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彩雲国物語 第2シーズン 第二十二話 獅子身中の虫

アニメ「彩雲国物語」を文章で見たい!という方のために。
(管理人のツッコミつき)


『』=モノローグ
ナレ:=ナレーション

キャストについては、公式HPを参照のこと

★第22話は一連の贋作・偽金事件が解決するお話です★






蘇芳の家にある離れ。
歌梨は小さな少年を抱きしめて。
歌梨「万里!」
万里「母上! もー遅いよ母上! あれだけ分かるように散々描いてたのにどうしてこんなに来るのが遅いの?」
歌梨「珀明の屋敷に行くというから、安心してたのよ」

(タイトル)

劉輝たちは部屋中にある絵を見回し。
劉輝「これ、まさか…あの小さな子が全部描いたのか」
楸瑛「ものすごい才能ですね」
歌梨「で、どうしてこんなところに閉じ込められるようなことになったの?」
万里「珀明叔父上のお屋敷まで歩いていたら、知らないおじさんに、一緒に来たら好きなだけ絵の勉強をさせてくれるって言われて…(回想シーンが入ってます)僕もう嬉しくって……僕いくら頑張っても母上に追いつけないんだもん。絵がうまくならないと父上みたいに置いてかれちゃうもん」
歌梨「な、何をいうの? 別においていったわけじゃなくってよ。あの唐変木が私を追いかけるのが遅すぎるのよ」
楸瑛「追いかける? もしかしてあの…」

コウ娥楼の前で出会った、あの男??
※コウ娥楼の「コウ」は「女+亘」ですが、機種依存文字のためカタカナ表記しています。

劉輝と絳攸ににらまれている楸瑛。

万里「僕、母上みたいに絵を描きたかったんだ。母上のような絵を。うううん、僕は僕だけの、僕しかかけない絵を描きたいって思ったんだ。でもだんだん変だなって…お部屋には鍵がかかってるし、このお屋敷から外へ出してもらえないし」
歌梨「いいのよ、いいの。あなたは何も悪くなくってよ」
万里「僕、母上に気づいてもらいたくて、ちょっとずつ、絵に僕の書き方を入れてったんだ。僕に本物そっくりの絵を書かせて、何かよくないことしてるなって知ってたから…」
秀麗「じゃ、わざとそこまで知ってて?」
万里「うん。母上ならきっと分かるって」
秀麗「それで歌梨さんは、昨日から贋作の絵をかたっぱしから調べていたのね」
楸瑛「すごい勢いで町中走り回ってましたねぇ。猪のように」
劉輝・絳攸「うん…」
万里「ほんと!? そんなに探してくれてたの?」
歌梨「もちろんよ。だけど肝心の居場所が分からなくって。でもこの絵を見て、ああここだって確信したのよ」
(万里が描いた蘇芳の家の庭の絵。コウ娥楼の大旦那が買った絵です)
万里「ああ、これ僕が書いたんだ。窓から見えるここのお庭の絵」
楸瑛「それで植木屋と庭師の店だったのか」
歌梨「この絵と同じ庭のあるお屋敷を片っ端から聞いて回ったのよ。結構手間取ったけど、やっと見つけてよ」

絳攸「この会話からすると…」
劉輝「ああ。間違いない。まさかと思ったが碧幽谷は…」
秀麗「え?」
秀麗はふと、絵の隣になにか鋳型のようなものを見つける。
秀麗「!!」
秀麗はそれを手にし、劉輝たちの前に差し出す。
劉輝「これは!」
楸瑛「贋金の型」
蘇芳「?」
青ざめる歌梨。
歌梨「万里、まさかあなた、これを、彫ったの?」
万里「え? う、うん。気分転換にたまには彫り物でもしたら?て言われたから。母上、彫り物も上手だし、僕もちょっとやってみようかなって思っていくつか…一番いいのはどこかに持っていかれたけど……あの、えーと…」

