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彩雲国物語 第1シーズン 第十八話 頭隠して尻隠さず

アニメ「彩雲国物語」を文章で見たい!という方のために。
(管理人のツッコミつき)


『』=モノローグ
ナレ:=ナレーション

地上波再放送(金曜深夜)にあわせてレビューしています
キャストについては、公式HPを参照のこと

★第18話は黎深の超わがままぶり発揮!&黄奇人の仮面がはずされるお話です★





朝議では高官たちが集まって大議論中。
「紅一族が仕事を停止したお陰で、城下の機能の半分が停止しております」
「いくら紅家とはいえ、やっていいことと悪いことがあります」
「そもそも原因はなんなのか、主上!」

劉輝「原因などすぐに分かるではないか。聞き知っておろうが、紅吏部尚書が拘束された」

「それは紅尚書が、紅秀麗進士の国試に不正に介入したとの疑いが…」

劉輝「藍家と並ぶ名門中の名門、紅家当主を、証拠もなく不当に拘束などすれば、紅尚書本人はもちろん、誇り高い紅一族が怒るのも道理」

どよめく室内。
「紅尚書が、紅家当主…?」
「彩七家の当主が、宮仕えをされていたとは」

劉輝は霄太師に視線を投げる。
劉輝「意外に高官の中でも知らぬ者が多かったようだな」
霄太師「かれこれ十四、五年前でしたかな、彼が跡目を継いだのは」

「あの男が、紅家当主…!」

うなだれている一人の高官。
それを見ながら絳攸は隣の楸瑛に聞く。
絳攸「秀麗は?」
楸瑛「静蘭がついている。心配するな」



コウ娥楼。
※コウ娥楼の「コウ」は「女+亘」ですが、機種依存文字のためカタカナ表記しています。
顔を洗っている秀麗。
静蘭「お嬢様、お出かけの前にこれを」
静蘭が持ってきたのは、胡蝶がくれた化粧箱。
静蘭「胡蝶さんの言いつけで、お屋敷から持ってきたんです。出かける用があるとかで、お見送りできないことを謝っておられました」
秀麗は化粧箱を開けた。
秀麗「前にね、胡蝶妓さんがくれたの」
一枚の紙が入っている。
それを読んだ秀麗。胡蝶の言葉を思い出す。

胡蝶『化粧は女の戦装束。戦に赴く時には、必ずしときな。
そうすれば、絶対に泣けない。泣いたら化粧が崩れる。
どんな薄化粧でも、そりゃみっともない顔になる。
だからどんなに辛くても、絶対泣かなくなるのさ』

秀麗「せっかく胡蝶妓さんにもらったのに、私、お化粧できなかった。男の人ばかりの政事の世界では、必要ないものだって思ったの」
静蘭「お嬢様…」
秀麗「間違ってたわ。お化粧しようがしまいが、私は変わらないのに。男の人と同じになるなんて、もともと無理なんだし、なるつもりもなかったのに。胡蝶妓さん…」
こんな時に、化粧箱をよこすなんて。
秀麗「お化粧していくわ。泣きたい時には来てくれって静蘭は言ってくれたけど、私は泣かない」
静蘭「分かりました。では私は、お嬢様が泣かないで済むように支えることにします」
秀麗「静蘭は、私の欲しい言葉がなんだってそういつも簡単に分かるの?」
にっこりと微笑む静蘭。
静蘭「さ、そろそろ出かけましょう」
(今回の静蘭=緑川氏は、ちょっと鼻声ですな)



朝廷では。
劉輝「疑惑とは、後見する紅進士の国試に、紅尚書が不正に介入したというものだったな。礼部の、蔡尚書」
ぎくり、となる蔡尚書。
劉輝「そなたは当初から、女性官吏登用に猛反対していたようだが」
蔡尚書「ほとんどの者が反対していたではありませんか。だいたいそれを言うなら、怪しいのはむしろ魯官吏ではありませんか。彼は紅進士にひどくあたっていた。きっと紅尚書にも恨みが」
劉輝「魯官吏は、女性官吏に反対などしていなかった。それに紅尚書に恨みがあるどころか、彼は珍しくも、紅尚書のお気に入りだ。それにそなたは、進士の一部が不当に酷使されていたことを知っていたのに、配下を止めなかったのか?」
蔡尚書「いやそれは、いつものことだと聞いております」
劉輝「そう、いつものことだ。魯官吏が将来有望な者に特別に目をかけるのは」
蔡尚書「!!」



