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彩雲国物語 第1シーズン 第二十七話 花は折りたし梢は高し

アニメ「彩雲国物語」を文章で見たい!という方のために。
(管理人のツッコミつき)


『』=モノローグ
ナレ:=ナレーション

地上波再放送(金曜深夜)にあわせてレビューしています
キャストについては、公式HPを参照のこと

★第27話は、全商連の協力を取り付けても、朔洵に秀麗の心が揺れる…お話です★
(この回から、オープニングが一部変わりました)





ナレ(邵可):
殺刃賊を影で支配していた男、茶朔洵が消え、秀麗は金華太守柴進と対面した。
が、その直後…



金華の宿。
眠っている秀麗を見守る影月、香鈴、龍蓮、燕青、そして静蘭。

静蘭『茶朔洵…あの男だけは許さない…!』



茶州、茶家本邸。
仲障「草洵が死んだか…下がってよい」
家の者が部屋を出て行く。

仲障『朔洵…あれが動き出したとはな…
放蕩者だと思っていたが…侮れんな…』

(回想)
一族が惨殺された現場。
そこにいたのは。
鴛洵「仲障か」
仲障「兄上…なぜ本家の嫡男を…兄上と仲が良かったはず」
鴛洵「本家の跡継ぎは全て死んだ。これより私が、茶家当主となる」

仲障「朔洵は兄上に似ているやもしれぬ。裏の顔を誰にも気づかれることもなく、機をみて本家の男たちをみな血祭りに上げた、兄上に」



雨の中、金華の街を見下ろしている朔洵。
懐から、秀麗のかんざしを取り出して。
朔洵「琥璉で待っているよ」
馬に乗って去っていく。



金華、秀麗たちの宿。
影月が薬を作っている。
静蘭「お嬢様…」
悔しそうな静蘭を見ている燕青。



翌朝。
窓から虹を眺めている秀麗。
(すっかり元気になったようで)
秀麗「いいお天気」
でも、心中はそうではない。
香鈴「秀麗様?」
秀麗「? ああ、お茶ね。ありがとう。香鈴、あなたが無事でよかったわ」
香鈴「それは私の台詞です。ずっとお眠りになったままで、ずっと心配で夜も眠れませんでしたわ」
秀麗「疲れて眠ってただけよ。ね、影月君」
影月「そうです。長旅で体を休める暇がなくて、あんなことになってしまいました」
と、その影月に急須が命中!
(跳ね返ってきた急須を見事キャッチする香鈴)
香鈴「とっとと出ておいきなさい。私一人で十分ですわ。このやぶ医者!」
影月「あ、えっと…」
香鈴「がるるるる」
影月「じゃ、このお薬、お茶と一緒に飲んでください」
秀麗「ありがとう」
影月が出て行って。
秀麗「どうしたの? 随分冷たくない?」
香鈴「だって秀麗様、ひどいんですのよ。龍蓮様にお酒を飲まされて、倒れてしまったので介抱して差し上げようとしたら」

(回想)
陽月「邪魔だ、馬鹿女どけよ」

香鈴「なんて言い放ったんですわよ!」
秀麗「あ、いや、それはね」
香鈴「もう知りませんわ、あんな人」
秀麗は笑い出す。
香鈴「秀麗様、笑い事じゃありません」
秀麗「だって、こんな元気な香鈴見るの、久しぶりだから。影月君に感謝しなきゃ」
思わず口を押さえる香鈴。
秀麗「ね、香鈴、笑ってちょうだい。私、あなたの笑顔を見るのが好き」
香鈴「秀麗様」
秀麗「一生懸命私の代わりをしてくれてありがとう。一番危険だったのに…」
嬉しそうな香鈴。
その時、扉をノックする音が。
入ってきたのは燕青。
燕青「姫さん、いいかな。姫さんに会いたいってやつがいるんだけど」
秀麗「私に?…何?」
燕青「…いや、元気になってよかったと思って」
秀麗「心配かけてごめんね。もう大丈夫よ」
燕青「んじゃ、克、入れよ」
秀麗「克?」
入ってきたのは。
克洵「改めまして、茶克洵と申します」
秀麗「克洵さん?」

