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彩雲国物語 小説、アニメ、ドラマCD、応募者特典情報サイトトップ >彩雲国物語(アニメ) 第2シーズン >>彩雲国物語 第2シーズン 第二十三話 泣き面に蜂

彩雲国物語 第2シーズン 第二十三話 泣き面に蜂

アニメ「彩雲国物語」を文章で見たい!という方のために。
(管理人のツッコミつき)


『』=モノローグ
ナレ:=ナレーション

キャストについては、公式HPを参照のこと

★第23話は桃色草紙所有疑惑!?の話です★
藍家の三つ子が初登場です。






※この回から、オープニングが一部変わりました。
タンタン、清雅、十三姫、司馬迅、珠翠、縹瑠花、黒狼ヴァージョンの邵可が追加されています。



ナレ(邵可):
水の都と言われる藍州に、その広大な城はあった。
縦横に堀や水路を張り巡らし、空から一望すれば、まるで水に浮いた城のごとく見えることから、湖と海の城、湖海城と呼ばれていた。



その、湖海城。
「で、末っ子からの文は?」
「世の中が宙返りしたような気分を味わったと書いてある」
「十八年生きてきて、やっと心の友其の一其の二が出来たのだからな。龍蓮もよほど嬉しいと見える」
「楸瑛もたまには帰ってくればいいのにな。玉華と一緒にずっと待っているのに」
(だから帰ってこないのよ…とは原作からの受け売り)



ナレ(邵可):
藍楸瑛、藍龍蓮の兄であるこの三つ子こそ、三人そろって名門、藍家の当主である。



「そろそろ帰らせればいい」
「いいね、あの王に楸瑛はもったいない」
「どうせそろそろ、自分が王に本当の忠誠を誓ってなかったとか、くだらないことで悩み始めるころだろうし」
「ねえ雪那、そうしよ」
「雪那だって、楸瑛をずっと王の側においとくつもりなんか、さらさらなかったろ」
「そうだね。そろそろ楸瑛も遊学を終えて、うちに帰ってもいい頃だね」

(タイトル)

ナレ(邵可):
そのころ、ここ王都貴陽では朝議が開かれていた。



ただいま朝議中。
旺季「私から一つ、提案があります」
どよめく高官たち。旺季は立ち上がり。
旺季「現在冗官の位にある官吏の、一斉退官を提案いたします」
劉輝「…!」

劉輝『な、何か言わなくては』

ふわりと空気がそよぎ、焦る劉輝の髪を揺らす。
悠舜の扇が劉輝を安心させるように、穏やかにあおがれて。
悠舜「旺季殿のご意見には、一理あります」
劉輝は霄大師をにらみつけ。

劉輝『少しは助けたらどうだくそじじい! 目を開けて寝ているのか、給料泥棒!』

だが霄大師はそんな劉輝を見返し。

霄大師『ふん、ケツの青いこわっぱめ。ホケホケしとるからこういうことになるんじゃい』
(原作では紙つぶての投げ合いが繰り広げられています)

悔しそうな劉輝。

悠舜「しかし、すべての冗官が無能というわけでもないはずです。期間を区切って査定をし、使える者は残してからの方がよろしいのではないかと存じます」
旺季「当然ですな。冗官の中でも特に何の役にもたたぬ者を選びだし、切り捨てるべきです」
悠舜「期限はひと月。それまでにある程度の結果を出せなかった者はそれなりの措置を取るということで、よろしいですか」
旺季「結構。それともう一つ」
安堵のため息をついた劉輝だったが。
旺季「国にとって重要な生産物である茶、鉄、そして塩において引き締めを図るため、専任の官位を設けることを提案いたします」
劉輝「うむ、それは」
悠舜「そちらは少々、保留ということにさせてください。後日、必ず議案に取り上げます」



