクビだ。兵部侍郎の一件はかたが着いたと言ったはずだ。クビか、見ない振りをするか、どっちを取る」
秀麗「葵長官、めちゃめちゃ分かりやすい居留守ですよ。御史台の追及をかわそうっていう意志がバレバレです。なめられてます。いいんですかそれでも」
皇毅「別に構わんな。どこぞの小娘のように面子にこだわって仕事をしているわけではないんでな」
秀麗「…こ、こだわりましょうよ面子。面子にこだわっている葵長官はとっても素敵だと思います。多分」
皇毅「多分とはなんだ。生意気言うな」
秀麗「…じゃあ、すっぱり兵部尚書の件は諦めました。かわりに藍州へ行かせてください」
皇毅「またその話か」
秀麗「何度でもお願いします」
皇毅「藍州の前の州牧は現兵部尚書、孫陵王殿が務めていたな。目当てはそれだろう。全然話が変わっていないではないか。ついでに塩、人事、例の兇手に関しても調べてきたいといったところか」
秀麗「お願いします! 調べさせてください!」
皇毅「下手に出たか」
秀麗「後は上手に出るしか」
皇毅「馬鹿も休み休み言え」
がっくりと肩を落として部屋を出ようとする秀麗。
皇毅はしばらく黙っていたが、おもむろに。
皇毅「いいだろう、だが出立は私がいいと言うまで待て」
秀麗「え」
皇毅「聞き返したら、この件はなしだ」
秀麗は嬉しそうに。
秀麗「ありがとうございます! あ、そうだ」
秀麗はごそごそと書簡を取り出し。
秀麗「それじゃついでにこれに署名捺印くださいっ」
まったく…と、筆を取る皇毅。嬉しそうな秀麗。



本を読んでいた蘇芳は。
蘇芳「え? 藍州に行くの? あんなに毎日毎日たたき出されてたのに?」
秀麗「うん、長官の許可が下りたの」
蘇芳「へぇぇ」

蘇芳『許可っつーか、根負けしたんじゃねーの?』

秀麗「えーと、それでね、タンタン」
蘇芳「別にいいぜ? 一緒に藍州へ行っても」
秀麗「本当!? ありがとうタンタン。でもお父さん独りぼっちにして大丈夫?」
蘇芳「平気だろ。お袋が帰ってきたからな」
秀麗「え? お母さん?」
蘇芳「よく帰ってこれたよなぁ。それで喜んでる親父も馬鹿だけど。ま、俺がいなくても二人で何とかなるだろ」
秀麗「そう」
蘇芳「でもさぁ、護衛はどうすんの? やっぱり、タケノコ家人に頼むわけ?」
秀麗「静蘭は、貴陽にいたほうがいいと思うの」

秀麗『藍将軍もいなくなったし、劉輝の側にいてあげたほうが…』

秀麗「でも、ちゃんと考えてあるから」
蘇芳「?」
そういって、さっき長官に署名捺印を貰った書簡を手にする。



こちらは紅邵可邸。
寝転がって本を読んでいる燕青の手から取り上げたのは。
燕青「…勉強の邪魔しないでくれる?」
静蘭「お嬢様が藍州に行くことになった」
燕青「へぇ、許可が下りたのか」
静蘭「お前も行け」
燕青「あ…俺は国試が」
静蘭「護衛だ。無駄飯食ってないで少しは役に立て!」
燕青「…お前が姫さんについていけばいいじゃんか」
静蘭「私には仕事がある。悠舜殿の護衛もしなければならん」
燕青「……」
静蘭「とにかくお嬢様についていけ」
燕青「国試が…」
静蘭「知ったことか」
燕青の上に本を落としていく静蘭。
(こんなシーン、原作にはなかったはずだ!!)



