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彩雲国物語 第2シーズン 第二十八話 桃栗三年柿八年

アニメ「彩雲国物語」を文章で見たい!という方のために。
(管理人のツッコミつき)


『』=モノローグ
ナレ:=ナレーション

キャストについては、公式HPを参照のこと

★第28話は秀麗の新任務&十三姫初登場!です★






山道を、一人の旅人が馬に乗って駆けている。
それはまだ若い少女で。
少女は馬を止めて。
「あたしを尾けて来てる人は、どこのどなた?」
すると、武装した男たちが馬に乗って現れた。
危機一髪のその時。

「あ~あ」

少女「!」
現れたのは、燕青(ヒゲなし)。
燕青「よってたかって一人の女の子囲むなんざ、かっこ悪いぜ」
燕青は馬上の少女を見上げて思わず。
燕青「ああ! 姫さん! あいや、似てるけど…」
少女「ありがとう、通りすがりの正義の味方さん。危ないところを助けてくれて。じゃ!」
と去っていく。
燕青「て、行動は似てねぇ!」
追おうとする男たちの前に、燕青は棔をかざして。
燕青「だから、かっこわりいっつってんだろ!」
馬を飛ばす少女。

(タイトル)

紅邵可邸。
こちらの台所では朝から…
秀麗「でぇぇぇぇぇい!!
小麦粉の生地を叩きまくる秀麗!
秀麗「あのクソ清雅! 嫌味高飛車腹黒人でなしろくでなし俺様野郎! あんたなんか、こうしてやるこうしてやる! こうしてこうしてこうしてこうしてこうして!」
生地が見る見る間にきれいに伸びていく…

そんな娘を影からこっそり見ている邵可と静蘭。
(あんたたち「家政婦は見た!」かよ)
邵可「私の現役時代も真っ青だよ」
静蘭「は?」
邵可「いや、なんでも。すごいね、清雅君効果」
静蘭「なんだか、お嬢様がどんどん壊れていってるような…」
邵可「あれでいいんだよ。怒れなくなったら負けだから」
静蘭「………」

秀麗は菜っ葉包丁をきらりーんと光らせ。
秀麗「ホワチャーー!」
大根を真っ二つ!
(ラジオで言っていた「包丁?」はこの台詞ですね)
邵可「ホワチャーって…今はもう誰も言わないよね」
静蘭「旦那様、問題はそこじゃありませんから。本当にあれでいいんですか?」
邵可「静蘭、見くびらないで貰いたいね。私はどんな娘でも、心から愛する自信があるよ」(←と言いつつ顔が引きつっている)
静蘭「お嬢様を怖いと思う日が来るなんて…思いもしませんでした」
秀麗はぜーはーぜーはー言っていたが。
秀麗「あーすっきりした(にっこり)。さあ今日もバリバリ、頑張るわよー!」



こちらは宮城、御史台(あるいは兵部?)。
皇毅「お珍しいことですね、孟兵部侍郎。ご用件は」
孟「葵長官、あなたならすでにご存知かもしれません。このところ、各地でひそかに勢力を増している暗殺集団がいることを。主上が妃は一人だけにするとおっしゃってからというもの、不穏な動きが出てまいりました。私にも娘がおります。貴族たる者、娘を後宮に上げたいと誰もが願うものですからな。いくつか情報を入手しました。どうかお役立てください。藍家の姫の御身が、危ないやも知れません」
皇毅「……」



藍家の貴陽邸。
部屋で一人、夕日に照らされている池を眺めている楸瑛。

(楸瑛の回想)
藍州の家の庭にて。
玉華「私が、お日様の色をした、ふわふわの玉子焼き? 雪那さんと同じ事をおっしゃるのね」
そういって、玉華は自分の夫=藍雪那の元へ。
(回想終わり)

