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彩雲国物語 第1シーズン 第二十九話 一日千秋の思い

アニメ「彩雲国物語」を文章で見たい!という方のために。
(管理人のツッコミつき)


『』=モノローグ
ナレ:=ナレーション

地上波再放送(金曜深夜)にあわせてレビューしています
キャストについては、公式HPを参照のこと

★第29話は金華を出て琥璉直前までにたどり着くお話です★
(アニメオリジナルの要素満載です)





ナレ(邵可):
まだ明け切らぬ朝、茶州の州都である琥璉が、全面封鎖されたとの知らせを受けて、秀麗たちは金華を出立することになった。
その封鎖された琥璉へ乗り込もうというわけである。



金華の門。
秀麗「由官吏」
由准「なんでしょう」
秀麗「その…香鈴に謝っておいていただけませんか? 黙って行ってごめんねって。自分だけ置いていかれたなんて知ったら…」
由准「大丈夫ですよ。この旅がどんなに危険で、かえって足手まといになるかもしれないと、ちゃんと分かっていると思います」
静蘭「そうですね」
由准「どうか、お気をつけて」
秀麗「はい、行ってきます」
燕青「あとよろしくな」
由准は頷いた。



馬車の中で揺られていると。
「紅州牧ー!」
馬車を追ってくる一頭の馬。
柴彰「父上」
秀麗「燕青、止めて」

柴進「なんですと、連れて行かれるのはうちの息子一人きりですと?」
秀麗「はい、柴彰さんなら、琥璉への道も良くご存知ですし、戦いに行くのではないのですから、兵を引き連れていくわけにもいきませんし」
柴進「光栄ですが、はっきり言ってうちの息子は護衛の役になぞ立ちませんぞ。金には汚いですし、いざという時には盾になるどころか真っ先に先陣を離れかねませぬ」
柴彰「さすが父上殿、よくせがれをご存知ですね。まさに商人とはかくあるべきもの」
柴進「褒めとるんじゃないわ!
燕青「さ、夜が明ける。とっとと行こうぜ」
静蘭「通常、琥璉までは5日はかかりますが、出来るだけ早い到着を目指さないと」
影月「そうですね。一日遅れれば、封鎖された琥璉の状況は、さらに悪くなるかもしれません」
柴彰「時は金なりといいますからね」
秀麗「どんな時にもそろばんはじいてるのね」
柴彰「それも褒め言葉と受け取っておきますよ」



ナレ(邵可):
秀麗たちは、琥璉を目指して駆けていった。
その頃、劉輝一行が金華を目指しているとも知らずに。



その、劉輝一行。
劉輝「やっとここまできたな」
楸瑛「ええ」
絳攸は地図を見ながら。
絳攸「ここって、ここはどこなんだー!
楸瑛「茶州だよ」
絳攸「それくらい分かってる!」
楸瑛「君の方向音痴は旅では致命的だな。はぐれたら二度と会えないだろうね」

ナレ(邵可):
劉輝たちは貴陽を出立し、寝る間も惜しみ、獣道を駆けに駆け、もうじき金華にたどり着くところだった。

劉輝「あそこに、秀麗がいるのか」
(もういないけど)
楸瑛「朝にはつきますよ」
劉輝「二人ともすまん。普通人が通らぬ険しい山道を、寝る間も惜しみ駆けてくれて…余のわがままのために。本来なら貴陽を動くべきではないのだ、王としては」
楸瑛「個人的な思いだけで、ここへ来たのではないでしょう? 王自ら茶州を視察したいとのお考えもあったのでしょ?」
絳攸「王としては、今回の件に絶対手を出してはならない。その件も分かっているだろうしな」
劉輝「もちろん、助けるつもりはない。秀麗と影月が乗り越えなければ、あの二人を茶州に遣わした意味はない。余はただ……見守るだけだ」
ふと二人を見ると。
劉輝「え」
絳攸は馬上でぐっすり寝ていた。
楸瑛「しかし、このままでは私たちも馬も潰れてしまうし…朝まで一休みしましょう」
劉輝「そ、そうだな」



金華。仕事をしている由准。
香鈴「どうぞ」
由准「ありがとう、香鈴」
香鈴「秀麗様、ご無事でしょうか」
由准「香鈴…」
香鈴「分かっています。私がついていったら、足手まといになることくらい…でも、行ってらっしゃいって、せめてお見送りさせていただきたかった」
由准「大丈夫です、紅州牧は無事に琥璉にたどり着かれて、着任式に臨まれると思いますよ。杜州牧もね」
香鈴「私は、秀麗様を心配申し上げてるんです!」
急いでいってしまう香鈴。