秀麗『あの人の弟…でもまるで似ていない』

燕青「姫さん?」
秀麗「あ、ごめんなさい。その、同じ兄弟なのに、印象がまるで違ったので」
克洵「そうですよね。長男の草洵は気が荒く、反対に次男の朔洵は、同じ兄弟とは思えないほど美しい容貌で、三男の僕はこの通り平凡に生まれついてしまいました」
秀麗「いえそんな。影月君と香鈴には、あなたがいなければ生きて会うこともなかったと思うわ。私の大切な人たちを守ってくれて、ありがとう」
克洵「………あの、一つお願いがあるのですが」
秀麗「なんですか?」
克洵「長兄草洵の亡骸は、僕一人で埋葬させていただけないでしょうか」



金華、菊の屋敷。
霄太師「久々の里帰りじゃろ、鴛洵」
指輪のふたを開ける。
鴛洵(青年)「菊の屋敷、か」
霄太師「表の紋印の菊は削られて、今は茶家の孔雀繚乱が彫られているがのう」
鴛洵「朔洵めが…」
霄太師「先王陛下からお前さんが下賜された花、菊を、消すようなことをする奴がおるとはのう」
鴛洵「たった15であの殺刃賊を手のひらでもてあそんだ化け物が、ついに動き出したか」
霄太師は指輪を手にして。
霄太師「さて、これの行き先は新州牧たちか、鄭悠舜のところか、それとも英姫のところかのう?」



秀麗は、一人の青年の訪問を受けていた。
それは知らない人ではない。
青年「お元気になられたようで、よかったですね」
秀麗「あなたは…」
青年「改めまして、私は柴彰。全商連の金華特区長です」
秀麗「柴って、金華太守の息子さん? しかもこんな若いのに金華特区長?」
柴彰「君たちほど若くないから、そんなに驚かれるとちょっと傷つくな」
秀麗「ごめんなさい、私はてっきり、あの方が特区長だと思ったので」
燕青「ほんとにこいつが金華の特区長なんだ。ちなみに、これの双子の姉貴は、琥璉で支部長をやってる。つまり、茶州の商業は、この姉弟が仕切ってるわけだ」

秀麗『全商連は、実力重視の実利主義と聞いているわ。この若さで特区長だなんて、凄腕の実力者と見た』

柴彰「紅州牧、約束を果たしましょう。金華全商連は、新州牧のために、8割の力を尽くすことを誓います」
秀麗「は、8割…さすが商人」
柴彰「いつでも緊急事態に対応する余力を残すのが、我々の基本ですから」
秀麗「その考え方嫌いじゃないわ」
燕青「姫さんは倹約上等だもんなぁ」
柴彰「ほー、紅州牧とは気が合いそうですね。姉とも繋ぎを取りましょう。潤沢な資金もご用意します。無論、見返りはちょうだいしますが」
秀麗「私たちに、払えるものでしょうか」
柴彰「私たち全商連がより良く商売を行えるように、地を整えていただくことで、御代とさせていただきます。茶家の横暴と因習にまみれた、この茶州の地を。いかがです?」
秀麗「…後払いなんて、気前がいいですね」
柴彰「でも取り立てに手は抜きませんよ」
秀麗「影月君に相談しても、同じ考えになるでしょうね。燕青、着任前から大借金王になりそうだけど、助けてくれる?」
燕青「彰に尻叩かれながらじゃ、相当頑張らなねぇとおっつかねぇぞ」
秀麗「望むところよ」
柴彰「商談成立ですね。それでは、琥璉出発に向けて、詳細をつめましょう。杜州牧には、うちの父と一緒に、騒動の収拾に当たっていただいているので、まずはあなたと」
秀麗「はい」



詰まれた書簡を見ている秀麗。
小さくため息を落とす。
棚の上に置かれた二胡。
朔洵のために、何度も弾いた。

静蘭は、秀麗のいる部屋の扉の前に立ち、ノックしようとすると。
二胡の調べが聞こえてきた。

入るのをやめる静蘭。
それを見ている燕青。



金華の都の入り口のところで。
秀麗「とっとと帰んなさいよ」
影月「もうお帰りになってください」
少し寂しそうな龍蓮。
秀麗「印と佩玉、届けてくれてありがとう。もう旅に戻っていいわ」
影月「龍蓮さん、もう少し落ち着いた頃に遊びに来てください」
龍蓮「しかし心の友その1その2よ」
秀麗「お願い帰って! 私たち、これ以上あなたを巻き込みたくないの」
龍蓮はちらりと影月を見る。
うなずく影月。
しばらく考えていたが、小さく笑みを落とす龍蓮。