離宮では黎深が自発的軟禁中。
しかものんびりと茶を飲んでいる。
黎深「あなたは私が相手でも全く容赦がなかった。鼻柱を叩き折られましたよ」
魯官吏「折れるほどもろい鼻柱ではございますまい。それより紅尚書、いつまでここに…」
黎深「魯官吏、どうぞお茶を」
魯官吏「早く朝議へ行ってください。私と一緒なら行くとおっしゃったから来たのです。今城下城内がどうなっているか」
黎深「知ったことではありませんね。大体玉座に座っているあのハナ垂れ小僧は、もっと世の中の苦労というものを知ったほうがいいんです」
魯官吏「あなたにだけは、言われたくないと思いますがねぇ」
(まったくだ)
黎深「座ってください。あなたとこんな風に過ごせる時はそうないのですから。お茶を。毒など入っておりませんので」
魯官吏はあきらめたように椅子についた。

黎深「もっとも、あなたが私に厩番を命じた時には、何度も抹殺しようかと思いましたが」
(ここの短い回想シーンはぜひDVDなどでご確認ください)
魯官吏「そうでしょうな。私も何度殺気を感じたことか」
黎深「しなくてよかった。あなたの真意は後で分かる。
杜影月はあまりに若く、何の後ろ盾もない。
秀麗は若い上に女。
どちらも最初からなめられ潰しにかかられるのは目に見えていた。
あなたの厳しい指導は自分への自信と、朝廷勢力への抵抗力をつけるため。
そして進士がどれほど優秀かを見せ付け、上になめられないようにしてくれる。
厠掃除や靴磨きという雑用も、官吏たちの真実を見聞きするのに最適だ。
朝廷最高官たちはあなたがどれだけ仕事を振っているかで、有能な人材か否かを判断する」
魯官吏「買い被りです」
黎深「いえ、私や奇人に一言言えばいくらだって昇進させられるのに」

魯官吏「私は今のままで満足です。
私のような者も朝廷には必要だと、先王陛下は直々に頭をお下げになりました。
そして今また、そのご子息が私に全てを任せるとおっしゃってくださった。
今年は未来に期待が出来そうな年です。
年若い進士たちは助け合う心を知っております。
この先、彼らが朝廷を支えてゆくなら、現王陛下の御世は安泰でありましょう。
ご即位初めから、幸せな方です」

黎深「あなたのような方がいらっしゃることこそ、何よりの幸せ。毎日こっそり置かれている菓子やら肉まんやらお茶やら運び手が、あなただと知った時は仰天しました。どうやら今もあの習慣は変わっていないようですね」
魯官吏「あなたは、なんだこのちんけな饅頭は!とぷりぷり怒っておられた」
黎深「でも食べましたよ。あなたはいつも何も言わない。私から見れば貧乏くじばかりの人生ですよ」
魯官吏「…ほっといてください」
黎深「主上も長年のあなたの恩に報いるつもりでいます」
魯官吏「??」
黎深「これからずっと私と一緒に朝議に出てくださるのでしょう?」
魯官吏は思わず立ち上がった。
魯官吏「わ、私は今の地位で十分満足…」
黎深「あなたが行かなければ私も行きません。もしそれで今度城下が全機能停止になったら、あなたのことだから良心がうずくのではありませんか?」
魯官吏「きょ、脅迫するおつもりですか」
黎深「そんなにお嫌ですか…確かに主上にあなたはもったいない。ああそうだ、我が家へ来て家令になりませんか。そうだそれがいい」
魯官吏「!……一緒に、朝議に参ります」
黎深「そうですか…それは残念」
(どっちなんだよっ)
黎深はやっと立ち上がった。
黎深「では、お約束どおりそろそろ参りましょうか」
まったくもう…という表情であとに続く魯官吏。



城へ向かって街道を走っている秀麗と静蘭。
後ろからなにやらごろつきたちが追ってくる。
秀麗「劉輝が言ったとおり、やっぱり簡単には行かせてもらえないみたいね」
静蘭「大丈夫ですか」
秀麗「これくらいで私をとめられると思ったら、大間違いよ!」