絳攸「なんてことだ…」
蘇芳「なに? どうかした?」
秀麗「贋金鋳造は罪が重いの。子供であろうと誰であろうと、すべからく、死罪」
蘇芳「!」
絶望的な空気が漂う中、歌梨は言った。
歌梨「贋作作りもこの贋金の型を作ったのも、碧幽谷ですわ」
歌梨は劉輝を見て。
歌梨「全部碧幽谷がしたことです、主上」
劉輝・静蘭「!」
蘇芳「しゅ!?」
万里「え、母上、幽谷って僕じゃなくって母上の雅号」
歌梨「万里よくって? 私これからあなたを置いて、長い旅に出ることにしたわ。ひとまず珀明の家に預けるから、父様が来たら一緒に帰りなさい」
万里「なっ、なんで!? 僕が悪い人にさらわれちゃったから? それで怒ったの? ごめんなさい、もうしないから置いてかないで! 一緒にいさせて、母上ー!」

泣き出す万里を見て、劉輝は思わず、幼年時代の自分の姿を重ねる。

置いていかれる悲しみは、自分もよく知っている。

劉輝「…!」
だがその時、劉輝の右手を秀麗が、左手を静蘭が取った。

今の劉輝は、一人じゃない。

劉輝「大丈夫だ、離れ離れになることはない。これは試作品だったのだ」
歌梨「え?」
劉輝「余は、そろそろ偽造のしにくい新しい貨幣を作りたいと思って、天下に名高い碧幽谷を探していた。彫り物の才も、絵に引けを取らぬ腕前と知る者は少ない」
歌梨「…」
劉輝「余は、碧幽谷、そなたに貨幣の型作りを依頼した。そなたはそれを受けて製作を開始した。これはその試作品の一つだった。そうだな、碧幽谷殿」
歌梨「あなた…」
劉輝「そなたを探し回っていたのは、本当にそのためだったのだ。贋金が大々的に製造される前に、新貨幣切り替えの公布をしたかったのだ」
楸瑛「碧幽谷に彫り物の依頼をすれば、勘のいい者が気づく恐れがありますからね」
絳攸「表向きは肖像画の依頼ということにして、あなたを探していました」
劉輝「少々順番が狂ったが、どうだろう」
歌梨「……引き受けざるを得ないわね。いいえ、素直にお礼を言うわ。ありがとう」
万里「母上、置いてかないで」
歌梨「万里……面白い顔だわ、後で描いてあげてよ」
万里「え!? ひどいよ母上、僕までネタにするんだー!」
歌梨「ほほほ、私にとって絵を描くことは生きることそのものだもの、当然だわ」
万里「いつだって僕より仕事が大事なんだー!」
歌梨「子供って見ていて飽きないから不思議ね」

絳攸「ひどい…」
秀麗「でも息子さん泣き止んだわ」

と、その時。
淵西「なっ、なんだ!? 誰だ勝手に!」
蘇芳「あー親父」
淵西「蘇芳、何だこれは」
蘇芳「親父のささやかな金儲けがばれちゃったってこと」
秀麗「え?」
蘇芳「贋作を売っていた画商も今頃、碧珀明の屋敷でとっつかまってると思うよ。夕方帰った時、この子に描かせた絵、碧珀明が欲しがってるって嘘ついて、すごい収集家だって言ったら、すっとんでいったよ」
淵西「なんだと!?」

