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彩雲国物語 第1シーズン 第三十八話 今日の後に今日なし

アニメ「彩雲国物語」を文章で見たい!という方のために。


『』=モノローグ
ナレ:=ナレーション

地上波再放送(金曜深夜)にあわせてレビューしています
キャストについては、公式HPを参照のこと

★第38話は秀麗が朝賀に出席するお話です★




◆◆◆

ナレ(邵可):
木々の梢から葉が舞い散り、凍えるような風が頬を打つようになった頃、秀麗たちは朝賀に向けて、貴陽へと出立することになった。



琥璉城の門で見送りに来た燕青、影月、柴彰、香鈴。
秀麗「じゃあ、行って来ます」
燕青「しっかし、新婚旅行が仕事で貴陽行きってのがらしくて笑えるよなぁ」
咳払いをする悠舜。隣にいるのは柴凛。
柴凛「私はかまいませんよ、旦那様」
秀麗「この度は、ご結婚おめでとうございます。お二人がご婚約されていたなんてちっとも知らなくて」
燕青「ようやくくっついてくれて、こっちも一安心だ」
柴彰「この姉を嫁に取るなど、悠舜殿が茶州で一番すごい男なのかもしれませんね」
悠舜は慌てて。
悠舜「で、では、そろそろ行きましょうか」
秀麗「あ、はい」
影月「皆さん、お気をつけて」
燕青「留守は俺たちが守るからな」
秀麗「お願いしますね」
馬車に乗り込む秀麗。

香鈴「悠舜様と柴凛さんて、10年越しの愛を実らせたそうですね。素敵ですね」
影月「ええ」
馬車を見送りながら。
影月「あの案件は、実るでしょうか…」



貴陽、宮城。府庫で片づけをしている邵可。
そこに現れたのは。
邵可「おや主上、今日は少しお早いお越しですね」
劉輝「…うん」
元気なく頷いて、奥へと進む。
邵可はお茶を入れて。
邵可「藍将軍と絳攸殿は新年を迎える準備で忙しそうで、なかなかここへもいらっしゃらないのですよ」
劉輝「……邵可」
邵可「はい?」
劉輝「…秀麗が、帰ってくるのだ」
邵可「………」
父茶をきれいに飲み干して。
劉輝「元気になった。仕事に戻る」
府庫を出て行く劉輝に。
邵可「たったお茶一杯分の休息しか、ご用意して差し上げられませんね」
劉輝「邵可」
邵可「はい」
劉輝「心配するな。余は大丈夫だから」



貴陽へと向かっている一行。
悠舜「さて、例の案件を朝廷に認めてもらえるか…紅州牧、全てはあなたの肩にかかっています」
頷く秀麗。
悠舜「朝廷の官吏を説得できなければ、茶州には帰れぬとお思い下さい」
秀麗「分かりました」
そんな秀麗を心配そうに見ている静蘭。すると隣で。
克洵「ああ…貴陽が…貴陽が近づいてくる…」
柴凛「近づくために馬車を走らせてるんですよ克洵さん」
克洵「僕に凛さんのような男気があったら…燕青さんがおっしゃってました。茶州で一番男らしくてかっこいいのは誰かと年頃の娘に聞けば、ダントツで柴凛さんが一番だろうって」
柴凛は小さく笑って、窓の外を見ながら。
柴凛「さて、じきに貴陽に入りますよ」



貴陽の街を見下ろす場所で。
静蘭「戻ってきましたね。彩八仙に守護されし夢のまほろば」
秀麗「でも、私の夢は今茶州にあるわ」



貴陽の街はお正月で大賑わい。
紅邵可邸では、邵可が台所でなにやら大騒動。
邵可「あち! えーと、まずお茶を入れてやって、えーっと、それからお腹も空いているだろうし」
その時、馬のいななきが聞こえてくる。
邵可は玄関へおもむき…
邵可「し、秀麗! あ、おかえ……」
言いかけた言葉を飲み込み、邵可は久しぶりに見る娘に。
邵可「行ってきなさい」
秀麗「え?」
邵可「官吏の顔をしているよ。やることがあるんだろ?」
秀麗「うん。頑張ってくるね。ただいまはその後ね」
邵可は静蘭に。
邵可「お帰り静蘭。よく帰ってきたね」