由准『紅州牧の命は無事だと思うが…後の一同は茶家にとっては邪魔者でしかない。果たして全員が、琥璉にたどり着けるかどうか…』



野宿をしている秀麗たち。
それを見つけた武装した男たち。
茶家からの刺客だ。
「あれだな」
「紅家の娘だけは殺すな。生きて連れて来いとさ」
「あとは」
「ここで狼にでも食われるさ」

「そら、あんたらのほうだ」

男たちの背後にいたのは、燕青と静蘭。



握り飯を食べている柴彰。
柴彰「うまい。このおこわは、紅州牧が作ったのですか?」
秀麗「ええ」
影月「チャーシューがたくさん入っていて、食べ応えがあります」
(食べてみたい~)
柴彰「んー……これ、売れるでしょうね」
秀麗「ほんと、柴彰さんっていつでも商いのこと考えてるのね」
柴彰「すぐに金華に戻って、売り出したいくらいですよ」
秀麗「そんなこと言ってると、またお父さんとけんかになりますよ」
影月「今朝のは楽しい親子喧嘩でしたね」
燕青「茶一族に比べりゃぁな」
戻ってきた燕青と静蘭。
秀麗「お帰りなさい」
燕青「やっぱり、茶家の私兵のやつら、うろちょろしてやがったぜ。夜になったら襲う気だったんだな」
影月「お疲れ様です」
秀麗「克洵さん、大丈夫かしら。一人で茶仲障と…あの人のたくらみを止めることが出来るのかしら」
燕青「姫さんが知らないこと、一つ教えてやろうか」
秀麗「なに?」
燕青「鴛洵じいちゃんが亡くなって、茶家がごたごたし始めた時、あいつは真っ先に茶家に乗り込んだんだ」
秀麗「え?」
燕青「それで克洵の奴、茶家の全権を英姫ばあちゃんに預けるべきだって意見したんだぜ」
秀麗「あの、克洵さんが?」
燕青「でも、克洵の意見を聞く奴はいなかった。それでもあいつは何かしたくて、牢にぶちこまれてた俺の所へ来たんだ」
影月「…克洵さんは一番大事なものを、ちゃんと持ってる人ですよね」
燕青「いずれにせよ、茶家以外の人間が、茶家の問題を解決することはできねぇだろう」
心配そうな秀麗に。
静蘭「彼には彼の、お嬢様にはお嬢様にしか出来ないことがあります。でも、道が交わるときは必ず来ます。その時が来たら、全てを尽くして彼を助ければいいんです」
秀麗「うん、そうよね」



馬車の中で休んでいる秀麗。

秀麗『琥璉へ行けば…あの人にも会うことになる…』

外で火の番をしている静蘭。そのもとへ。
静蘭「お嬢様」
秀麗「静蘭、お水くれる?」
静蘭は竹筒を渡す。秀麗は水を飲んで。
秀麗「子供の頃、眠れない時、母様がよく話を聞かせてくれたわね」
静蘭「そうですね」
秀麗「私ね、あの話が好きだった。薔薇姫」
天空を仰ぐ二人。



同じ頃。金華の手前。
木にもたれて爆睡中の絳攸。
寝返りをうった絳攸の手が、楸瑛にヒット!
楸瑛「!」
そのまま楸瑛の膝の上で寝ている絳攸。
楸瑛「ったく、方向音痴の上に寝相が悪かったのか、絳攸のやつ」
ふと、劉輝のほうを見ると。
物憂げに岩にもたれて座っている。楸瑛はその隣へ。
楸瑛「主上」
劉輝「…星を見ていた」
楸瑛「少しは眠っておかないと、もちませんよ。空が白んだら、すぐに馬を走らせるんですからね」
劉輝「子供の頃、闇が怖くて、よく一人で星を見上げていた。秀麗がいた時は、夜が来るのが楽しみだった…秀麗は毎晩、余に話を聞かせてくれた」
楸瑛「どんな話ですか?」
劉輝「薔薇姫の話だ」