振り返ると、金華は随分遠くなっていて。
龍蓮「巻き込まれるために残っていたのだが」
月を見上げて。
龍蓮「この世でたった二人、心の友その1その2だけが、藍龍蓮を利用することが出来るのに」



金華。
秀麗「これでよかったのよね…」
そっけなく龍蓮を帰したことに、少し悪い気がするけど。
秀麗「どうぞ」
香鈴「失礼します。お茶をお持ちしました」
秀麗「ありがとう」
秀麗はしばらく香鈴を見ていたが。
秀麗「ね、香鈴、聞いてもいいかしら」
香鈴「はい」
秀麗「純粋な意味で聞くわ。茶太保はあなたにとってどういう人だったの?」
香鈴「え?…」
香鈴は懐から、あの布を取り出す。
秀麗「それは?」
香鈴「あの方の形見です。私の全てでした。あの方のためになるなら、命すらなげうっても後悔はしないと」
秀麗「それは、恋?」
香鈴「……分かりません。ただ、あの方のためにありたかった…罪に手を染めることもいとわなかった…だから多分、恋という言葉には似つかわしくない思いです」
秀麗「……」
香鈴「私、自分がこの世で一番鴛洵様をお慕いしていると思っていました。でも違いました。大奥様には、到底かないません」
秀麗「茶太保の奥様って、英姫様?」
香鈴「はい。私の思いなど、ちっぽけなものでした。私を茶州に迎えてくださった時、英姫様はこうおっしゃったんです」

(回想)
英姫「その若さで鴛洵を選ぶとは、なかなか見る目があるではないか。この私が選んだ国一番の男ゆえ、その気持ち痛いほど分かるぞ。だが苦労したな。あれは最高の男だが、女にとっては最低の恋人だからな」

香鈴「それが英姫様の、最初の言葉でした」
秀麗「すごい豪快な人ね」
香鈴「はい。その時、ああ、この人が鴛洵様の一番なんだって、心底理解しました。遠く離れていても、あの方々は、決して揺らがなかった」
秀麗「離れていても思いあえる…そっか、いろんな形があるのよね」



琥璉。
塔の中で仕事をしている鄭悠舜。
そこに訪れた一人の男。
扉の外に向かって呼びかける悠舜。
悠舜「これがあなたの本性というわけですか。ご用件は? 朔洵殿」
朔洵「こんなところに半年以上も閉じこもって、よくもまあ、退屈しないことだね、鄭悠舜」
悠舜「出来ることなら退屈したいと思っていますけど、いろいろすることが多くて困りますよ。用がないならお引取りを」
朔洵「つれないね」
悠舜「私は忙しいのです」
ふと、聞こえた小さな音に。
悠舜「朔洵殿、それは?」
朔洵「なんだと思う? ねえ悠舜、不思議だねぇ。ただ一人の髪に飾られていたというだけで、これほど特別な思いを抱けるなんて…今まで思いもしなったよ」
悠舜「恋、ですか」
朔洵「そう初恋なんだ。しかもこの世に生を受けて29年目にしての、遅い春なんだよ」
悠舜「退屈しのぎで大切な上司にちょっかいを出していただきたくはありませんね。早々にお考え直しいただいて、手にされている花をお返しください」
朔洵「あの姫と、あの二胡に出会えたのは、本当に幸運だったと思うよ。
あれほど執着できるものには、二度と出会わないかもしれない。
だからもし、あの音に飽いてしまったら、
なんだか本当に、もう生きる理由がないような気がするんだ。
花は折りたし梢は高しというけれど、私は手に入れるよ。
必ず、あの子をね。
お祖父様が、君の州牧代理権限をもって、すみやかに琥璉の全面封鎖をして欲しいそうだよ」
悠舜「理由をお聞かせ願えますか。まだ新州牧は琥璉へ入っておりませんが」
朔洵「だからだろう?」
悠舜「拒否したら?」
朔洵「琥璉で、いろいろ起きるんじゃないかな。大丈夫だよ、鄭悠舜。君の上司たちなら、琥璉を封鎖しても、ちゃんと入都してくる。そうだろう? じゃあね」
去っていく朔洵。
悠舜「打つべき手は、すでに打ってあります。今更揺らぐものなど、私たちには何一つないのですよ。朔洵殿」