府庫。落ち込んでいる劉輝。
劉輝「すまぬ! 余がホケホケしていたから」
悠舜「たまにはホケホケいたしませんと、疲れてしまいますよ」
劉輝「余は、頑張らなくては」
悠舜「王が完璧である必要はありませんし、不可能です。そこを補うために、私たち家臣がいるのです」
劉輝「うん…」
悠舜「ただ、私を始め、誰かが主上をいさめた時は、よくお話を聞いてください。相手が官吏でも、道端で遊ぶ子供の言葉でも同じように」
劉輝「うん」
悠舜「甘い言葉は耳半分で、厳しい言葉は民草の声とお思いください。私からのお願いはそれだけです」
劉輝「悠舜殿は、余に甘い言葉しか言わない気がする」
悠舜「では、それも耳半分でお聞きください。そうすれば、私が本気で怒る事もないでしょう」
劉輝「え?……はい」
悠舜「実際主上はちょっと抜けているくらいでちょうどいいと思います。相手もうっかり気を抜いて、隙を見せてくれますから」
劉輝「旺長官の提案した、茶、鉄、塩に関する案件のことか。余は妥当だと思ったのだが」
悠舜「では、なぜ私が反対するのか、お暇な時にちょっと考えてみてください」
劉輝「…分かった」
悠舜「官の整理の方は、私も考えておりましたからよいのですが…ただ気がかりなのは、秀麗殿ですね」
劉輝「秀麗なら、茶州の時と同じように頑張りとおせるはずだ。そうだろう?」
悠舜「……そうですね。そうあって欲しいと思います」



こちらは吏部尚書室。
(ただし仕事をしない黎深のせいでこんなにきれいな部屋ではないハズ)
絳攸「冗官一掃!?」
黎深「悠舜が帰って来て良かったな。お前とハナタレ王の掘った浅はかな穴を埋めてくれたぞ」
絳攸「しかし、朝廷の古だぬきたちを黙らせるためには、秀麗を冗官にするのがあの時の最善の策だと」
黎深「甘い。目先のことだけ見ているから、古だぬきどもに足をすくわれるんだ」
絳攸「う……」
黎深「もし秀麗がこの試練を乗り越えられなければ、あの子に解雇通知を出すのは私とお前の仕事なんだ。どこかの抜け作王のせいでな」
絳攸「……」
黎深「しばらく吏部で仕事だ。ハナタレ王の周りをうろうろする暇などないと思え。いいな」
絳攸「…はい」



夜。御史台。
長官室にいる男は徐に立ち上がり、窓を開ける。
突然、下から何かが飛んできた。受け取ると、それはりんご。
見下ろすと、窓の下に誰かが立っていた。
晏樹「御史台は忙しそうだね。皇毅、君仕事しすぎだよ」
皇毅「晏樹、お前はしなさすぎに見えるが」
晏樹はりんごをかじって。
晏樹「冗官の処分策、通ったってさ」
皇毅「使えない者はいらないからな」
晏樹「で、榛蘇芳君も切り捨てたのかい?」
皇毅「父親と一緒に極刑に処せば、他の者への見せしめになる。仕事上で使えないなら使えないで、官吏として、最後にそれくらいの役に立てればいいと思ったのだがな」
晏樹「頑張った紅家のお嬢さんに、連れ出されてしまったと聞いたけれど?」
皇毅「あれも使えない娘だ。目先のことにたやすく惑わされる。全く使えないかどうか、今回で分かるだろう。御史台を預かる者として、見せてもらう」
晏樹「あんまりいじめないようにね。相手は女の子なんだし」
皇毅「馬鹿を言え。自分から割り込んできて、ここでそんなふざけた言い訳がまかり通るか」
晏樹「そういうと思ったよ。じゃあ君が冷たい分、僕が優しくしてあげようかな」
(晏樹も皇毅も、なかなかのキャスティングですな。千葉氏は正直意外でした)