楸瑛が手にしているのは、女物の扇。

(楸瑛の回想)
宮城の中を歩いている楸瑛。庭にいる人影を見つける。
それは舞を舞っている一人の女性。
楸瑛「あれは、想遥恋(そうようれん)……永遠にかなうことのない、片恋の舞」
女性は視線に気づき、扇を投げつけた。
「誰!?」
(ネタバレですが、この女性は珠翠です)
楸瑛を見た珠翠は、思わず足を止めた。
珠翠「…どうしたの? 何か悲しいことでもあったの?」
楸瑛は、泣いていた。
我に帰った楸瑛は思わず顔を隠し。
楸瑛「見、見ないでください」
珠翠「…?」
珠翠は、楸瑛の袖が裂けている事に気づく。

珠翠は自分の部屋に楸瑛を招き、衣を繕う。
ついたてを隔てて、珠翠は言った。
珠翠「扇を投げた時に引っかかったのよ。悪かったわね」
楸瑛は珠翠の扇を見つめながら。
楸瑛「……死ぬほど好きなのに、幸せな顔を見るのが、辛くて苦しくて、胸が痛い」
珠翠「そう? 私は幸せだわ。悲しい顔を見るよりずっといいわ」
楸瑛「詭弁だ。全然幸せじゃない」
珠翠「あなたは幸せに育ったのね。百の幸せを当然のように思えるくらい。愛してるわ。誰より愛してる。何もなかった私には、それだけで十分幸せだわ」
楸瑛「私には、そんな風には思えない。だから逃げる。これからだって、ひたすら逃げまくる」
珠翠「ふふ、いいんじゃないの? 人それぞれだもの」
彼女がつくろった縫い目は、決して上手ではなかったけれど。
(回想終わり)

楸瑛はその継ぎ目を指でなぞった。



その、珠翠は。
後宮の自室で、頭を押さえて顔をゆがめていた。

珠翠『いつか、この音は必ず止む…その時が来る前に…自分が、自分であるうちに、この手で、幕を引こう』

珠翠は短剣を取り、自分の胸につきたてようとする。
その時。
劉輝「珠翠? いるか」
珠翠「!」
扉の外で、見慣れた人影。
劉輝「少し、話し相手になってくれぬか。珠翠? 珠翠いるんだろう? 入ってもいいか……な、何か怒っているのか?」
珠翠の目から、涙が溢れる。

珠翠『もう少し…もう少しだけなら……』

珠翠は気を取り直し、扉へと向かう。
珠翠「申し訳ありません主上。今すぐお開けいたし……!」
劉輝は楽しそうに。
劉輝「実は今日、連れがいるのだ」
劉輝の後ろから出てきたのは。
劉輝「リオウと言ってな」
リオウの目に、何かに取り付かれたように動けなくなる珠翠。
繰り返される、歯車のような音。



御史台。
目の前に並べられた秀麗のお弁当。
春巻、シュウマイ、餃子、まんじゅう…どれもとってもおいしそう!
蘇芳「おお、今日も大量だなー…よっぽど何かを叩きまくりたかったんだな?」
秀麗「タンタン、まだお昼の時間じゃないわよ」
(だったらしまっとけよ秀麗)
と、そこへ。
清雅「ほぉ」
蘇芳「あ」
清雅が一口おかずをつまむ。
秀麗「ちょっと清雅、何勝手に食べてんのよ。あんたのために作ったんじゃないわよ」
清雅「なに言ってる。俺を思って作ったんだろ?」
まあ、確かにその通りで。
(「あのクソ清雅!」のシーンが一瞬差し込む)
秀麗「ああそう。私のことはご飯の作り方まで逐一調べ済みってわけ」
清雅「当然だろ。それから年上には敬意を払って清雅様と呼べよ」
秀麗「~~~」
蘇芳「(後ろの方で)ちょ、超こえ~」
清雅「おしゃべりはここまでだ。昼休みが終わったら皇毅様のところへ顔出ししろ」
清雅は部屋を出る間際。
清雅「そうそう、俺を調べまわってもいいが、徒労に終わるぜ。俺にその手のヘマは期待するなよ」
秀麗「よく泳ぐものは溺れる、とも言うわよ」
清雅「溺れさせてみろよ」
部屋を出て行った清雅。
蘇芳「おわ~…なんだ今の男と女の修羅場~みたいなやりとりは」
秀麗「タンタン」
蘇芳「え、なに?」
秀麗「少し早いけど、お昼にしましょう」

