スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。






彩雲国物語 小説、アニメ、ドラマCD、応募者特典情報サイトトップ >彩雲国物語(アニメ) 第1シーズン >>彩雲国物語 第1シーズン 第三十四話 毒をもって毒を制す

彩雲国物語 第1シーズン 第三十四話 毒をもって毒を制す

アニメ「彩雲国物語」を文章で見たい!という方のために。
(管理人のツッコミつき)


『』=モノローグ
ナレ:=ナレーション

地上波再放送(金曜深夜)にあわせてレビューしています
キャストについては、公式HPを参照のこと

★第34話は当主が決まり、静蘭が朔洵に勝負を挑むまでの話です★





◆◆◆

ナレ:(邵可)
運命の日がやってきた。
新月の夜、闇の夜、今宵、茶家新当主選定式が行なわれる。
秀麗と春姫は茶家を巡る騒動の全てに決着をつけるために、庭の社に足を踏み入れた。



秀麗と春姫が地下の廊下を歩いていると、奥から克洵の叫び声が。
春姫「克洵様!」

(タイトル)

朔洵の部屋。
自室で、秀麗が弾いていた二胡を手に取り。
朔洵「…楽しかった…だけど、そろそろ終わりだ…」



選定式会場。燕青と影月が到着した。
女中「茶州州牧、杜影月殿、州尹、浪燕青殿がお見えになりました」
茶家の人たちの面倒くさそうな視線が二人に突き刺さる。
影月「うわぁ…」
不敵な笑みの燕青。



地下牢にたどり着いた春姫。
春姫「克洵さ…!」
秀麗もたどり着く。
秀麗「!」
しゃがみこんでいる克洵の前には、血まみれの短剣と、血まみれで倒れている男。
春姫「克洵様!」

秀麗『私のすべきことは、州牧としてすべてを見届け、裁くこと』

秀麗の手には、州牧の印。
春姫はぼーっとしている克洵に呼びかける。
春姫「克洵様! 克洵様! 克洵様! しっかりなさって!」
頬を張り飛ばされ、気がつく克洵。
春姫「克洵様」
克洵「春、姫…」
涙が溢れる。
克洵「僕、は…父を殺した…仲障おじいさまを、刺した…もう、もう僕には何も残っていない。たった一つ持っていた心も」
そんな克洵の頬を包んで。
春姫「ありえません、そんなことは。あなたにそんなことができるはずがありません。あなたは、花さえ手折るのがかわいそうだったからとおっしゃって、根から引き抜いて持ってくるような方でした。あの後二人でお庭の隅に、花を植えなおしましたね。そのあなたに、誰かを殺めることなど出来ません」
首を振る克洵。
克洵「僕はおかしくなってしまったんだ。殺すことばかり考えていた。全てを壊して、やりなおすしかないと…」
春姫「いえ、春姫は克洵様を信じます。私は信じます! あなたは誰も殺していない。やり直す方法はまだ残っています。やり直したいとお思いなら、茶家の当主におなりなさい」
克洵「そんなバカなこと…」
春姫「何がバカです! あなたはいつだって茶家のために駆けずり回っていたではありませんか」
克洵「結局何も出来なかった…僕は取り返しのつかないことを」
春姫「いい加減になさいませ!
あなたにとっては、誰が殺したのかが問題ではない。
こうなった前に助けられなかったことこそ、悔いているのでしょう?
真実がどこにあろうと、あなたは一生そうして自分を責め続ける…何も出来なかったと。
罪と後悔を背負っても、生きている限りなせることはあります。
やり直すことも出来ます。違いますか?
けれど、あまりにも重過ぎて、一歩も動けないとおっしゃるなら仕方ありません。
あなたはここにいらしてください。春姫は行きます。
私が茶家当主となり、罪を償うために茶一族としてのお役目を果たしましょう」
克洵「……」
秀麗「……」
春姫は握り締めていたものを見せて。
春姫「それがこの指輪を見付けた時、私が決めたことです」
克洵「茶家当主の指輪…なくなったはずじゃ…」
春姫「鴛洵おじいさまの指にはまっていたものに、間違いありません」
春姫は秀麗を振り返り。
春姫「この指輪は、ただいまこれより、茶春姫が受け継ぎます」
指輪をはめようとしたその時、それを克洵が遮った。
克洵「待って!」
克洵は立ち上がり。
克洵「僕の罪と後悔の償いを、君に負わせるわけにはいかないよ」
克洵は春姫の指から指輪をとり、自分の指にはめる。
克洵「鴛洵大叔父さまはいつもここにはめていたね。
君の言うとおり、僕は今日の事を一生後悔し続けるだろう。
僕の、今日の日まで歩んできた道が、ここに繋がってしまったのなら、真実がどうでも、やっぱり僕が殺したんだ。
もっと早く別の道を行ってれば、こんな結末にはならなかったかもしれない。
何度も、何度も、繰り返し思い返すよ。きっと死ぬまで夢に見る。
忘れるわけにはいかない。
でもそれだけでは何の役にも立たないと、君は言うんだね」
頷く春姫。
春姫「かつて、鴛洵お祖父様が歩んだのと同じ道を」
その時、指輪から白い霧のようなものが出て、人型を映し出した。