秀麗は馬車に戻り。
秀麗「お待たせしました」
柴凛「もうよろしいのですか? お久しぶりにお父上にお目にかかったのでしょう?」
秀麗「ええ、でも父は、行って来なさいって…私は今、官吏の顔をしてるって」
柴凛「良いお父上ですね」
秀麗「これから柴凛さんは?」
柴凛「直ちに紅本家へ伺い、七彩夜光塗料の交渉に入ります」
秀麗「よろしくお願いします。例の案件を成立させるための資金」
悠舜「茶州でこの塗料を作ることが出来れば、かなりの利益を得ることが出来ます」
柴凛「おそらく問題なく交渉は進むと思います。茶州の全商連が、塗料の製造法及びその派生権利を獲得する事は、紅家の確約をもらっています」
秀麗「あとは…朝賀ですね」
対照的に克洵は。
克洵「あああ~とうとう着いてしまった…どうしよう…」
秀麗「もう、覚悟を決めてください」



王宮に着いた一行。
心細そうな克洵に。
秀麗「じゃあ克洵さん、いってらっしゃい」
克洵「えええ?」
秀麗「正式な朝賀は、彩七家の代表と、朝廷の高官たちのみだから、私たちはその後で主上に挨拶するの」
克洵「じゃあ、ぼ、僕一人で…?」
秀麗「ええ」
悠舜「茶家の当主として、しっかりご挨拶なさってください」
腰が抜けてしまう克洵。



宣政殿。
大勢の高官たちが勢ぞろいしている。

克洵『なんだか、立派そうな方々ばかり…もう帰りたいな…』

そんな克洵を呼び止めた声。
「克洵!」
克洵は振り向くと、これまたとんでもなく派手な格好をした龍蓮が。
(映像で確認してくれ!)
克洵「龍蓮さん!」
その言葉にざわめく周囲。
「龍蓮だと?」「あの藍家の天才?」「あそこだ」「本当だ」「藍龍蓮だ」
克洵「良かった、龍蓮さんがいてくれて」
龍蓮に歩み寄った克洵のことも。
「あれは誰だ」「あの藍龍蓮が話しかけたぞ」
その時、またもや別の声が。
「茶克洵殿」
現れたのは、紅家当主の紅黎深。
黎深「こちらへ」
克洵「は、はい」
歩み寄ってきた克洵に。
黎深「紅家当主、紅黎深です」
黎深は頭を下げて。
黎深「このたびは、茶家当主ご就任、お祝い申し上げる」
さらに周囲が騒然となる。
「あれが茶家の新しい当主か」「紅黎深が着任の祝いを述べたぞ」



控えの間にいた悠舜と秀麗の元に報告が入る。
「失礼します。茶克洵殿は、紅家当主と藍龍蓮殿に付き添われ、無事朝賀を終えました。前当主、茶鴛洵をも超える若き辣腕当主誕生かと、朝廷は大騒ぎになっております」
秀麗「え?」
悠舜は小さく笑って。
悠舜「どうやら克洵殿は、紅藍両家の大物を釣り上げたようですね」
秀麗「はぁ…」

秀麗『紅家の大物って、玖琅叔父様?』
(違うのよしゅーれー!)



紅家本邸。
柴凛「朝賀が終わるまで待たせていただく所存でしたが…」
玖琅「私も、まさかここまで来て暇が出来るとは思わなかった…」
思わず頭を抱える玖琅。

玖琅『まあ当主は兄上なわけだが…遠目からでも秀麗を見たいとの一念で朝賀に出席するとは』

柴凛「それで、七彩夜光塗料の件ですが」
玖琅「秀麗…いや、紅州牧から詳細は聞いている」
柴凛「官吏として、使える札はためらいなく切る。お見事ですね」
玖琅「姪として私に甘えてくることなく、あくまで茶州の州牧として依頼してくるとは…」