府庫。
夕暮れの空を窓越しに見上げながら、考えている邵可。

邵可『藍州へ行くのは久しぶりだな。しかし、黒狼として主上の護衛…しばらく家を空けること、秀麗と静蘭に何て言おう…』

そこに現れたのは。
邵可「おや主上」
劉輝「邵可」
邵可「はい?」
劉輝「突然で悪いのだが、余と一緒に、藍州へ行ってくれ」
邵可「…は?」
思わず焦る邵可(こんな邵可サマも珍しい)。

邵可『まさか…黒狼とバレてるわけはないだろうけど』

劉輝は必死だ。
劉輝「その、うまく言えないのだが、どうしても今回は邵可についてきて欲しいのだ。長旅だし、危険と思うだろうが、大丈夫! とっておきの護衛もつく!」

邵可『それが私ですっ』

劉輝「もしもの時は、余も体を張って邵可を守る!」
邵可「…」
劉輝「た、頼む…」
邵可「分かりました。お供しましょう。これでも、主上が思っているよりお役に立てると思いますよ」
劉輝「そ、そうか」

邵可『こっそりついて行くのが、堂々とついて行くことになったか』



御史台。遅くまで本を読んでいる秀麗の元に。
晏樹「貴族録なんてどうするのかな、お姫様」
秀麗「…お暇なんですか、晏樹様」
晏樹「藍州に行くんだってね」
秀麗「耳ざといですね。はい、仕事で」
晏樹「で、貴族録なんてどうするの?」
秀麗「藍州に行く前に、貴族の勉強をしておこうかと…晏樹様は、門下省の次官、つまり貴族の専門家ですよね。一つ、健気で困っている女の子を助けてみませんか? お題は笑顔でどうですか?」
晏樹「とっても可愛いけど、だめ」
秀麗「…(あはは)」
晏樹「まあでも、貴族つながりで一つだけ、君の上司皇毅についてなら、教えてあげてもいいかな」
秀麗「葵、長官…ですか?」
晏樹「彼の素性、何か知ってるかい?」
秀麗「いえ、何も」
晏樹「名門葵家の、たった一人の生き残りさ」
秀麗「生き残り!?」
晏樹「歴史も長くて伝統ある名門だったけど、先王陛下に一族滅ぼされちゃってね。生き残ったのは皇毅だけ」
秀麗「滅ぼされたって、理由は?」
晏樹「理由なんてどうでもいいことだよ。大事なのはねお姫様、先王陛下がそう決めて実行したって事だけ。そんなことが簡単に出来るのが王であり彩七家。そんな風に潰された貴族は山ほどいる。その切り捨てられた貴族をせっせと拾ってきたのが、私の上司旺季様でね」
秀麗「どんな方なんですか?」
晏樹「旺季様? そうだね、最後の貴族って感じかな。あれほど貴族らしい貴族はもう現れないんじゃないかと思うよ」
秀麗「貴族らしい…」
晏樹「そう。あの人なら無一文になっても貴族だろね。それ以外の言葉は見つからないな」
秀麗「貴族らしい貴族…」



門下省。旺季の執務室。本を読んでいる旺季。月のきれいな晩。
孫「旺季、邪魔するぞ」
旺季「陵王、ふらふら出歩くな。お前は今貴陽にいないことになっているんだぞ」
孫「だーれかさんのご指示通りにね。俺はここから見る月が好きでねぇ。春は桜、夏は蛍、秋のもみじに、冬の雪、と…人生には花に美酒にいい女。それで十分だ」
旺季「お前は昔からそうだな」
孫「そうさ、だから兵部尚書なんて地位もいらんよ。お前の好きに使え」
旺季「…?」
孫「気づけば互いにもう五十過ぎとは、月日がたつのは早いねぇ」
旺季「何だ、十代のころが懐かしいのか?」
孫「まさか。いつだって今が人生最高、それが俺の信条なのに、何を懐かしむ」
旺季「…」
孫「お前の望みは? 旺季」
旺季「…」
孫「先に俺の望みを言おうか。お前が王になってくれたら、俺としては嬉しいね」
旺季「お前はまだ私を昔のままだと思っているのか。どれくらい時がたったと思っている」
旺季は立ち上がり。
旺季「私の望みを言おう、陵王……玉座だ」
孫「…お前の好きなようにすればいい。どこまでも付き合おう、友よ」
旺季「後悔するなよ、陵王」
孫は旺季に飴玉を放り投げた。