秀麗『あの人、どこかで…』

克洵「鴛洵…大叔父さま…」
(ちなみに若い時の鴛洵です)

秀麗『茶太保!』

鴛洵「やはり、お前が来たか、克洵。
若く優しいお前には辛い決断だったな。
茶家当主に立つならば、これからも辛い思いを味わうだろう。
優しければ優しいほど、泣くことになろう。
だが、それでいい。優しさだけは決して手放すな。
何も動じない男になどなるな。
心がえぐられるたびに泣いて、そしてまた先を見て歩き出せ。
真に守るべきものを見誤るな。
自分がどんなに血にまみれても、守るべきものが傷つくことのないように。
優しく、強い男になれ。
私に英姫がいたように、お前には春姫がいる」

人型は、音もなく消える。
春姫「おじいさま…」
克洵は涙を拭い。
克洵「僕はとりえもないし、何一つうまくできたためしがない。でも、ゆっくりでも歩き続けて、鴛洵大叔父様を追いかけることなら、努力することなら出来る」
春姫は頷く。
克洵「長い、長い道になるね、春姫。永遠にも近いほど」
春姫「はい」
克洵「僕はとても弱いから、きっと一人では押しつぶされてしまう。だから…」
春姫は克洵の手を取り。
春姫「いついつまでも、春姫は克洵様のお側にて、お支えいたします」
克洵「…ありがとう」

秀麗は進み出て。
秀麗「茶克洵殿、ご覚悟はおありですか? 今この時、ご決断なさるその意味を、分かっていますか?」
克洵「はい」
秀麗「茶克洵殿の茶家当主ご就任をここに認め、茶州州牧紅秀麗、心よりお祝い申し上げます。今回の一件に関しては、すべてをつまびらかにし、改めた後、ご当主としての責を問いましょう。追って沙汰をいたします」
克洵「すべて仰せのままに従います」

克洵はすでに息のない父親に。
克洵「父上、僕は茶家の当主になります。一生かけて償います。さあ、行きましょう。お日様の元で、ゆっくりと眠りましょう」
克洵は父親を抱いて、春姫と共に牢を出た。



英姫の部屋。
気配を感じて立ち上がると、部屋に入ってきたのは克洵。
(演出上、若き日の鴛洵とダブって見えるようになっています)
その手には当主の指輪。
英姫は克洵に羽扇をびしっとつきつけ。
克洵「英姫大叔母さま?」
英姫「その指輪、我が夫が歩んできた道を継ぐ覚悟がありや、なしや!」
克洵「あります! いえ、覚悟は出来ました。だからどうか、僕の行く道の助けとなってください」
英姫はしばらく克洵を見ていたが。
英姫「…よう言うた。そなたは平凡な男じゃ」
克洵「はい」
英姫「じゃが、弱さを知っているから強くなれる。何も持っていないから、本当に大切なものを捨てずに済む。足りないものなど何もない」
克洵「……」
英姫「さて、何をしておる! とっとと支度をせい!」
克洵「支度?」
英姫「このとんまめ!(羽扇で克洵を一発!)今日は茶家当主選定式ぞ! はよう着替えて来ぃや!」
克洵「は、はい」
慌てて出て行く克洵を見送って。
英姫「はぁ…頼りないのぉ」
入れ替わりに。
春姫「おばあさま」
春姫と秀麗が部屋に入ってくる。

秀麗『この方が、茶太保の奥様の縹英姫様』

頭を下げる秀麗に、英姫は礼をとり。
英姫「この度は茶家がご迷惑をお掛けし、心よりお詫び申し上げる。迷惑ついでにもう少しばかりつきおうていただいてよろしいか?」
秀麗「はい、もちろん、そのつもりです」
英姫「感謝いたす。それにしても春姫、お前あの男で本当に後悔しないかえ?」
春姫「おばあさまと同じくらいには幸せになれると思っております」
英姫「ふん、私ほどじゃと? ほほほほほ! まあ無駄だと思うが、努力くらいはしてみやれ」
春姫「はい」
笑みを交わす春姫と秀麗。