草洵の墓の前で。
克洵「長兄である草洵兄上が、こんなところにひとりで眠るなんて」
花を供える。
克洵「僕はあなたが怖かったけど、決して嫌いじゃありませんでした。今の茶家は間違ってます。僕は茶家の人間として、やれることをやるつもりです。道を正すために、朔洵兄上を止めなければ」



ところかわって、こちらは貴陽。王宮、劉輝の部屋。
劉輝「茶家の次男が秀麗に?」
絳攸「黎深様がその男に釘を刺すため、個人的に文を出しましたので、間違いないかと」
楸瑛「茶朔洵、確か茶太保の弟である仲障の孫では? 噂では遊びほうけている放蕩息子だと聞いていたが」
絳攸「さすが藍家。彩七家の情報はほとんど把握済みというわけか」
楸瑛「で、黎深殿が手を下してもいまだに生きているのかいその男は」
絳攸「ああ」
楸瑛「ほう、それはなかなかしぶとい男だね」
絳攸「ただの放蕩息子ではなかったということだ。油断ならない。かつて茶太保が茶本家を乗っ取ったように、ひと波乱あるかもしれない」
劉輝は立ち上がった。



金華。秀麗たちの宿。
秀麗「よし、この仕事を終えたら、すぐにでも琥璉に向かわなきゃね」
部屋の扉を開けると、いままさに静蘭が扉をノックしようとしていた。
視線をそらす静蘭。

秀麗「甘露茶よ。砂恭の宿で、たくさん入れてあげるって約束したわね」
静蘭「お嬢様」
秀麗「なに?」
静蘭「私は、お嬢様の特別ですか?」
秀麗「え?」
静蘭「あの男は…お嬢様を愛しているといったあの男は、お嬢様にとってのなんですか?」
秀麗は少し考えていたが。
秀麗「あの人、劉輝に似てたわ」
静蘭「似ていません!」
秀麗「いいえ、すごく似てた…子供のようで大人だった…でも正反対だった。だから…」
静蘭「だから?」
秀麗「随分と、印象に残る人だったわね」
静蘭「お嬢様は、一度もあの男の本名をおっしゃいませんね。認めるのがいやですか? あの男が茶家の人間であることを」
秀麗「別にそういうわけじゃ」
静蘭「私にまで嘘をつかれるとは珍しい」
秀麗「静蘭」
静蘭「あの男は危険すぎる。あの男は底知れない闇です。引きずられないで下さい。惑わされないで下さい。誰よりお嬢様を愛しているなんて、そんな言葉は嘘です」
そして、秀麗の髪を見る。
静蘭「髪を結っていませんね…あの男に何か言われましたか」

(回想)
朔洵「ん、髪はやっぱり、下ろしたほうが絶対いい」

静蘭「いつかあなたも恋をする」
秀麗「…!」
秀麗の手をとり。
静蘭「それは、ずっと前から分かっていました」
そのまま抱きしめる。
秀麗「静蘭…」
静蘭「でも、相手があの男なら、私のほうがずっとましです。あなたには幸せになってほしい。私はそのためだけにそばにいる」
秀麗を離し、部屋の扉を開けて。
静蘭「だから…あの男は許さない」
部屋を出て行く静蘭。
甘露茶は、飲まれなかった。



ふと、足を止め。
壁を殴りつける静蘭。
(うわ、後で直しておきなさいね)
静蘭「この私相手に良くぞ喧嘩を売った。私を清苑公子と知った上でのその度胸だけは褒めてやる。茶朔洵!」



貴陽、王宮。
莫邪を少しだけ抜いて、不安そうに夜空を見上げる劉輝。



二胡に、指を置いて。
うつむく秀麗。

朔洵『おいで、州都琥璉へ。待っているよ』

行こうとしている琥璉で、あの人は待っている。









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