秀麗『どういうこと?…これって、タンタンのお父様がすべて…だとしたら、私…』

秀麗「タンタン」
蘇芳「? ああ、気づいたのは贋作ちゃんと見た時。親父、俺に似てマヌケだからさ、あの贋作の本物、得意げに家に飾ってたわけ。君言ったじゃん、贋作の本物持ってるのが一番怪しいってさ。ちなみに親父って、この間まで翰林院図画局にいたんだよね。秘蔵の絵紛失させたからってクビになったけど、今思えば、家に持ち帰って贋作描かせてたんだよな」
淵西「蘇芳、お前」
蘇芳「これが礼だよ、紅秀麗。上申書の替わりにこの件を詳細に書いて朝廷に出せば、謹慎処分もちょっとは早く解けるかもだぜ」
秀麗「タンタン…」
蘇芳「でもなあ、贋金の件は親父、マジで知らなかったと思うんだよな」
淵西「贋金?」
蘇芳「親父、肝が小さいからそこまではやれないと思うんだけどな。だって見つかったら…」
秀麗「…死罪…」
蘇芳「…ちょっとそこまではな…」
淵西「え? え? 贋金? 私は知らないぞ!」
蘇芳「知らなかったじゃ済まないよな。多分、利用されただけだと思うんだけど」
秀麗「利用された?」
蘇芳「あんたに求婚しろってどっかの偉い人から言われたって時、親父は素直に金と爵位~って喜んでたけど、俺はあーなんかやばそうって思ったもん」
秀麗「どっかの偉い人…」
蘇芳「誰だかはわからないし、多分親父も知らないだろうけど、君をうまく退官に追い込むための偽装結婚さ。うまくいってもいかなくても、多分俺も親父も切り捨てられるんだろうなって」
秀麗「そこまで分かってて、なぜ」
蘇芳「だって、ただの勘だもん。で、そんなこんなするうちに、贋金と贋作だろ? もう出来すぎ。だからこれは俺が勝手に幕を引いただけ。どうせ遅かれ早かれだっただろ?」
秀麗は思わず劉輝たちを振り返った。
劉輝「絳攸、何とかなると思うか」
絳攸「そうだな、主上の権限で独自確保して、本当の背後関係を明らかに出来れば」
蘇芳「んーとそれ多分、無駄だと思うよ。だってさ、ほら」
外から足音が聞こえてくる。

劉輝たちは外に出て。
劉輝「何事だ、これは」
兵は劉輝を見て驚くが。
兵「主上! 御史台より命が下り、捕縛権が発動されました。贋作製造及び贋金鋳造の罪により、榛淵西および榛蘇芳の身柄を速やかに拘束せよ、とのことです」
蘇芳の前に兵が進み出て。
兵「榛蘇芳殿ですね」
蘇芳「ああ」
兵「では失礼」
蘇芳「え……おい、あいててて」
蘇芳が身につけていたタヌキ軍団が、剥ぎ取られていく。
兵「命により、賠償金の一部として押収します」
蘇芳「え? なんで?……! もしかして、あの怪しい露天商、監察御史だったのかよ!」
自分たちをつけていた気配を思い出す静蘭。

静蘭『そうか、あれも監察御史』

静蘭「押収品で賠償に当てられる財産がなるべく減らないように、タンタン君にわざと高額の宝飾品を売りつけていたのでしょう」
秀麗「え?」
兵「碧歌梨様、碧万里様は被害者として手厚く保護せよ、との命にございます」

秀麗『どうして…どうしてそんなことまで知ってるの?』

連れて行かれる面々。蘇芳も連れて行かれようとした時。
秀麗「待って! 罪の重さは?」
兵「贋金鋳造に関わったものは、死罪と決まっておりますので」
秀麗「!」
蘇芳「な、言っただろ? 世の中さ、そんな甘くねえって。罪は罪、君ならきっとそういうんだろうな。でも、今の君、何か普通に見える」
連れて行かれる蘇芳。



劉輝の執務室。
劉輝「やはり、凛殿のところへもあの晩、監察御史が」
悠舜「ええ。秀麗殿に頼まれて作成していた書簡を、全部持っていかれたそうです。秀麗殿の考えたものはすべて横取りする気で、先手を打ってきたという感じです」
劉輝「…そうか」
悠舜「それと、気がかりなのは、一番出来のいい贋金の型が見つかっていないことですね」
劉輝「うむ…」

そこへ、必死の形相で駆けつけ、部屋に入ってきたのは。
珀明「失礼します!」
劉輝たちの前で深々と頭を下げる珀明。
珀明「姉たちがご迷惑をお掛けして、大変申し訳ありませんでした!」
劉輝「いや、今回の件ではそなたにも何かと協力してもらった。むしろ礼を言う」
珀明「とんでもありません! あの、何か姉が、失礼なこと、言いませんでしたか?」
固まる劉輝・楸瑛・絳攸。

(劉輝・楸瑛・絳攸の回想)
歌梨「しっしっ! あっちへお行きなさい!」

三人「………」
珀明「や、やはり……申し訳ありません!!」
劉輝「まあいい、気にするな。ところで、歌梨殿はどうして余が王だと分かったのだ」
珀明「ああ、それは骨相です。姉は名家なら、顔を見ただけで、どの家とどの家の血を継いでいるか分かりますから」
劉輝「…すごいな」