(回想)
劉輝「昨日の話の続きを聞かせてくれ」
秀麗「また途中で寝るんでしょう? 何度同じ話をしたらいいのよ」
劉輝「何度でも」
ため息をつく秀麗。
秀麗「昔々ね、薔薇姫っていうとってもきれいなお姫様がいたの。
彼女はどんな病気も怪我も治してしまう、不思議な力を持っていた。
けれども、その力に目をつけた強欲な主によって、薔薇姫は捕らえられてしまったの。
不思議を操るその力。
降り注ぐ月の光さえかすませる、永遠の美姫の話は、いつの間にか知れ渡って行った。
姫に求婚する人が数多く現れ、主は人知れぬ場所へ、彼女を隠したの。
欲しいものは何でも主から贈られた。
自由以外は」
静かになっている劉輝。
秀麗「やっぱり寝た!」
劉輝「…寝てはいない」
秀麗「ええ! 寝たふりなわけ」
劉輝は秀麗の頬に手を添えて。
劉輝「いいから続きを」



火を見つめて話している秀麗。
秀麗「時は流れて、薔薇姫の前に一人の男が現れた」

(回想)
寝ている秀麗(幼年)に話している母。
薔薇姫「幾重にも張り巡らされた垣根を飛び越え、会いに来たその男は、一目で、彼女に恋をした。
国を騒がすその姫を、殺すつもりでやってきたというのに……
姫を連れ去り、男はどこまでも逃げた。
いつしか薔薇姫はその不思議な力を失っていたけれど、男はかまわなかった」
秀麗「母様、それから薔薇姫は、幸せに暮らしたの?」
薔薇姫「そうじゃ。姫にはかわいい女の子が生まれた。
けれどその子は病に冒されていた。
しかし、自分の命と引き換えになら、一度だけ願いが叶うことを知った。
薔薇姫は迷わなかった。
私はただの薔薇に戻ってしまうけれど、いついつまでも、この心は、あなただけのもの」



劉輝「だから薔薇は、二度と誰にもとらわれぬように、とげを生やしたのだ」
楸瑛「薔薇のとげは薔薇姫の愛の証…ですか」
劉輝「閉じ込めることしか出来なかった主にはなりたくない。しかし余は、何もかも捨てて薔薇姫を連れ去ることも出来ない。それでも薔薇姫を愛し、愛された男のままでいられたら…」



秀麗「私は、薔薇姫のように不思議な力もないし、美しくもないけれど、とげだけは、生やしてるの…かも……」
静蘭にもたれて、眠ってしまった秀麗。
静蘭「誰にもとらわれないように…ですか」
穏やかな寝息が、聞こえてきた。



金華の入り口。
劉輝「なんだとぉ!? 琥璉へ向かった?」
絳攸「昨日の朝早くにな。取次ぎを頼んだら、城の役人にそう言われたんだ」
楸瑛「すれ違いだったようですね」
絳攸「途中で商人に聞いた噂は、本当だったんだな。琥璉が封鎖されたっていう」
劉輝「しまったぁ。あの時秀麗たちの動きを予想して、琥璉へ向かっていれば…」
絳攸「封鎖されたと知り、すぐさま琥璉へ赴くとは、対応がすばやくていい」
楸瑛「しかも州牧自ら頑張っているようだな。秀麗殿も、影月君も」
絳攸「おまけに二人は、殺刃賊がのさばっていたこの町から奴らを追い出し、幽閉されていた金華太守を解放させたそうだ」
楸瑛「ほう。静蘭と燕青が付いているとはいえ、見事なものですね」
劉輝「はぁぁ…そう、見事なすれ違いだ」
絳攸・楸瑛「?」
馬にすがって嘆く劉輝。
劉輝「遠くから、一目秀麗の姿を見ることもできぬのか…!」
ちょっと劉輝が気の毒になった二人。
絳攸「例の化け物は、自分が茶家当主におさまり、秀麗を妻にするつもりのようだ。どうやらそいつも琥璉にいるらしい」
楸瑛「我々も向かいますか?」
劉輝「え…?」
楸瑛「一日千秋の思いで恋焦がれている相手が、すぐ間近にいるんですよ。王としては愚かな行為ですが、男としては時には馬鹿なことをするのもいいもんです」
劉輝「しゅ~え~♪」
絳攸「ほんと、馬鹿な主上を持つと苦労するけどな」
劉輝「そんな馬鹿馬鹿言わなくたって」
絳攸「そう言えば、霄太師もこの茶州にいるんだよな」
劉輝「あの狸ジジイの心配はしなくても全く大丈夫だ!