玖琅『あのとぼけた兄のもとで、よくぞのあのような出来た娘が育ったものだ』



宮殿では。
悠舜「正式な朝賀は終わったようですし、次は私たちの番ですね。朝廷の官吏たちに参列の義務はありませんが、我々がご挨拶する時は、野次馬が多いかもしれません」
秀麗「え?」
悠舜「各自気になる官吏の謁見時には、顔を出したりするのです」
秀麗「私たち、もしかして注目の的なんですか?」
悠舜はお茶を入れながら。
悠舜「それはもう。混乱の茶州を収めたのですから」
秀麗「………」
悠舜「主上にお目にかかるのは即位以来ですが、さてどれほどお変わりになられたのやら」
(劉輝と悠舜の会話は、第2シーズン第4話でも確認できます)
秀麗「もしかして悠舜さん、あまり主上に良い感情をお持ちでないとか」
悠舜「そうですね。即位式の時の主上は、私の見た限り、やる気も意欲も皆無でしたので」
秀麗「でも今は」
悠舜「分かっております。燕青からもいろいろと聞いてはおりますが、最終的には、自分の目で確かめませんとね」
秀麗「…厳しいですね」
悠舜「どんな理由があれ、玉座に座ることを選んだからには、それに付随する義務と責任を負わなければなりません。それがたとえ、永遠なる孤独の道であったとしても」

秀麗『永遠なる孤独の道…』

それが、劉輝が歩まなければならない道。



大賑わいの宣政殿。
劉輝の両隣に控えるのは、楸瑛と絳攸。
楸瑛「いよいよですね、主上」
絳攸「ちゃんとここまでこられるかな、秀麗」
楸瑛「君のように道に迷ったりはしないと思うよ」
絳攸「そうだな。迷ったかもしれないが、秀麗はここまでたどり着いた」

景侍郎「やっと茶州代表の挨拶ですね」
黄奇人「ああ」
景侍郎「それにしても野次馬が多いですね」
黄奇人「私もお前も野次馬だろうが」
魯尚書「これはこれは。皆さんおそろいですな」
景侍郎「ええ、そういう魯尚書も」
魯尚書「私の楽しみの一つは、かつての教え子の凱旋を、この目で見ることなのです」



その頃、必死で走っていたのは。

珀明『帰って来ただと?』

宣政殿の入り口はすでに人でぎっしり。なんとかそこを通り抜けて、宣政殿に入る珀明。
魯尚書の姿を見つけて。
珀明「魯尚書」
魯尚書「おお、茶州の混乱を収めた同期の晴れ姿を見に来たのかね?」
珀明「確かに、新州牧たちが茶家の当主交代と一斉検挙を同時に行なったという知らせは、朝廷に衝撃を与えました。でも…」
魯尚書「?」
珀明「僕は…僕だけは驚きませんでした。あいつらならそれくらいやってのけて当然です」

扇の下でにやりと微笑む紅黎深。
黄奇人「気味の悪い」
黎深「黙れ、お前に私のこの気持ちが分かってたまるか! ようやく、ようやくかわいい姪に再会できるんだぞ」
黄奇人「一方的に見るだけだろ? 私は後でねぎらいの言葉をかけるとする」
黎深「また抜け駆けか!」
その時。

「茶州州牧紅秀麗様、及び州尹鄭悠舜様、ご入殿でございます」

静まり返った宣政殿内。扉が開いて、秀麗と悠舜が姿を見せる。
ゆっくりと王座に向かって歩いているのを見て。

珀明『きれいに…なった』

二人は王座の劉輝の前に並び。
秀麗「茶州州牧、紅秀麗、および州尹鄭悠舜、ただいままかりこしました」
劉輝「…双方、面を、あげよ」

劉輝の手が、一瞬動く。

秀麗は正式な礼を取り。
秀麗「茶州を代表いたしまして、謹んで、新年のお慶びを述べさせていただきます」

劉輝は立ち上がり、一礼する。
どよめきが広がる宣政殿内。

劉輝「鄭悠舜、10年、よく茶州を支えてくれた。遅くなって、すまなかった」
両脇に控える楸瑛と絳攸も、頭を垂れる。
劉輝「紅州牧もご苦労だった」
秀麗「…主上」
秀麗は悠舜と顔を見合わせた後。
秀麗「新年の祝いの席ではありますが、ぜひとも申し述べたいことがございます」
劉輝「なんだ」
秀麗「茶州のこれからに関する、重要な案件です」