朝廷。
劉輝「さて、話は変わるが……黄尚書」
黄奇人が立ち上がる。
黄尚書「数年前より、礼部からは予算の増額を求められてきました。
けれども礼部にそれほどの出費がかかるとは思えません。
そこで全面見直しを図った結果、無駄な出費というよりも、
首をかしげる項目の出費が非常に多いことが分かりました。
また、毎年国試及第者のために礼部が無償で郷里報告の早馬を飛ばしております」
高官「それが何か」
黄尚書「ええ。今年も杜影月が俸禄銀80両を丸ごと送ったそうですが、彼の郷里には一両も届いていなかったそうです」
高官「どういうことだ」
黄尚書「同様の訴えは数年前より何件も寄せられていました。
そこで、今年は早馬を出した礼部官のあとを密かに追いました。
さて、彼らは懐に金子を持ったまま、誰の屋敷に門をくぐったと思いますか」
蔡尚書「濡れ衣です!」
黄尚書「私はまだ誰とも申し上げておりませんが」

蔡尚書「ならば、私も言わせらもうぞ黄尚書。そなたこそその仮面は何だ。素顔も見せられないような男が、どうして最高官にまで登りつめられた!」

景侍郎がへんなこと言うなよとばかりに黄尚書をちらりと見る。
蔡尚書「どこの誰とも知らんものが仮面をかぶり、黄尚書になりますましているのではないか? やましいことがなければ今その仮面をとって、素顔を見せてみるといい!」

黄尚書「……ちまたのヘボ小説並みの展開ですね。いいでしょう、そこまでおっしゃるのなら取りましょう」

すると。
高官「やめてください! 私はもう妻子を裏切るわけには!」
高官「私の平穏な人生をかき乱すのはもうよしてください!」
そんな抗議に。

劉輝「なんだぁ? そんなにとんでもない顔なのか?」
絳攸「黎深様は、飛んでるカラスも気絶してばらばら落ちてくる顔だと…」
楸瑛「私が言うのもまるで説得力がないが、男は顔じゃない」

霄太師は大爆笑。
霄太師「それほどまでに言うのなら、面をはずしてみたらどうじゃ。ただし、全員後ろを向いて、蔡尚書だけに見せて差し上げると良いじゃろう」
劉輝「余も見ていいか?」
高官たち「いけません!!」
がっくりする劉輝。
霄太師「黄尚書の顔を知らぬ者も好奇心に負けて振り向かぬほうが良いぞ? 良くて向こう三年はまともに仕事が手につかず、悪ければ正気を失う」
黄尚書「この古狸が……さて…」



いまだに追われている秀麗と静蘭。
静蘭「お嬢様、そろそろ片をつけましょう」
秀麗「ここじゃだめ。みんなに迷惑がかかる」
秀麗は街道を外れる。その途中で。
柳晋「秀麗先生」
柳晋が秀麗を見かける。

二人は行き止まりの路地に入り込んでしまった。
追い詰められた二人。ごろつきたちが剣を抜く。
静蘭「すぐ済みます」
男「なんだとぉ!?」
鮮やかにばったばったと倒していく静蘭。
静蘭「急ぎましょう」
秀麗「ええ」
二人は一旦路地を出るが、八方塞になってしまった。
もはやこれまでかというその時、空から壷が降ってきて、男の一人に命中。
壷が降ってきたほうから声が。
柳晋「秀麗先生ー!」
秀麗「柳晋!」
同時に、町の人たちが思い思いの武器を持って、荷物を積んだ荷台で男たちを囲みこんだ。
男「な、なんだこいつらは」
町の人「俺たちの秀麗嬢ちゃんに、よくもこんな真似をしてくれたな」
町の人「今まで悪かったな秀麗ちゃん。官吏様ったら偉い人だろ? なのに俺たちなんかと付き合ってたら馬鹿にされて肩身の狭い思いさせちまうんじゃないかって…」
秀麗は人々の反応が変わった理由を知って、少し安心する。
柳晋「早く行きなよ。急いでんだろ?」
街の人「ここは俺たちが引き受けた!」
静蘭「行きましょう」
秀麗「ええ」
秀麗を追いかけようとした男たちを、柳晋や町の人たちがやっつける。