掲示板の前に群がる冗官たち。
秀麗は群れの後ろの方で飛び跳ねている。
秀麗「見えないじゃない」
そこへ。
蘇芳「官と人員の整理により、職務についていない冗官のうち右の者、ひと月のうちに一斉免職に処す」
秀麗「タンタン!」
蘇芳「ほーらな」
秀麗「へ?」
蘇芳「人生甘くねーだろ。しっかり書いてあるねぇ。俺の名前もあんたのも」
秀麗「何のんきに構えてんのよ。このままクビになってもいいの?」
蘇芳「いいも何も、もう決定ってこったろ?」
秀麗「いい? 猶予がひと月、普通にクビなら、今月末が常道だっていうのに、この中途半端な猶予期間。しかも理由は明瞭完結に、単なる人員整理ってことだけ」
蘇芳「何かの様子見っぽいってことか?」
秀麗「そう、しかも職務についていない冗官て書いてあるんだから、どこの部署でもいいわ。ひと月で自分使えますってとこをガンガン売り込んで拾ってもらえばいいのよ。そうすれば解雇は出来ないはずだわ。官吏はまだ人手不足のはずだし」
蘇芳「なんか、超都合いい考えしてねぇ?」
秀麗「都合よく考えて頑張んないでどうするの? しょんぼりうなだれて引き下がる余裕なんか、私とあなたにはないでしょう? 手柄立ててお父様助けるんでしょう?」
そんな秀麗の耳に、冗官たちの言葉が飛び込んできた。
「ま、親に言えば何とかしてくれるよねー」
「はあ~あ、早起きしたから眠いよ」
「帰って父上に文書こう」
「そうだね、帰ろう」
ぞろぞろ帰っていく彼らに、秀麗は思わず声をかける。
秀麗「ちょっと、いいんですか? クビになっちゃうかもしれないんですよ?」
冗官「あれ、あんたのせいじゃないの?」
秀麗「は?」
冗官「今までこんなことなかったもんな」
冗官「とばっちりで俺らまで退官させられるなんて、とんだ迷惑」
キレた秀麗。
秀麗「この解雇通知は当たり前だと思うわよ! 普通ないわよこんな職場! ちんたら何もしないで養ってくれるとこなんて、クビきられたって当然ってもんよ。しかも私たちのお給料は税金なのよ! け・つ・ぜ・い! 皆汗水たらして一生懸命働いて収めてるお金を、働かないでネコババして、とんだ迷惑なのはあなたたちじゃなくて納税者! ちゃんと働きますってとこ見せて、何とかするしかないじゃないの!」
(今の日本の政治家に言ってやれ!)
その時、一人の青年が口を挟んだ。
「そうですね。僕もそう思います。ここに書いてある名前を見ると、皆さん見放されて足きりされたと考えるのが、妥当だと思いますけど」
(この青年が実はクセ者なのです)
冗官「ど、どういうこと?」
「同じ冗官でも、中位以上の貴族の名前は見えないですから、上層部ですでに話がついているんでしょう。多分親に言っても、もうとりなしは不可能でしょうねぇ」
どよめく冗官たち。
「親に言えば何とかなると思ってた」
「僕も。官位買ってくれたの親だし」
「まだ朝廷でいい伝手つかんでないのに、このまま追い返されたら勘当だよ」
呆然としている秀麗の頭をこつんと叩いて。
蘇芳「絶望してるだろ? 紅秀麗。でも、あんなもんだと思うぜ?」
秀麗「それにしたって普通じゃないわ」
蘇芳「けどなあ、朝廷は全うな理屈とか感情なんて、通じない場所なんだよなぁ」
蘇芳は秀麗をちらりと見下ろし。

蘇芳『そういうこと、誰かこいつに言ってやるやついなかったんかなぁ』

秀麗「…どうしたの?」
蘇芳「いなかったんだろうなぁ」
その時、一人の冗官が。
冗官「ひと月で何とかすれば、任官できるかもしれないって、言ってましたよね」
(この冗官も実はクセ者なのです)
秀麗「え? あ、はい」
冗官「私、どうしても残りたいんです」
秀麗「あの、まさか、私に何とかしてもらいたいとか言うんじゃ…」
冗官「一人じゃ、何をどうしていいかわからないんです」
秀麗「あ、あの…私だってがけっぷちなのは同じなんですけど」
冗官はいきなり秀麗の前に膝をつき。
冗官「お願いします!」
すると他の冗官たちも。
「お願いします!」
秀麗「ええ!?」



劉輝の執務室。
劉輝「楸瑛…楸瑛」
楸瑛「…あ、はい」
劉輝「どうしたのだ? また珠翠に小言でも言われたのか?」
楸瑛「珠、珠翠殿が、何か」
劉輝「しょっちゅうそなたへの苦情を言われるぞ。後宮を妓楼と勘違いするなーとか、追い払っても追い払っても沸いて出てくるボウフラだとか」
楸瑛「それは……申し訳、ありません」
劉輝「いや、こんな話、絳攸が聞いたらなんというだろう。きっと大きな声でそなたをしかりつけるだろうな」

(想像図)
絳攸「常春頭がー!!」
(その手にはなぜかホウキ)

楸瑛「絳攸がいないとどうも静かで調子が狂いますねぇ」
劉輝「んー、ひと月ほどは吏部も忙しいから、仕方ないが」
楸瑛「私がお側を離れても、寂しいですか?」
劉輝は真顔で。
劉輝「…もちろんだ」
楸瑛「……ありがとうございます、主上」
劉輝はおもむろに立ち上がり。
劉輝「楸瑛、団子を食べよう」
楸瑛「は?」
劉輝「悠舜殿の奥方が差し入れてくれたのだ。で、碁を打とう」
楸瑛「はあ…」
劉輝「そなたが勝ったら、ちょっとだけ休みをやる。ちょっとだけだぞ? いっておくが、余は多分そんなに弱くないぞ」
楸瑛「私は多分強いですよ」
劉輝「おおー、いったな?」