というわけで、ランチタイム。
桃をむいていた秀麗に。
晏樹「今日もおいしそうなお弁当だねえ」
秀麗「晏樹様、またいらしたんですか?」
晏樹「だって、この男だらけの朝廷で、女の子と二人っきりになれるなんて、ここしかないからね」
秀麗「タンタンもいますけど」
晏樹「そうなんだ。そこだけが不満だね」
秀麗「あの、晏樹様」
晏樹「ん?」
秀麗「陸清雅のこと、何かご存知ですか」
晏樹「実はね、清雅は皇毅の隠し子なんだ。ほら、骨盤が似てるだろう?」
秀麗「ほ、本当ですか!?」
晏樹「嘘だよ。骨盤が似てるなんて、一般人に分かるわけないじゃないか」
秀麗「あ、晏樹様…」
晏樹「私はよく嘘をつくからお気をつけって言ってるじゃないか。頑張って、私から何か引き出してごらん?」
秀麗「清雅の、サル山の大将っぷりと考えは、昔から変わらないんですか?」
晏樹「(はかないため息)」
秀麗「どうしてそこでつむじを曲げるんですか?」
晏樹「私のことは一言も聞いてくれない」
秀麗「だって、晏樹様は有名でしたもん」
晏樹「有名? どこで? 何の話?」
秀麗「聞きたいですか?」
晏樹「うん」
秀麗「じゃ、代わりに何くれます?」
晏樹「!…やるね。分かった。一つだけ、本当に本当のことを教えてあげる」
秀麗は質問する。
秀麗「今、主上をお側で支える方は、多いですか、少ないですか」
晏樹「少ないね。何がまずいって、側近の二人。藍楸瑛と李絳攸がこのところずっと王の側を離れているってことだね。ちょうど、鄭悠舜の尚書令の辞令と入れ違いだから、それが気に入らなくて衝突したんじゃないかって話も出てる。寵愛取られた、みたいな」
秀麗「そんなことは」
晏樹「実際どうなのかは関係なくて、大事なのは、二人が傍目にそう見える行動を軽々しくとってるてこと。若手の出世頭だった花の二人が側にいないっていうのは、それだけで印象が悪すぎる」
秀麗「…分かりました。ありがとうございます」
晏樹「で、私の何が有名なのかな」
秀麗「胡蝶姐さんが、いくら探りを入れても名前も言わない謎な客ってことで有名でした」
晏樹「何で知ってるの」
秀麗「私が10歳くらいの時、大きくなったら私の相手をしてくれる?って、頭を撫でてもらって、桃をいただきましたよ」
晏樹「コウ娥楼でそろばんはじいてた女の子」
※コウ娥楼の「コウ」は「女+亘」ですが、機種依存文字のためカタカナ表記しています。
秀麗「そうです」
晏樹「何てことだ、運命を感じない?」
秀麗「桃をいただく運命しか感じません」
晏樹は桃を一切れ、秀麗の口にいれ。
晏樹「王様を守りたければ君が強くおなり。気が向いたら助けてあげる」



長官室。
皇毅「最初で最後の忠告だ。奴を見たら即逃げろ。何か貰ったら突っ返せ。あいつに桃でも貰ったら最後、取り返しがつかんぞ」
秀麗「桃、ですか?」
皇毅「もらったのか…?」
秀麗「…はい」
皇毅「…ならもういい。今の話は忘れろ」
秀麗「え?」
皇毅「仕事の話に戻る。陸清雅、紅秀麗」
清雅・秀麗「はい」
皇毅「私から一つ、仕事を命ずる」
清雅「皇毅様、それは俺にこいつと組めってことですか」
皇毅「そうだ」
清雅「理由をお聞かせ願えますか。俺一人に任せられないとご判断された理由を」
皇毅「お前が男だからだ」
清雅「は?」
皇毅「監察事案は、今度後宮入りする藍家の十三姫暗殺を企む者の背後関係を暴くこと」