牢屋。
一室でごろりと寝ている蘇芳のところに。
蘇芳「?」
秀麗「タンタン! 死んでない!?」
蘇芳は起き上がる。
蘇芳「はあ?」
静蘭が扉を開けて入ってきたのを見て思わず。
蘇芳「もしかして、牢破り!?」
静蘭「んなわけないでしょう! 正々堂々と手続きを踏み倒し……踏んで来たんですよ(にっこり)。お嬢様がとりあえず、君の無罪を立証しようと奔走しまして。父君はともかく、状況証拠しかなかった君のほうはゴリ押しが通って釈放です」
蘇芳「へえ~」
秀麗は蘇芳を見下ろし。
秀麗「タンタン…」
いきなり蘇芳の頬をぶにーっと引っ張る。
秀麗「タンタン! 何だってひと言も弁解しないのよ! バカ! 狸! タンタン! やってませんくらい言いなさいよ!」
蘇芳「だけどさあ、親父がしたことだしー」
秀麗「あなた、前の官位は剥奪されたけど、かろうじて冗官として残れたの」
蘇芳「ええ?」
静蘭「それで、父君が処刑される前に何か大手柄でも立てれば、恩赦が出て減刑される可能性はあります」
蘇芳「え」
秀麗「それから、自分のお屋敷に戻れるわよ、タンタン。賠償を碧家がいくらか肩代わりしてくれたの。万里君が頑張ったらしいわ。遊んであげてたんですって? タンタン」
蘇芳「……遊んだっつーか、話し相手になったっつーか…時々窓から顔出してめそめそ泣いてたから。そういや似顔絵も描いてもらったな」
静蘭「それはいずれ相当の値がつくかもしれませんよ」
秀麗「まあしばらくは、屋敷でのんびりしてたら? 寂しくなったら家に遊びに来てもいいわよ」
静蘭「そうですね、万里君の似顔絵を宿賃にくれたら、歓迎しますよ」
(黒い笑顔)

蘇芳『鬼だ、こいつ…』

秀麗「ほら、タンタンと一緒だと、静蘭も冗談なんか言えるくらいおしゃべりになるし」
蘇芳「やだよ。どうせまた引っ張りまわされて、おっかない家人にタケノコ投げつけられるんだ」
秀麗「何言ってるの、静蘭はそんなことしないわよ。ねえ」
静蘭「もちろんですお嬢様。何か悲しい誤解があるようですね」
蘇芳「あのさぁ…!!!」

静蘭の目がレーザービーム発射口のように光る!!
ついでに手もバキバキ鳴らさんばかり。

秀麗「? どうしたのタンタン」(秀麗には静蘭が見えてません)
蘇芳「ああ、うん、遊びに、行く、かも……」
(かわいそうなタンタン)



紅邵可邸。
秀麗「こないだの話の続き? 何だっけ」
三太「ほら、一緒に胡蝶さんのところに行った時」
秀麗「あああの時。申し込みとかなんとか」
三太は秀麗を見下ろし。
三太「秀麗、俺の嫁になってくれ」
秀麗はびっくりしていたが、穏やかに答える。
秀麗「ありがとう、三太」
三太「…でも、て言うんだろ?」
秀麗「……ねえ三太、こないだあんたに言われた言葉は、ものすごく真っ直ぐで何の飾りもなかったから、胸にグサッと来たわ」
三太「訂正しないぞ」
秀麗「分かってる。私も否定するつもりはないわ。正しいと思う」
三太「それでも官吏がいいって言うのか」
秀麗「私は、王の官吏でありたいの。今はただ、その道を歩き続けられるだけ歩きたいの。だから三太」
三太「いや、その先は聞かない。保留にさせておいてくれ」
秀麗「保留?」
三太「言うと卑怯だから言わなかったんだけど、俺、今日これから茶州にたつんだ」
秀麗「は? なんで」
三太「お前のせいでもあるんだぜ」
秀麗「え?」
三太「少し前、茶州府を通じて、医者たちから全商連に要請があったんだよ。消毒に適した酒を開発してくれる、若手研究員が欲しいって。お前が頷いたら、このまま邵可おじさんと静蘭に挨拶に行って、茶州に一緒に連れてくつもりだったんだけど、だめって言われそうだったら、このまま聞かなかった振りしてトンズラするつもりでわざわざ狙って来たってわけ」
秀麗「な、なんで」
三太「俺、そう簡単に諦めるつもりないし、お前にもっとつり合う男になったら帰ってくる」
秀麗「三太…」
三太「これお前にやる」
秀麗「なに」
三太「酒。俺が初めて作った。とっとくなよ。飲めよな」
秀麗「……ありがとう、三太」
三太「いっこだけ言わせろ。帰ってきたらいい加減慶張って呼べよ。じゃな」
(かっこいいぞ三太!)