琥璉。茶家本邸。
英姫の部屋に、侍女が訪れる。
侍女「英姫様、霄太師様がいらして、お目通りを願いたいとおっしゃっておられますが…」
英姫「ようやく来やったか…遅すぎるわ!」
羽扇を叩きつけて。
英姫「通せ」
侍女「はい」
苦々しく呟く英姫。
英姫「昔から虫の好かぬ男だったが、いまも狐狸妖怪ジジイ道を驀進しているのであろうな」
(はいその通りです)
部屋に入ってきた霄太師。
それは青年の姿で。



琥璉目前。静蘭は馬車を止める。
馬車の窓から町を眺める秀麗たち。
秀麗「あれが…琥璉」
崖の上から、燕青が滑り降りてきた。
静蘭「どうだった」
燕青「この先で、茶家の兵たちが待ち伏せしてる。柴彰ちゃ~ん」
柴彰「なんでしょう」
燕青「馬車を頼む。俺と静蘭は先に行ってあいつらを倒して道を開く。が、全部倒せるかどうかは分からん」
柴彰「で?」
燕青「合図したところで道を、全速力で突っ切れ」
柴彰「私はいつも8割の力しか出さないのを信条としているのですが、仕方ありませんね」
燕青「頼むぜ。んじゃま、行こっか」
御者台から降りる静蘭。
秀麗「二人とも、気をつけてね」
心配そうに見送る秀麗。



その頃、劉輝一行は。
絳攸「いっとくけどなあ、俺はお前と違って文官なんだぞ!」
楸瑛「とは言っても、剣はともかく、馬はかなり鍛えられてるんだろ? あの方に」
言葉に詰まる絳攸。その顔に枝が。



馬車の中で地図を見せる柴彰。
柴彰「ここから急に道幅が広くなってるでしょう。そして崖が終わって、ここから森になる」
影月「襲ってくるとしたら、間違いなくここですね」
秀麗「そうね」
柴彰「ここを乗り越えれば琥璉です」
秀麗「ええ」



秀麗たちの馬車を待ち伏せしている兵たち。
「遅いな」
その時。
燕青「そう思ったから、こっちからわざわざ来てやったぜ」
燕青と静蘭が到着。

燕青「数だけは多いな」
多勢に無勢だが、ばったばったと片付けていく二人。
燕青「静蘭、後ろだ!」
その時、静蘭に剣を振り上げていた男が倒れた。
そこにいたのは。
静蘭「!」
さらに二人。
燕青「うっそ! マジ!?」

兵「ひるむな! かかれぃ!」
だが、一振りで一気に三人を倒す楸瑛。
燕青「さっすがぁ」

次々と倒していく劉輝と静蘭。
静蘭「まさかここまで来るとは」
劉輝「すいません。ですが、この剣を共に振るうことが出来ます」

形勢が有利になってきたのを見計らって。
燕青「今だな」
のろしをあげる燕青。
それを見た秀麗たち。
秀麗「合図だわ」
柴彰「行きますよ」
馬車を走らせる柴彰。馬車は一気に走り抜ける。
兵「あれは!」
駆けつける兵を止める燕青。
劉輝「秀麗!」
よそ見をした劉輝に襲い掛かる兵。それを倒す静蘭。
静蘭「気を抜くな!」
劉輝「は、はい!」

馬車が無事に通過したのを確認する燕青たち。
(ぜーぜー言っている絳攸が見ものです)
崖の上から、馬車を見下ろす劉輝。

その馬車の中から、外を見ている秀麗。
影月「秀麗さん、顔を出すと危ないですよ」
秀麗「あ、うん…」

遠くなる馬車を見ながら。

劉輝『秀麗……』

振り向いてみると。
劉輝「あ」

一部始終を見ていた男たちが4人。

劉輝「あ、そ、そのぉ…余が来たことは」
燕青「姫さんには、黙っておきますよ」
劉輝「はあ…すまぬ。あとは、お願いします」
頷く静蘭。
燕青「んじゃ、行くか」
静蘭「ああ」
一礼して去っていく静蘭と燕青。
それを見送って。
劉輝「戻るか」
絳攸「ああ」
劉輝「…また、夜が長いな」
そんな劉輝に、楸瑛はこそっと。
楸瑛「私でよければ、寝物語、いたしましょうか?」
(うぎゃぁぁ)
絳攸「やめろぉー! どーなってんだお前の頭ん中は!
楸瑛「君こそ少しは楽しんだほうがいいんじゃないか?」
絳攸「何をだ! 一体何を楽しむ気だー!

劉輝『薔薇に…触れることもできぬのか…』



茶家本邸。
「紅州牧一行が、まもなく到着するようです」
秀麗の花を手に、怪しく微笑む朔洵。



琥璉を見下ろして。

秀麗『あれが、琥璉…』

本当の戦いは、きっとこれから。









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