秀麗『後宮に、藍家の姫が?』

清雅「ということは、こいつを十三姫の替え玉として後宮に」
皇毅「そういうことだ。たとえ紅家の出だろうと、今ここにいるお前は一官吏。十三姫の替わりはいないが、お前の替わりはいくらでもいる。身を呈して十三姫を守り、いざという時は身代わりとなって死ぬ覚悟でいろ」
秀麗「分かりました。でも死にません。死んでる暇なんてないんです」

秀麗が長官室を出た後。
皇毅「不満か?」
清雅「非常に不満ですね」
皇毅「しょうのない奴だ。が、例の別件はしっかりこなしてもらう」
清雅「分かってます。片手間で出来ますよ、あんなの」

回廊を歩きながら。
秀麗「そうよ、大人しく死んでる暇なんてどこにもないのよ。頑張るわよ」
ふと立ち止まり。
秀麗「劉輝の、新しい妃を守るための替え玉、か……劉輝が聞いたら何て思うだろう」



吏部侍郎室。仕事の真っ最中。
絳攸「本当に、妹を王の嫁にやるつもりなのか? あの常春頭、どうするつもりなんだ!」
楊修「気になるなら、王のとこでもどこでも出かければいいじゃないですか。朝廷で何て言われてるか分かってます?」
絳攸「分かってる。だがこんなんじゃどこにも行きようがあるか!!」
部屋は書類と書簡の山。
楊修「まあ、そうですね。悠舜殿が王にばかりかまけるのが面白くないのか、あなたを王のところへ行かせたくないのか…どっちもかもしれませんが」
大量の書類を絳攸の前に置いて、楊修は去っていく。
絳攸「……俺は黎深様、紅家に縛られ動けない。あいつは藍家に縛られ…藍家の名に高い誇りを抱いてきたあの男なら、なおさら……」
(むー、悩める絳攸も素敵だわ)



府庫。
リオウが書類を読んでいると、劉輝がやってきた。
劉輝「リオウ」
リオウ「何だよ。今仕事中」
劉輝「ちょっと、そなたの頭を借りるぞ」
劉輝はリオウの前に座って。
劉輝「藍家の姫を拒絶したらどうなる」
リオウ「臣下の心は離れる。滅多に譲歩しない藍家の、せっかくの申し出をあんたが蹴った形になるからな」
劉輝「はあ…しかも余は、一夫一婦制を主張してしまったのだ」
リオウ「これ以上ないにくい演出だな。ずっとあなただけ待って結婚しませんでしたってやつ。理想の結婚だ」
劉輝「はあ…」
リオウ「俺にはわからないが、愛ってのはそんなに大事か?」
劉輝「ものすごく大事だ! 世界で一番大事だ!」
リオウ「紅秀麗は、人生全部をあんたに捧げてるだろう。あんたのその他大勢の妾妃の一人になるより、替えの聞かない、たった一人の戦友でいたいって思ってるだけだろう。誰を敵に回しても、最後の一人になっても、あんたの味方でいることを選んだんだろ? それだけじゃ満足できないのか」
劉輝「!」
リオウ「あの女に何かしてもらうことに慣れすぎてるんじゃないのか? 誰だって限界がある。求めすぎれば、あの女だって潰れるぜ」
劉輝「……」

府庫を出ようとするリオウに。
悠舜「言いすぎですよ、リオウ君」
リオウ「間違ってるか?」
悠舜「間違っていないなら、何を言っても許されますか」
リオウ「そうだな…」
府庫に入ろうとする悠舜に。
リオウ「おい、あんた」
悠舜「はい?」
リオウ「あんまりぼさっとしてると、本当に殺されるぞ。王と違って、あんたの替えはきくんだ」
悠舜「おや、死相でも出ておりますか?」
リオウ「!」
悠舜「人はいつか死ぬものです。それが遅くても早くても。本当はたいした違いはないんですよ」