一方、朔洵は自室で二胡を弾いていた。
その音色のほうへ向かっている静蘭。



茶家当主選定式の会場では。
「あんな小僧が茶州の州牧とは、何の役にもたたなそうだな」
「かえって役に立つというものよ。我らが茶家の意のままになりそうではないか」
しゅんとしている影月に。
燕青「気にすんなよ」
影月「やっぱり、朔洵さんと克洵さんがいませんね」
燕青「だな」

その時、女中たちが料理を持って入ってきた。
人々の前に料理が置かれる。
ふと、燕青は女中たちの足音に気がつく。
おもむろに壁を拳で軽く叩いてみると。

「そういえば鴛洵は、確かこうして本家の嫡子を全員殺したのだったな」
「王の信頼を受けたと思って血迷いおって」
「しかし仲障め、すっかり当主気取りで我らを呼びつけるとは、何たる傲慢さよ」
(緑川氏!)
「仲障など待つ必要もない。我らだけで、祝杯を挙げようではないか」
「そうじゃ」「それがいい」

茶家の人間たちは勝手に盛り上がっているが。
燕青「妙な造りだな。壁は薄くて柱も少ない」
影月「!」
影月は酒を床にたらしてみる。

その時、柴彰が飛び込んできた。
柴彰「浪州尹!」
燕青「止まれ! 彰!」
部屋が静まり返る。

燕青「絶対そこから上がって来んなよ」
影月がたらした酒は、筋をつけて流れている。
影月「傾いてる」
燕青「まさか、仲障じいちゃん…」
燕青は女中たちを振り返った。
燕青「きれいな女の子にこんなこと言いたかねえが、そこから順に出てくれ。じゃないとこの建物、ぺしゃんこにつぶれて一緒に死んじまうからな」
どよめく室内。
燕青「だって屋根傾いてんの。ここ、そもそも柱の数が超少ねーの、分かる? しかも床も薄いし、重心も偏ってて、どこもかしこもわざと壊れやすい造りにしてんだよ」
「仲障めが!」
「我らを一度に亡き者にしようと!」
「姿を見せろ!」
燕青「彰、仲障にちゃんと話つけてきたか?」
柴彰「ええ」
燕青「じいちゃんはどうした」
柴彰「…今頃、お亡くなりになってると思いますよ」
その言葉に再びざわめく。
「なんだと!」「どういうことだ!」
その時、庭のほうから大勢の声が。
燕青「おう、ぴったりじゃん。さすが悠舜」
茶家本邸内に、兵がなだれ込んできた。

影月の声が響く。
影月「この度、茶家が今までなしてきたもろもろの不正の証拠が、茶州各郡太守により提出されました。出揃ったものを検討した結果、十分に捕縛に値するものと、裁可がくだりました。今日これより、茶家の全面改めに入ります」
「何だと小僧が偉そうに!」
「場と身分をわきまえろ! 下郎が!」
「栄えある彩七家を侮辱するか!」
影月「僕はこの茶州の州牧です。茶州の州牧として、正当なる裁きは行ないます。それを覆すことはいたしません。茶家の代表となる方のお話は伺いましょう。もちろん、その方には一番重い責任と罪を背負っていただくことになるでしょう。おりよく今日が選定式及び就任式との事。さあ、どうぞ選定に入り、ご当主を決めてください」
とたんに渋い顔になる茶家の人たち。
「その…彩七家の当主を決めるというのは大変なことでございまして…せめて、なあ、明日まで待ってもらえんかのう」
ため息をつく燕青と影月。だがその時。
英姫「何たる往生際の悪いくそじじいどもじゃ! 明日までだと? 待つ必要などないわ!」
その後ろから。
克洵「僕が継ぎます。この正当なる茶家当主の指輪を以って、今日これより茶家当主に、茶克洵、就任いたします」
「やはり縹英姫が持っていたのか!」
「いやまがいものではないのか!」
英姫「黙りゃ! これは本物じゃ! ぐだぐだ申すな! 私はこれより、茶克洵の後見につく。こわっぱで至らぬ点は補ってやるわ。さーじじいどもめ、他に我こそは茶家当主たらんと息巻く骨のあるやつはいやるか!」
誰もいない…