三太が帰った後。
静蘭「驚きましたね。タンタン君よりよっぽど手ごわい求婚者ではありませんか」
秀麗「うん……ねえ静蘭、もし挨拶に行ったら、三太殴ってた?」
静蘭「当然ですね。半死半生にします」(さらりと)
秀麗「静蘭怒ったら怖いもんね。相手の人のためにも結婚しないほうが無難だわね」
静蘭「……お嬢様、昔の言葉を覚えていますか? 昔、『私は末は宰相になるから、静蘭は将軍になって王様のお尻をびしびし叩いて、二人で国を守るのよ! だから静蘭、頑張って出世するのよ!』…って」
(静蘭による秀麗の物まね……うまいです緑川氏)
秀麗「言った、かも……」(引きつってます)
静蘭「私はちょっと迷っていたんですけれど…なんか、こう…任せられないといいますか、見ていられないといいますか…」
秀麗「…え?」
静蘭「……もう少し出世してもいいかと考えまして」
秀麗、とても嬉しそうに。
秀麗「すぐにお野菜から、お肉主体の食卓に切り替えるわ! 家計簿見直して…あ、でも忙しくなってあまりご飯一緒にできないかしら」
静蘭「それは大丈夫です。お嬢様がお屋敷にいる時は絶対帰ってきます」
秀麗「本当?」
静蘭「なんだか予想以上にるんるんしてますね」
秀麗「だって、これでようやく私も父様もお荷物じゃなくって、静蘭と並んで歩けるもの!」
静蘭「……」



夜。邵可邸を訪れた劉輝、絳攸、楸瑛。
秀麗は三人を迎えて。
秀麗「いらっしゃい。待っててくれてありがとう」
劉輝「ん……桜が、咲いたそうだな」
秀麗「ええ、三つだけだけどね」
庭へと向かう二人を見送る楸瑛と絳攸。

秀麗は劉輝と一緒に、桜を見上げる。
劉輝「余は、謝れないのだ」
秀麗「ええ、その必要はないわ」
劉輝「謝れないが、必要があったら何度でも同じ事をするかもしれん」
秀麗「分かってる。それが、王様のお仕事だもの」
劉輝「……」
劉輝は、秀麗に向き直り。
劉輝「では、ここから先は紫劉輝だ」
秀麗「え?」

劉輝「私は王を知っている。言いたい事があるなら、伝えてやる」

秀麗「……!」

秀麗は一息置いて。
秀麗「分かったわ。じゃあこう伝えてちょうだい」
劉輝「ああ」

そして。

秀麗「こんちくしょー! 謹慎!? ふざけんなよー!!

それは楸瑛たちの耳にも届いていて。

劉輝「え…あ……」
秀麗「これでいいわ。全部帳消しよ(にっこり)。そう王様に伝えて」
劉輝「それだけでいいのか」
秀麗「ええ。それより約束してた茶州の野菜料理、作ってあるけど、食べるわよね」
劉輝「うわ! 食べる! からい大根は?」
秀麗「入れてないわよ」
劉輝「二胡は?」
秀麗「好きな曲弾いてあげるわ」
劉輝「散歩は?」
秀麗「この庭の中なら付き合ってあげる」
劉輝「嫁は?」
秀麗「約束した覚えはとんとないわね」(ばっさり)
劉輝、ふくれっ面。
笑い出す秀麗。
劉輝「な、何がおかしいのだ? 秀麗は意地悪なのだ!」

次回予告(秀麗):
大変、大変よタンタン、冗官はひと月以内に職を見つけないとクビになっちゃうわよ。
どうにかしないといけないわね。
なのになんで冗官の野郎どもは全くやる気がないのよ!

秀麗の声が、鼻声でした。お大事に。









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