秀麗はタンタンと一緒に馬車で仕事に向かっていた。
蘇芳「なあ、いいのかよ。長官に言われた例の仕事。準備とかいろいろあんだろ?」
秀麗「だからその前に、できることはなるべく片付けておきたいと思って」
その時、悲鳴が聞こえた。秀麗が外を見ると。
女性「泥棒!」
ひったくりがあったらしい。
秀麗は馬車を降りて、ひったくりの前をふさいだ。
秀麗「待ちなさい!」
だがその目の前に入り込んだ誰かがいた。
その誰かは引ったくりを投げ飛ばし、腕をひねり上げた。
「折られたくなければ、取ったものをとっとと出しなさい!」
呆然としている秀麗。その人は引ったくりの首を一撃し、引ったくりは気絶。
「ふん、あたしの前で引ったくりなんて、運が悪かったわね」
引ったくりをひっくり返し。
「さって、お金お金~。そろそろ路銀が尽きてきたところだったのよね~」
秀麗「ちょ、ちょっとあなた」
「へ? あら、その格好は官吏さん? 来るの早っ!じゃなかった、引ったくりの追いはぎなんてしてません。つい癖で…違った、もちろん警吏に引き渡して、えへへへ」
やっつけたのは秀麗と同じ年頃の少女。
引ったくりは連行されていった。

少女は秀麗を見て。
少女「もしかして、噂の紅秀麗さんかしら」
秀麗「え? はい、どんな噂か存じませんが、そうです」
少女は突然秀麗の手を取り。
秀麗「あ、あの」
少女「迷わず引ったくりの前に出るなんて勇気があるわねぇ。なかなかできることじゃないわ。思ったとおりの女の子ね。じゃ、またあとでお会いしましょう」
と、立ち去ろうとした少女が持っていた財布を、秀麗はがっしとつかみ。
二人は無言で取り合いになるが。
秀麗「よく分かりませんが、これもお返しください。引ったくりの財布でも、追いはぎは駄目です」
少女は諦めて財布を手放した。
少女「はーい。ごめんなさい」
謝った少女の前に、立派な馬がやってきて。
少女はそれに乗って。
少女「ひったくられた女の人に、今度から気をつけるように忠告しといてね。それじゃ」
それを見送っている秀麗に。
蘇芳「あれ、女の子?」
秀麗「そう。すごかったわねぇ」
蘇芳「…(ボソッと)あんたほどじゃないと思うけど」



藍家の貴陽邸。
出かけようとしていた楸瑛を、静蘭が待っていた。
静蘭「お出かけですか、藍将軍」
楸瑛「妹を迎えに出る。で、用件は」
静蘭「さすがに花菖蒲の剣は持っていないようですね。安心しました」
楸瑛「……」
静蘭「どちらを選びますか? 藍将軍。
藍家はことあれど、ただ知らぬ振りを決め込むだけです。
第二公子流罪の時も、王位争いの時も、紅藍両家が何もしなかったように…
忠義面をして、いざという時主上のために働けませんでは、困りますからね。
私ならそんな臣下は切り捨てますが、無自覚な分、味方の振りをされるよりよほどたちが悪い。
主上は、あなたが藍家をとってもいいとおっしゃる。
私にはとても言えない言葉です。けれど」
静蘭は干將を鞘ごと楸瑛に突きつける。
静蘭「私は主上ほど甘くはありません。あなたが藍家を選ぶなら別にそれで構いません。早々に藍州へお帰りください。花菖蒲の名誉も、かりそめの忠誠もすべて返上して」
楸瑛「……」

その時。
「そうお兄様をいじめないでやってくれる?」

一人の旅姿の少女が、部屋の扉を開けた。

楸瑛「…十三姫、か…」
静蘭「…!」


次回予告:
藍家のお姫様、十三姫。どんな方なのかしら。
劉輝の奥さんになるために送り込まれてくるのよね。
考え込んでる場合じゃないわ。私は私の仕事をするだけよ。
(第29話は「遠ざかるほど想いが募る」です)









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