秀麗『ありがとう、柳晋。みんな…!』



宮城の門にたどり着いた秀麗と静蘭。だが。
門番「待て!」
秀麗「え?」
門番「ここはお前のような者が入れる場所ではない。とっとと帰れ!」
秀麗「ちょっと! 私はれっきとした進士よ!」
門番「知らんな」
秀麗「私、どうしてもお昼までに行かなきゃいけないの。お願い、通して!」
静蘭「お嬢様、ここは一つ殴っていきましょう」
静蘭が指を鳴らしたその時、門が開いた。
中から出てきたのは。
門番「おお、これは碧進士」
秀麗「珀明君」
珀明「どうせこんなこったろうと思ったから迎えに来た。名門なくせに貧乏なお前と違って、僕に甘い官吏は多いからな。つれてってやる。急げ」
秀麗「ありがとう。行こう、静蘭」
静蘭「はい」



朝廷では、まさに黄尚書の仮面がはずされようとしていた。
蔡尚書と霄太師以外は、全員反対方向を向いている。
霄太師「では、黄尚書」
(黄尚書の隣には、ホントに外すんですか?という顔の景侍郎)

黄尚書が仮面をはずす。
(このシーンもぜひDVDなどでご確認ください)
茫然自失の蔡尚書。

黄尚書の顔を見ようとそろりと首を動かす劉輝だが、宋太傅に押さえつけられて憮然。
黄尚書「お気に召しましたかな、蔡尚書」
目の焦点が合っていない蔡尚書。
景侍郎「ああやっぱり…鳳珠の絶世の美貌を見て、正気でいられるはずもない。いくら蔡尚書とはいえ、お気の毒。はあ…」
(原作では、絵にもかけないこの世のものとは思えない絶世の美形とのこと)
(アニメでも口しか映ってません)
黄尚書「あなたが、紅進士と紅黎深をはめた張本人ですね」
うなずく蔡尚書。
黄尚書「あなたは公金を横領し、昇進のためにさんざん裏金をばら撒いて、あげく自分の罪を魯官吏になすりつけようとしましたね」
首振り人形と化した蔡尚書。
黄尚書「これで証言も取れた」
そう言って仮面をつけた黄尚書に、異議を唱える景侍郎。
景侍郎「鳳珠、これって詐欺では」
黄尚書「全部真実だ。例の泥団子事件のバカどもからも証言を取った。何が詐欺だ」
景侍郎「そうなんですけど。なんだか詐欺のような気が…」
まだ正気に戻らない蔡尚書を景侍郎がちらりと見たその時。

「いいや、最初からこうすればよかったと思うよ」

紅黎深が到着した。
黎深「まったく、ここまで馬鹿とは思わなかった…」
黎深は蔡尚書の前で、ぱん、と手を叩いた。同時に、蔡尚書が正気に戻る。
蔡尚書「! こ、こ、紅尚書!」
黎深「さて、あなたは非常に面白いことをしてくださった」
蔡尚書「いいいいや、私がしたのではなく…」
黎深「百万が一そうでも私はあなたがしたと思っているので、事実は関係ありません」

思わず頭を抱える絳攸。
絳攸『無茶苦茶だ』

黎深「今後紅家ゆかりの場所には近寄らないほうが無難でしょう。手配書を回しましたからね。見つかったら最後、近くの川に重しをつけてドボンです」

楸瑛「この国で紅家の息のかからない場所などないというのに」

黎深「うちの一族は私同様怒ると手が付けられない上ひじょおぉお(非常)に執念深いので、100年たってもあなたの顔と名前は忘れませんよ」

劉輝「こ、こわい…」

蔡尚書「も、もう、こんなことは」
蔡尚書に耳打ちするかのように。
黎深「あいにく私は嫌いな男はとことん追い落とす主義なんです。数年前私の養い子を捨て子と馬鹿にした。あの時からあなたを許すつもりはさらさらなかった…」
(真殿氏演技最高!)
絳攸「??」
黎深「ああそうそう」
黎深は思いついたように蔡尚書の冠を取り、その下のカツラもとって、隠されていた品物を発見した。