二人は碁盤の前に座る。
楸瑛は団子を手に。
楸瑛「歳の順から言えば、上から私、絳攸、主上でしょうかねぇ」
劉輝「いや、余は真ん中だ。上から楸瑛、余、絳攸だ」
と言って、一番上の団子にかぶりつく。
楸瑛「あ、私を頭からかじりましたね」
劉輝「これから対戦するのだから、挑戦状くらい叩き付けないといかん!」
楸瑛「(苦笑)では、やりましょうか」
劉輝「おう」



そのころ秀麗は、冗官室に向かっていたのだが。
秀麗「ね、ねえ、タンタン、何か後ろ振り向くの、怖いんだけど」
蘇芳「ああ」
秀麗はちらりと振り返ってみる。
すると後ろには冗官たちがぞろぞろとついてくるのが見える。
秀麗「はあ…」
蘇芳「ほっとけって。別に君、あいつらの保護者でも監督係でもなんでもないだろ?」
「僕もそう思いますよ」
秀麗・蘇芳「??」
振り返ると、先ほどの青年が。
秀麗「えと、あの…」
青年→清雅「申し遅れました。陸清雅といいます」
右腕に、銀の腕輪。
秀麗「はあ」
清雅「僕もあまり気にしなくていいと思いますけどね。彼らはそれぞれ故郷に帰れば、それなりのお金持ちですから」
蘇芳「てことは君、自分は何とかできるって思ってるわけ?」
清雅「はい、僕は仕事上のことで、上司に一時的に冗官に落とされただけなんです」
秀麗「そうなんですか」
清雅「問題は…」
清雅は冗官たちを振り返る。
蘇芳は秀麗の髪を引っ張って。
蘇芳「んな余裕ないだろ」
秀麗「もちろん自分のことだって何とかするけど、ついでに何とかできそうなら、何とかしたいわ」
清雅「噂どおりの方ですね。何かするおつもりなら、お手伝いしますが」
蘇芳「あー、余計な事言ってあおらないでくれるかな」
秀麗「せっかくのご好意を勝手にお断りしないでちょうだい」
蘇芳「余計なお世話っていうの、こういうのは。ただで出されたもん、何でもかんでもほいほい受け取るなよ。貧乏だからってさ。自分の人生で手一杯だってのに、何だってわざわざ人ごとまで背負い込もうと思うのかなー」
秀麗「…タンタン」
秀麗はおっそろしい顔で蘇芳をにらみつけるが、あっさりと無視されてしまう。
冗官たちはというと、ぐだぐだと回廊に座り込んでいる。
再びキレた秀麗!
秀麗「しゃきしゃき立つ! ここは家でも遊び場でもなく、職場です! 最終的にクビを回避できるかどうかは、あなた方次第です。クビがいやなら自分で職をもぎ取るの! 分かったわね! さあ、さっさと動いて!」
そんな秀麗を見ながら。
清雅「あなたの言葉、彼女はちゃんと聞くんですね。なかなかやるじゃないですか、蘇芳さん?」
蘇芳「…?」
秀麗「行きましょう、タンタン」



たどり着いた冗官室はあまりにも汚くて。
秀麗「な、何この部屋。これが冗官用の部屋?」
顔が引きつっていた秀麗だが、ふと落ちていた本を拾い上げる。
秀麗「一応、本もあったりするのね」
清雅「あ」
蘇芳もそれに気づく。
蘇芳「あ」
秀麗「ぬあ!!」
その本には半裸の女性の絵が…
秀麗「こ、これって」
蘇芳「桃色草紙。見たことないの?」
秀麗「あるわけないでしょ!」
思わず額を押さえる清雅。
蘇芳「男なんて皆、そんなもんだよ。あんたんちの、あのやたら美形の家人だってな、こういう本、絶対寝台裏とか衣装箱の奥に隠してるに決まってんの」
秀麗「せ、静蘭は違うわよ! そんなやらしい本なんか持ってないわよ! そんなお金があったら食費に入れてくれるもん……多分」
蘇芳「絶対持ってるよなー。清雅君も持ってるだろ?」
清雅「え? あ、いや、あの…持ってませんよ」
蘇芳「嘘つけ。こういうことは、早めに現実を教えておくべきなの。女が男に変な夢見るから、振られる男が増えて」
秀麗「桃色草紙ことなんかどうでもいいの! ここは職場なのよ! 掃除よ! 掃除!」
ぶーぶー、文句を言い出した冗官たちに。
秀麗「やるのよ!」
その迫力に、思わず黙る冗官たち。