まだ秀麗のところにいる晏樹。
晏樹「きれいな月だね。すっかり長居してしまった。じゃあ私はこれで」
晏樹は秀麗の頬に手を添えて。
晏樹「気をつけて藍州に行っておいで。二度とつまらない男に引っかからないようにね」
秀麗「!!」
部屋を出て行く晏樹。秀麗の脳裏に浮かぶ、茶朔洵。
(第1シリーズ後編を参照)
蘇芳「つまんねぇ男に引っかかったの?」
秀麗「…はい」

蘇芳『案外、あのタケノコも頼りになんねぇなぁ』

秀麗「あのねタンタン、引っかかったって言っても」
蘇芳「いや、いーんじゃん。むしろほっとした」
秀麗「え」
蘇芳「あんたはさ、一人でつっぱって生きるより、誰かと生きるほうがずっと似合ってると思うぜ。別に結婚とか抜きで、誰かを好きになることくらい、許してもいいんじゃない?」
秀麗はしばらく黙っていたが。
秀麗「例の兇手について、十三姫に話を聞いてくるわ」



桃仙宮。
刺繍をしている劉輝のところにやってきたのは十三姫。
十三姫「ちょっと王様! 私を連れて藍州まで新婚旅行に行くって本当!?」
劉輝「新婚旅行!? 誰がそんなことを」
十三姫「霄大師」
劉輝「あのくそじじい! くそじじいくそじじい! あいつぅぅ!」
劉輝は刺繍を放り投げじたばたと暴れた。
劉輝「藍州に行くのは本当だ」
十三姫「私を連れて?」
劉輝「道案内が必要で…新婚旅行というわけでは」
十三姫「あはは……逃げたわね」
劉輝「(ぐさっ)」
十三姫「王様自ら追ってきてくれるなんて、楸瑛兄様も幸せ者だわね。策はあるんでしょうね」
劉輝「うむ! 余の愛だ」
十三姫「………迎えに行っても帰ってくるとは限らないけど、やってみるだけやってみれば? でも、引く時はちゃんと引きなさいよね」
劉輝「え」
十三姫「愛しても愛されないことなんて当たり前にあるし、相手のことちゃんと考えないと」
十三姫は劉輝がしていた刺繍を拾って。
十三姫「愛し合ってても、一緒にいて不幸になるくらいなら、どんなに辛くても離れたほうがいいこともあるわ。そういう巡りあわせって、多分あるのよ……ねえ王様」

その部屋の外に、秀麗がいた。
秀麗「…劉輝、いるの?」

十三姫「それが…相手を思いやるって事じゃないかしら。世界で一番、大事なことじゃないかしら」
劉輝「…うん」
我に帰る十三姫。

十三姫『私ったら何言ってんのよ! バカバカ!』

十三姫「じゃあまたね、王様」
劉輝は部屋を去ろうとする十三姫に、思わず声をかける。
劉輝「…あ」
十三姫「なに?」
劉輝「いや、なんでもない」
十三姫「楸瑛兄様もいなくて、珠翠さんも行方不明で、秀麗ちゃんもいなくて、寂しいんでしょ」
劉輝「…うん…」

秀麗「!!」

十三姫「そうね…寂しいわよね…ま、もう少しくらいなら、いてもいいわよ」
そう言って、劉輝の後ろに座る十三姫。
(しかし、ちょっと変わったアングルの画です)



紅邵可邸。
劉輝から贈られた桜の木を見上げて、座り込んでいる秀麗。

秀麗「よかった…
劉輝は、十三姫にああやって、本音が吐けるんだ…
私がなくても、夜を一人で過ごさなくてすむ…
寂しい気持ちにならなくてすむんだ…
本当に、良かった…」



次回予告:
そっか…劉輝はもう、私がなくても寂しくないんだ。よかった。
でも何だろう、この胸のもやもやは。
清雅でもぶっ飛ばせばすっきりするのかしらね。
清雅はどこ?
(ひどいよ秀麗…)

次回第34話は「藍より青し」です。

燕青の膝の間でひな鳥になっている秀麗は、次回なのか!?
それともカットされてしまうのか!?
なんだか原作を大幅にはしょっているような気がしてならないお話でした。










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