劉輝「あんなところに隠していたのか!」
絳攸「頭隠して尻隠さずというが…」
楸瑛「頭すら隠せなかったな」

黎深はその指輪を手にして。
黎深「茶家当主を示す指輪、の偽物…」
蔡尚書「それは…」
黎深「なぜあなたがこんなものを持っているのか知りませんが、これを持って茶一族に助けを請おうとしても無駄ですよ。すでに手を回してあります」
蔡尚書「そんな…」
黎深「この私が一つでも退路を残すとお思いですか?」
がっくりと肩を落とす蔡尚書。
蔡尚書「…女など入ってくるから悪いんだ」
黎深「はあ?」
蔡尚書「女など入ってくるから悪いんだ!」

その言葉に。
絳攸「…遅いな」
楸瑛「必ず来る」



珀明の案内で、まだ走っている秀麗。
珀明「お前はこの僕を出し抜いて及第したんだ。女子供ってだけで馬鹿にする能無し官吏どもに、お前の実力を見せ付けて来い!」
秀麗「珀明君…」
と、目の前にまたもや兵士たちが立ちふさがる。
秀麗「また?」
静蘭は剣を抜いて。
静蘭「碧進士、腕に自信は」
珀明は胸を張った。
珀明「我が碧家は詩文、芸能に長ける家だ。武芸などとんと縁がない!」
静蘭「つ…使えない…」
兵士たちは大勢いる。

静蘭『二人をかばって戦えるか?』

一人の兵士が不敵な笑みを浮かべながら進み出た。
と、その時、いきなりその兵士が吹っ飛んだ!
驚く静蘭たち。

「よう!」

秀麗・静蘭「燕青!」
燕青「久しぶりだなあ、姫さん、静蘭」

燕青はにかっと笑った。



朝議は続く。
配られた書類を読んでいる高官たちを見ながら。
劉輝「そなたの不正を証明する書類を作成したのは、紅進士と杜進士だ」
高官「この細かい数字を…」
劉輝「紅進士が不当な言いがかりをつけられたことで、何とか釈明の助けになればと徹夜で仕上げ提出した。二人は誰が不正をしているか、ちゃんと分かっていたわけだ、蔡尚書」
蔡尚書「お、おかしいと思わないのか! 突然振って沸いたような女人受験に、17の小娘が探花及第だと? 国試はそんなに甘くない! 王と側近が女人受験を強引に推進した。おかしいと思わんか」
その言葉に。
高官「主上、私もそう思います。正直なところお聞かせ願いたい」
高官「実力でなければ認められません。それこそが、先王陛下が国試を導入した一番の理由であったはずです」
高官「その通り!」
高官「主上!」

劉輝「そうだな、実力主義が国試だ。
だから先王は、王でさえ介入が不可能な国試制度を作った。
それは国試を突破して来た者が、一番良くわかっているのではないか?
どれほど国試の公平性が厳しく、どんな不正も許さないか、
身をもって体験してきたはずだ。
そう、国試は甘くない」

蔡尚書「ではなぜ当の紅進士は姿を現さないのです?
この書類も本当に紅進士が書いたのかどうか、怪しいものだ。
まもなく正午、査問会の始まる時刻。
大方恥をかくのが嫌で逃げ出したというところですか。
まあ無理に官吏になどならずとも、紅家の姫ならいくらでも良き縁談があることでしょう」

蔡尚書が高笑いをしていたまさにその時。

「紅秀麗、参りました」

息を切らして、秀麗が到着した。
安心する楸瑛、絳攸、黄尚書、景侍郎、紅黎深。
歯軋りする蔡尚書。

劉輝「紅進士、そなたの国試及第に不正ありと疑惑を持つ者がいる。どうする?」
秀麗「私は官吏をやめるわけには参りません。まだ何一つ成していないのですから」
劉輝「ちょうど正午だ。これより、この場にて査問会を開く。公開口頭試問なら、不正のしようもないだろう」
秀麗「どうぞ、ご随意に」

劉輝「ではこれより、査問会を始める!」

査問会が始まる。



劉輝「では最後に尋ねる。なぜ女人の身で官吏になりたいと」

秀麗「僭越ながら、なぜ女の身でとお尋ねになられても、
その問いの答えは持っておりません。
私は、私が出来ることをしにきました。
自分が男でも女でも、国試を受けました。
官吏になりたい。この手で多くのものを守りたい。
そう思っていました。だから国試を受けたのです」

劉輝『…秀麗…』

劉輝の目の前にいるのは、官吏の秀麗だった。









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