きれいになった冗官室。
「終わりましたね」
「同じ部屋とは思えないよなー」
秀麗は積み上げた本(多分全部桃色草紙?)をにらみつけて。
秀麗「なに、この量。信じられない」
蘇芳「君さ、そういうとこは、子供っぽくて普通の女の子に見えるよ。可愛いとこあるね」
秀麗は蘇芳をキッとにらんで。
秀麗「ちょっとだけ休憩」
部屋を出ようとする秀麗に。
蘇芳「君は?」
秀麗「これ、片付けてくるわ」
水桶を手に出て行く秀麗。それを見送って。
蘇芳「根本的に男を危険人物と認識してない節があるんだよなー。間違いなく、原因はあいつだろうなー」
(そうですあの「腹黒王子」のせいなんです)



水桶を持って廊下を歩いていると、絳攸(なぜか仁王立ち)がたたずんでいるのを見かけた秀麗。
秀麗「絳攸様…また迷ってるのかしら」
声をかける秀麗。
秀麗「絳攸様」
絳攸は秀麗に気づき、彼女を見下ろした。
秀麗「吏部までお供いたしましょうか」
絳攸「いや」
絳攸は一歩踏み出し。
絳攸「今回の件、落ち度は俺にある。悪かった」
秀麗「どうしてですか? 実に納得のいく合理的な処分だと思いますけど」
絳攸「…」
秀麗「今までと同じように、やれることをやるだけですから」
絳攸「…吏部にくれば、こき使ってやる」
秀麗「ありがとうございます。あの、劉輝はまた変に落ち込んでませんか?」
絳攸「いや、俺もしばらく吏部につめることになっているから、分からん」
秀麗「じゃ、今頃寂しがっているでしょうね」



その、劉輝。楸瑛と碁の対決をしていたが。
劉輝「ま、負けた…!」
突っ伏して悔しがる劉輝。
楸瑛「思わず本気を出してしまいましたよ」
劉輝は団子を取り、一番上だけをひたすら食べる。
楸瑛「あ、主上、負けたからって団子の一番上だけ食べるのはよしてください。私へのあてつけですね」
劉輝はやけ食いをしていたが、突然ふふふと笑い出す。
楸瑛「なんですか?……主上」
劉輝「いや、分かっている。休みだろ? 負けたのだから仕方がない。ちょっとだけだからな」
楸瑛「…はい。ちょっとだけいただきます」



残った団子を一人で食べている劉輝。そこへ現れたのは。
劉輝「…静蘭」
静蘭「あなたは優しすぎますね」
劉輝「いや、失うのが怖いだけだ」
静蘭「側にいます。何があってもお側にいます。私と、お嬢様だけは必ず」
頷く劉輝。
静蘭「ところでその団子、余っているのなら持ち帰ってよろしいですか?」
劉輝「あ…いくらでもどうぞ」(←棒読み)
抜け目のない静蘭であった。
(この団子は次回第24話でも出てきます)



再び冗官室。
戻ってきた秀麗は、冗官室から聞こえてくる言葉に思わず足を止める。
「18歳か、いいよなー」
「旬だよな」「よく見りゃ可愛いよね」
「女の子がいるだけで、やる気になるよな」
ぷるぷると震えている秀麗に。
蘇芳「男ってのは、基本的にこういうもんなの」
秀麗「タンタン」
蘇芳「自分の物差しで計ってると、後で痛い目見ても知らないよ。あんたんちの家人みたいに、優しく守ってくれる男ばかりだと思ってたら、大間違いだぜ」
秀麗「…はい」
蘇芳「よし。ま、あいつら無害なほうだし。それに可愛いって言ってくれてるしさ」
そんなそばから。
「もうちょっと胸がでかければなー」
またもやキレる秀麗。
冗官室の扉をバン!と開けて。
秀麗「休憩は終わり! やるわよ!」
机に座って、 紙と筆を用意。
あきれたように見ている蘇芳。
秀麗「ここに並んで。一人ずつ、どこの部署に行きたいのか聞きます! クビになって実家に帰るか、朝廷に残れるかは、あなた方次第です!」

次回予告(秀麗):
ええい、みんな気合を入れなさい気合を!
早く職を見つけないとクビになっちゃうのよクビに!
力の限り駆け回りなさい! あー今日も日が暮れるー!

秀麗のおせっかいは、吉と出るか凶と出るか!?









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