影月と秀麗は克洵の前に進み出て。
影月「茶克洵殿の茶家当主ご就任をここに認め、州牧として、心よりお祝い申し上げます」
克洵「ありがとう」

そこへ、州兵たちが到着する。
燕青「ようやく到着か。捕縛しろ! ただしそおっとな。抵抗するなよ。下手に暴れると、ぺしゃんこになっちまうぞ」

連れ出される茶家の人たち。

秀麗『あの人がいない…』

克洵「しばらくのお別れだ、春姫。僕は捕らえられ、茶家当主として責任を取らねばならない」
春姫「いいえ、傍におります」
克洵「あの、今更だけど…すごく素敵な声だね。聞けて、とても嬉しい」
春姫を抱き寄せる克洵。



血だまりが残る地下牢。
現れたのは、また別のくそじじ…失礼、若き霄大師。
霄大師「鴛洵」
鴛洵の声だけが響く。
鴛洵「終わったぞ、霄。間に合った」
霄大師「こんなことのために、お前を連れてきたわけではなかった。お前の意志を引き継ぐ者を、新しい時代の始まりを見せて、安心して眠らせてやりたかっただけなのに」
(言い訳にしか聞こえんぞくそじじい)
鴛洵「最後の後始末だ。どうせなら、とことん役に立ってから眠ったほうがいい」
霄大師「鴛洵…」
鴛洵「一つ教えておこう。克洵は誰も殺していない」
霄大師「分かっている…分かっている。もうお前は何も心配するな。お前の馬鹿さ加減はまさに死んでも治らないな。英姫にも会わず…」
鴛洵「その死人を、きちんと眠らせなかったのは誰だ?」
(まったくだ)
霄大師「お前という奴は…最後の最後まで…」
(そりゃこっちの台詞だ)
鴛洵は笑って。
鴛洵「じゃあな、霄」
霄大師「鴛洵!」
霄大師の頬に、一筋の涙。
霄大師「お休み、鴛洵……よい、夢を」



二胡を弾いている朔洵。
そこへ、やる気のない拍手と共に、静蘭が入ってきた。
静蘭「まあ悪くない腕だ」
朔洵「芸事に秀でた元公子様に、お褒めの言葉をいただけるとは、思わなかったよ。招待した覚えはないのだけれど? ご用件は何かな」
静蘭は一つの小瓶を机の上に置く。
静蘭「これを飲んでもらおうと思ってね」
朔洵「おやおや。そんなことしなくても、手っ取り早く殺してしまえばいいのに、その剣で」
静蘭「ぜひそうしたいが、裁きを受けさせる必要がある。だが、どんな堅牢な牢に放り込んだとしても、お前に思考能力を残しておくのは危険すぎる」
朔洵「あまり趣味がよくないな、生きたまま木偶(でく)人形にしようなんてね」
静蘭「毒をもって毒を制す、だ」
朔洵「どうやってそれを私に飲ませるつもりなんだい?」
静蘭「殴って気絶させて、口こじ開けて無理やり流し込もうかとも思ったが、それでは随分と時間がかかりそうだったのでね、やめにした。それに少々話をしたいとも思っていた」
静蘭は椅子に座る。
朔洵「ふ~ん」
静蘭「お互いの欲しいものを賭けて、ちょっとした遊戯をしよう」
朔洵「欲しいもの? 私が欲しいものを君が持っているのか? 彼女は君のものだとでも?」
静蘭「違う。だが私がいる限り、お前の手には絶対に入らない」
朔洵「確かに、君は邪魔だよね。私は彼女には、私だけ見てて欲しいんだ。で、君の欲しいものは私の木偶人形か、なるほど、対等だね。いいよ、やろう」

二人の前には、きれいに並べられた杯。
朔洵「君が持ってきたものを、どれかに入れてもらった。もちろん、どれなのかは私も知らない。ところで、即効性?」
静蘭「湯が沸くくらいの時で、体が弛緩し始める」
朔洵「じゃあ、話をしながらゆっくり干していこうか。ああ、君の毒とは別に、五つほど、致死の猛毒が入っているはずだけれど、それも同じくらいで効果が現れるはずだから」
静蘭「ご丁寧なことだな。いつもこんなことしてるのか? お前は」
朔洵「人生には刺激が必要なんだよ。特に私のような者にはね。これくらいしないと面白くない」
静蘭「だめだめ人生に悲観したので死にますとでも、そこらに書き付けておいてもらいたいね」
朔洵「じゃ、君もうっかり毒飲んじゃいました、すみません、とでも書いておいて欲しいな」
にらみ合う二人。
朔洵「じゃ、おもてなしする側として、私から振ろう」
さいころを振る朔洵。
朔洵「5、3」
静蘭はその位置の器を取って朔洵に差し出す。朔洵はそれをとり、飲み干す。
朔洵「君の番だ」
さいころを振り続ける二人。

夜空を心配そうに見上げる秀麗。

勝負はどうなる!?









上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。