珀明『あいつ、何を』

絳攸「紅州牧、ここは朝賀の席であるぞ」
秀麗は劉輝の言葉を待つ。その時。
霄太師「良いではないか、聞かせてもらおう。茶州のこれからということは、明るい話であろう。正月のめでたい席に似つかわしいではないか。どうですかの、主上」
劉輝は玉座について、しばし沈黙していたが。
劉輝「相分かった。面を上げ、申し述べてみよ」
劉輝は頷き、秀麗を促す。
秀麗「ありがとうございます。では……茶州には今まで、州の財源となる産業がありませんでした。それが、長い混乱を招いた一因でもあります。今茶州は、新しい時代を迎えましたが、この先更なる発展と繁栄を目指していかなければ、人々の生活は豊かになりません」
劉輝「それで…?」
秀麗「茶州に、州立の研究機関を設立したいと思います。医学、薬学、工学、芸術…各部門の研究者を茶州に集めます。そして茶州を、いえ、茶州のみならず、この彩雲国の未来を開く、あらゆる研究開発を行なって行きたいのです」
劉輝「茶州を学究の都にすると…?」
秀麗「はい」
劉輝「これはそなた個人の意見か、それとも、茶州府の提案か?」
秀麗「茶州府のです」
悠舜は懐から書簡を取り出し。
悠舜「恐れながら、ここに具体的に計画の内容を記した書類も用意してまいりました」
楸瑛「混乱から立ち直るだけで精一杯だったろうに…そんな案件をつめていたのか」
秀麗「もちろん、茶州単独でこの計画はなしえません」
劉輝「莫大な資金もかかると予想される」
秀麗「資金については、全商連の全面的な協力を得られる手はずを整えています」
絳攸「しかし全商連といえども、どこからそんな資金を」
秀麗「紅家より、七彩夜光塗料の権利譲渡をしていただきます」
絳攸「…なるほど」
秀麗「この計画、一度お目通しいただき、朝議にかけていただけますでしょうか」
秀麗は悠舜から書類を受け取って。
秀麗「よろしくお願いいたします」

劉輝「…この彩雲国の、未来を開く計画」
秀麗「はい。学ぶ事は未来を開き、未来を築くと確信しています。私事ですが、自分自身もそうやってここまで来ました。このままでは、茶州の未来はありません。なにとぞご検討くださるよう、重ねてお願い申し上げます」

真っ直ぐな視線を向ける彼女は、紅秀麗。
茶州州牧の、紅秀麗。

その時。
珀明「その案、私も、詳細を拝聴しとうございます」
秀麗「珀明君」
魯尚書「私もです」
景侍郎「私も」
黄奇人「私も」
頷く宋太傅。
霄太師「おい、わしもじゃ」

今目の前にいるのは、紫劉輝。
この彩雲国の王の、紫劉輝。

劉輝「大変興味深く、かつ面白い提案だと思う。目を通し検討することを、約束しよう」

拍手で包まれる、宣政殿。



宣政殿を出た二人。
悠舜「見事でした、紅州牧」
だが、秀麗はいきなりしゃがみこんでしまう。
悠舜「あ、大丈夫ですか?」
秀麗「…良かった…無事、案件が受理されて」
そこへ。
珀明「よぉ! よく帰ってきたな」
差し出された珀明の手を借りて立ち上がる秀麗。
秀麗「ありがとう」
そこへ。
景侍郎「お帰り、秀くん」
秀麗「みなさん」
魯尚書「まだまだではあるが、なかなかの官吏ぶりだったな」
絳攸「だが、これからが大変だぞ」
秀麗「はい」



それを遠くから見ているのは。
黄奇人「あんな少女が一国の未来を開く計画を思い描いているとは……しかし、早急すぎはしないか?」
黎深「今日の後に、今日なし」
黄奇人「?」
黎深「あの子は知っているのだ。来ない明日があるかもしれないということを」

秀麗『まだまだ道は遠いけれど、茶州を立て直すための一歩は踏み出した。この計画を実現するために、まだまだ頑張らなきゃ』

(次回は第1シーズン最終回です)









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